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佐野卓志の「こころの病を生きるぼく」 2011年08月

援助者というお仕事part2

 「精神障害者という人たちを専門家としてサポートする」という精神保健福祉士の仕事内容の、そもそもの定義がぼくはおかしいと思っている。
 「精神障害者とは何か?」。まあ端的に言えば、「精神科にかかっている人たち」だろう。精神科にかかっている人たちは、普通は福祉との接点ももっていて、ある意味救われている人たちである。それよりも、孤立していて精神科にもかかっていない、精神的に危なっかしい人のほうが、よっぽど援助が必要なのではないだろうか? 必要に違いない。っていうか「同意反復」。



援助者という仕事part1

 今も続いているのだろうが、一時レンタルお姉さんというのが話題になった。引きこもっている人は男性に多いのだが、その自宅にきれいなお姉さんが繰り返し訪問活動を行って、引きこもりから脱出させるというものだ。またビフレンダーズという自殺を考えている人の一時的なこころの友になって、自殺の淵から救うというボランティアグループもある。もちろん当事者が救われさえすれば、結果オーライではあるのだが、いずれもニセの友人である。当事者も最初はニセだと分かって付き合い始める。付き合いの最中には夢中になって、付き合いが終了すれば、当事者も醒めてくれるというのが、援助者にとって理想的なのだろう。援助者側の別れのテクニックもあるのだろうが、場合によっては事実を受け入れられずに途方に暮れて、怒りと孤独に身を焦がす当事者だっているだろうと思う。特にきれいなお姉さんが親しげに近づいてきて、「好きになるな」という方が、無理っぽいだろう。



チェルノブイリネックレスpart2

 クリスちゃん「そういえばツイッターで『福島出身の女性が結婚を断られた』って言ってました」
 ばび「差別は無くなりませんね。でももちろんチェルノブイリの事故の後に奇形児の出生が増えたという報告もあります。まったく悲惨な話です」
 クリスちゃん「•••」



チェルノブイリネックレスpart1

 今日のマットグロッソでは、どこかの素敵なお姉さんがお客さんで来ていて、クリスちゃんがその対応をしている。赤と青の光を放つ小さなネオンテトラを全部で5匹すくって、ビニール袋に入れた。お姉さんは茶色の小銭入れから500円玉を出して、クリスちゃんに渡した。ビニール袋の中では、ネオンテトラたちがそれぞれ、素早く動いていた。そのとき、お姉さんの首にある、細い皮のネックレスに目が止まった。「どこかちょっとロシア風かな?」と思った。クリスちゃんは「ありがとうございます」と言って袋を渡した。お姉さんはドアから外に出て行き、クリスちゃんはお金をレジに入れて、「ふ〜」と息をつき、お客用の丸イスにドンッと腰掛けた。



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プロフィール
佐野 卓志
(さの たかし)
1954年生まれ。20歳(北里大学2回生)のとき、統合失調症を発症、中退。入院中、福岡工業大学入学・卒業。89年、小規模作業所ムゲンを設立。2004年、PSWとなる。現在、NPO法人ぴあ、ルーテル作業センタームゲン理事長。著書に『こころの病を生きる―統合失調症患者と精神科医師の往復書簡』(共著、中央法規)『統合失調症とわたしとクスリ』(共著、ぶどう社)。
ムゲン http://www7.ocn.ne.jp/~lutheran/
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