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佐野卓志の「こころの病を生きるぼく」 2007年09月

ぼくは再発したのか!

 ぼくはコンクリートで固められた3畳間くらいの広さの部屋にいる。小さな窓は強化ガラスだ。空気が湿っぽい。とりあえずせんべい布団から起き上がって、部屋の隅の金隠しで放尿する。終わったら水を流してもらうために大声で看護師さんを呼ぶ。なかなか来ない。部屋にはずっとすえたにおいが漂っている。

 ぼくはワーカーだ。3年前に国家試験に合格した。ルーテル作業センタームゲンで働いている。そう、ルーテル作業センタームゲンは奥さんらと19年前に設立したんだ。そうだ、ぼくには奥さんも子どももいる。奥さんの名前は波津子だ。
 ぼくは統合失調症だ。発病は20歳のとき、猛烈な幻聴、幻視の中で病院に入院した。4年間開放病棟に入院した。後半2年間は入院しながら大学に通った。福岡工業大学だ。入院していた病院は九州大学病院。最寄りの駅は鹿児島本線吉塚駅。電車で毎日大学に通っていた。
 大学を無事卒業してから地元松山に帰り、バイトばかりした。そして30歳で魔の再発! 再び九大病院に半年入院。地元松山の病院に転院してから退院した。それからまたバイトした。バイトを続けながらムゲンを設立した。波津子と二人三脚で作業所をやってきたはずだ。記憶がぐるぐる回る。



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プロフィール
佐野 卓志
(さの たかし)
1954年生まれ。20歳(北里大学2回生)のとき、統合失調症を発症、中退。入院中、福岡工業大学入学・卒業。89年、小規模作業所ムゲンを設立。2004年、PSWとなる。現在、NPO法人ぴあ、ルーテル作業センタームゲン理事長。著書に『こころの病を生きる―統合失調症患者と精神科医師の往復書簡』(共著、中央法規)『統合失調症とわたしとクスリ』(共著、ぶどう社)。
ムゲン http://www7.ocn.ne.jp/~lutheran/
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