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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

チャレンジシートから~職場の悩み編~

 私は、研修終了後に「チャレンジシート」なる感想を参加者に書いてもらっています。事務局が用意される場合もあります。多くは無記名で自由に書いてもらおうというものです。
 一方、私のチャレンジシートは記名式です。感想のほか、所属・職務・基礎資格・資格歴、さらに施設職員研修では施設歴(入職歴)まで記載してもらいます。

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 無記名式は自由な意見が書いてもらえると判断する向きがありますが、無記名のため、書いた感想に責任をもたない、何を言いたいのかわからないような記述をする受講生がいることも。
 ですから、匿名性より記名性という「対等な関係」を尊重したい思いで記名式を採用しています。

 先週は愛媛県社協主催の介護支援専門員特別研修会でした。昨年は「伝える力」。プレゼンテーションの技術をみなさんと学びました。今年のテーマは「ケアマネジメントに活かすコーチング技術」です。翌日は愛媛県老施協主催の「人を伸ばす施設コミュニケーション」。連チャンでの研修会でした。
 それぞれのチャレンジシートに寄せられた「職場のチームワーク」に関する「ちょっと込み入った悩み」をちょっとご紹介しましょう。
 みなさんも「あるある」と思える悩み。みなさんならどう考えますか?

□H.Sさん(男性、ケアマネ歴1.5年、介護福祉士歴18年)
 「利用者さんに対して、やってあげてる感の強いケアマネさんがいて、困っています。自分の信じていること以外は心を閉ざすし」
 やってあげている感ですか…本人に自覚はないのでしょうね。つい威圧的で「これで大丈夫でしょ?」と念を押すような言い方だと、傍からはそう見えるかも。自分本位で頭がカタイ人は、心を閉ざすというより、聞く耳をもたない。一所懸命さはわかるのですが、せっかくのアドバイスにもカチンときてしまうことも。それに感情が入ると、意地になる・ムキになってしまう。
 みなさんのまわりにはいませんか?

□A.Mさん(女性、ケアマネ歴7年、歯科衛生士)
 「上から目線の同期がいます。同じ事務所のスタッフだけでなく、他の事業所の方に対しても、仕事を回してやっているという感じで困っています」
 今度は「上から目線」ですね。連携やサービスの調整を「仕事を回す」という感覚でとらえていると、サービス担当者会議などでも、そのような態度が見え隠れして、事業所さんもほとんど発言しない・できないという状況が起こっているようです。
 ケアマネジャーをキャリアアップととらえて、対人援助職スゴロクの最終の上がりのように勘違いしている人もいるのかもしれませんね。

□T.Iさん(特養の施設長歴2.6年、介護福祉士歴8年)
 「ユニットを仕切りたがる職員が、相手を思いやらない発言を繰り返し、注意してもまた同じことの繰り返し。チームワークがそのたびに乱れて困っています。本人とゆっくりと話し合う機会をもってみたいと思います」
 本人は思いどおりにやることをリーダーシップと思っているのでしょうか? それとも、自分の積極性を出しているのか。相手を思いやらない発言自体がわからないのかもしれません。
 本人と向き合う時に、スーパービジョンの手法が活かせるでしょう。

 職場の悩みの多くは人間関係といわれます。その第一に上がるのがコミュニケーション。とかく話すことに重きをおかれますが、実は聴くこと(傾聴)のほうがもっと大切。そして、書くこと、読むこと、見ること(観察)、さらに態度(ボディランゲージ)があります。
 この「コミュニケーションの5つの道具」をだれもがバランスよく使いこなすことで、職場の人間関係改善に役に立つのでは? 人柄や性格のせいにしては、最後の本音は「いないほうがマシ」という排除の発想になってしまうのがオチではないでしょうか?

ムロさんの写メ日記
愛媛県介護支援専門員特別研修:「ケアマネジメントに活かすコーチング技術」

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会場いっぱいの受講生のみなさんです

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コーチング技術では基本となる「GROWモデル」を紹介しています

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狭いながらも、前後の人とワークショップ

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自分の「3つの強み」を話し、おたがいで超ほめあうというワークです。これは「やっぱりうれしいです!」と盛り上がりました

愛媛県老施協:「人材を伸ばす施設コミュニケーション」

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言いにくいことを伝えるコミュニケーションのグループワーク。記録を「主観的」にしか書けない職員をどう指導するか

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みんなで話し合っている様子。テーブル中央の黄色のコーンがいいですね

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このプロジェクターの解像度がよくて、とても見やすかったです

品川福祉カレッジ:「サービス担当者会議の開き方・進め方」

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サービス担当者会議がなぜうまく進まないか。ケアマネ歴1~2年のみなさん中心に考えました

街の道ばたから

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東京は紀尾井町交差点の「防災服の子ども」像。思わず写メしました

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某お寺の庭です。すっかり秋ですね

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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

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