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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

包括職員・ケアマネの「伝える技術」

 先週のこと、神奈川県社会福祉士会が主催する地域包括支援センター職員&ケアマネジャーを対象とした「伝える技術」の研修会を行ってきました。場所は横浜の社会福祉会館でした。様子は10月最終のブログをご覧ください。「相談援助職のプレゼンテーション技術」として写真で紹介しています。

 社会福祉士歴3年で包括歴2.6年の女性のS.Sさんの感想です。
「自分が伝えたいことを相手に伝えるために必要な技術を学ぶことができました。今までは、気持ちだけで話していたことに気づきました。話を組み立てる作業をせずに、マニュアルやパンフレットを読み上げるだけでした。これから、伝える際には6W1H1Rを心がけたいと思います」

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 伝えるというと一所懸命に話すことだと勘違いしている人がいます。みなさんが参考にされる本にも「気持ちをこめて話しましょう」と書いてあるので仕方ないですが……。ところが気持ち、つまり思いをこめても、内容が伝わるわけではありません。むしろ感情面ばかりがあらわになって、話が抽象的になりやすいもの。
 気持ちをこめるというスタンスは、自分を中心にしていますから、聞き手の反応なんて視野に入っていません。がんばって話せたことを第一目的にするので、どうしても聞き手不在の話し方になります。

 私は、いろんな講演会を聴く際や、取材などで質問をする際には「6W1H1R」を常に意識しています。すると話し手がどの部分を洩らしているか、不完全かがわかるからです。
これは「ケアマネジャーの質問力」で初めて書いたことです。
 Who・・・だれが
 When・・・いつ
 Where・・・どこで
 What・・・なにを
 Why・・・なぜ
 How・・・どのように
 これはおなじみの「5W1H」。でもこれでは、足らないことがあります。それは「どうなったか・・・結果:Result」ということ。それに「思い・願い・・・Wish」です。

 これがひとつでも欠けていたり、抽象的(例:家族=長女、長男、次男、次女? だれでしょうか?)だと、とたんにわかりにくくなります。それだけでなく、聞き手に混乱や憶測を与えたり、誤った解釈や理解を生んでしまうことになりかねないからです。

 先にも書きましたが、この「6W1H1R」はアセスメントの際にもとても使えるキーワードです。みなさんも吟味してみて下さい。
 続けてS.Sさんの研修の感想をご紹介しましょう。
「自分が日頃、弱点だが、どう強化してよいかわからない点を指摘いただけた、具体策を提案していただけたと感じました」
 そうなんですよね。できない部分は意識できても、どう克服すればよいか、そこがわからない。よくあることです。

 そして社会福祉士3年目のY.Iさん(女性)です。
「ケアマネや社会福祉士の武器のひとつが言葉だということ。言葉を仕事にしていることの重さ。いままでは、どこかで、ニュアンスで伝わればいいや、と思ってしまっていました。自分に甘さがあることに気づけました」
 
 私は「介護職の方はおもに身体を使い、相談援助職は言葉とペンを使います」という例えをします。訪問など体力勝負の面はありますが、主に使うのは口と手。そして口では「言葉」を扱い、「手」では文字を扱うことに。
 言葉は言ったら変更のきかない「消えモノ」
 文字は書いたらいつまでもある「残りモノ」
 それぞれの特質を知って、上手に慎重に扱うこと。

 まさに伝えるための言葉と文字の「道具磨き」が求められています。


ムロさんの写メ日記

【京都:北桑会】
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先週は京都市右京区京北にある社会福祉法人北桑会主催のリスクマネジメントと職場のコミュニケーションの研修会です。
京北町は私の出身の町。かつて「京北町」でしたが、いまでは京都市との合併で、右京区となりました。昨年に引き続き2回目のふるさと研修会。実家!から研修会場に通う2日間でした!(^^)!

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参加する職員の出身地をつい尋ねてしまいます


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懐かしい姓と地名に、「もしかして○○と親戚?」と、中学時代の友人との関係を確認することも(笑)


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眼鏡の背広姿は、わが2年後輩の植田くん。実家の文房具屋を継いで、いまは京北商工会議所の専務!であり、訪問介護事業所の責任者とのこと。びっくりです。本当に懐かしい再会でした!


【愛知県:昭徳会】
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愛知県の社会福祉法人昭徳会の職員研修会です。テーマは「人材育成にいかすコミュニケーション技術」。私が日本福祉大学に在学中の通学路にあった法音寺(日本福祉大学を設立した宗教法人)のホールが会場です

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いつにはない緊張しながらの自己紹介でした(^_^;)

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参加する職員のみなさんの笑顔がまぶしかったですね


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グループワークも楽しく、あっという間の3時間でした


【京都駅:幻想噴水】
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京都駅の幻想噴水(高室命名)を見つけました。京都駅の近鉄ホームの下にあるのですね、これが。実に見事でした

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文字が出たりするので、思わず立ち止まり写メです


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大文字など京都のおなじみの景色が噴水で描かれます。
ところが、私のデジカメではシャッタースピードが遅くて……残念でした(>_<)。とりあえず雰囲気を味わってください!(^^)!。興味のある方はぜひ足を運んでみて下さい


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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

【高室成幸さんの最新刊】
『ケアマネジャーの質問力』
著者:高室成幸
定価:¥2,100(税込)
発行:中央法規出版
ご注文はe-booksから
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