ページの先頭です。

ホーム >> 福祉専門職サポーターズ >> プロフェッショナルブログ
佐野卓志の「こころの病を生きるぼく」 2008年01月

病者の値段

 ぼくたちは、この何でも金の資本主義社会の中で、一体いくらの価値があるのだろう? 精神科病院に入院しているときの事件・事故などで損害賠償が認められた判例をみてみる。



人の目を気にすること

 東京の予備校に行くために、18歳で初めて実家を離れたが、当時のぼくは世間知らずでコンプレックスの塊だった。
 中高一貫の受験に熱心な男子校にいたぼくは、勉強のことしか知らなかった。高2のとき、一日中どんなにがんばってお勉強しても、東大に行く連中にはかなわなかったし、知識の世界の広大さに圧倒されて挫折し、自殺未遂をし、全然勉強をしなくなった。
 それからは、当時はやっていた左翼思想の本を読んだりしていた。そんな状態で一浪して東京に出た。



施設を守ること

 病者の支援を続けるには、施設を守ることが大事だ、と考えているワーカーも多いと思う。しかしこれは、病者の生活を考えてというよりも、本音のところでは自分の生活の糧を得るための職場を守りたい、という考えがまず基本にあるのではないだろうか。
 たしかにぼくの親には金があって、坊ちゃん育ちで援助も期待できるから、貧困にあえいできた、ハングリーで何がなくてもまずは金、という人とは違うかもしれないが、ワーカーだってそんな人はそう多くないと思う。
 しかし、倫理要綱にもあるように、「ワーカーとはまず病者のために」ということを基本にすえないといけないはずだ。それで「施設を守ることが病者のためになる」と素直に言えるワーカーを見ていて「幸せだなあ」と思う。



消えた年金の解決についてのスケッチ

 年末のC型肝炎訴訟では、和解の政治決断をしていれば男になれたのに、絶好の機会を逃した政府。その後やっと議員立法での和解を決断したようだ。与党の予算案が発表されたが、「障害者自立支援法」も、限りなく応能負担に近づけるけれど、絶対「応益負担に戻す」とは言わない。言ってしまうと、応益負担を導入した責任を与党、厚労省が認めることになるから。
 というわけで年末に書いているブログですが、皆様明けましておめでとうございます。



ページトップへ
プロフィール
佐野 卓志
(さの たかし)
1954年生まれ。20歳(北里大学2回生)のとき、統合失調症を発症、中退。入院中、福岡工業大学入学・卒業。89年、小規模作業所ムゲンを設立。2004年、PSWとなる。現在、NPO法人ぴあ、ルーテル作業センタームゲン理事長。著書に『こころの病を生きる―統合失調症患者と精神科医師の往復書簡』(共著、中央法規)『統合失調症とわたしとクスリ』(共著、ぶどう社)。
ムゲン http://www7.ocn.ne.jp/~lutheran/
sanobook.jpg
メニュー
バックナンバー
その他のブログ

文字の拡大
災害情報
おすすめコンテンツ
福祉資格受験サポーターズ 3福祉士・ケアマネジャー 受験対策講座・今日の一問一答 実施中
福祉専門職サポーターズ 和田行男の「婆さんとともに」
家庭介護サポーターズ 野田明宏の「俺流オトコの介護」
アクティブシニアサポーターズ 立川談慶の「談論慶発」
アクティブシニアサポーターズ 金哲彦の「50代からのジョギング入門」
誰でもできるらくらく相続シミュレーション
e-books