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佐野卓志の「こころの病を生きるぼく」 2009年04月

黄昏れネコ

 隣で飼われているネコが、うちの夕飯時になるとやって来て、縁側にこちらに尻を向ける格好で前足をそろえて、座っている。それを娘と息子が見つけて、縁側の戸を開けるのだけれど、まったく気にする風もなく、じっとしたまま向こうを向いて座っている。
 夕飯は、うちで唯一家族全員が揃う時で、ヘルパーさんも一緒にいる。それに引かれるように縁側に寄って来て、夕食の会話を聞くともなく聞いているかのようだ。いつしか、その黄昏れた雰囲気から「黄昏れネコ」と呼ばれるようになった。



テポドンなんかで騒いでいる時じゃない(part2)

 自殺を考えている人は「死にたい」のではない。精神的苦痛から「楽になりたい」だけなのだ。身近な人が相談を受けたら、「楽になる」方法がほかにないのか、ゆっくりと話を聞いて一緒に探すべきだろう。
 何よりも、いざという時に頼れるネットワークが存在していることが大切だろう。自殺を考えている人の多くは、「人に頼る」ということを思いつかない。いくら税金をつぎ込んで相談支援ネットワークを作っても、この問題は一筋縄ではいかない。身近な人のちょっとした異変に気づき、相談支援ネットワークにつなげることのできる、身近な人への不断の「関心」が大切になってくる。



テポドンなんかで騒いでいる時じゃない(part1)

 テポドン騒動は、発射前にはマスコミで大いに盛り上がって、タカ派に大いに利用された感がある。飛んでしまえば、別に一人の死者も出た訳でもなく、散々不安を煽っておいて、何なんだと思うばかりだ。追い込むための国連決議に反発した北朝鮮は態度をますます硬化させて、日本のタカ派は笑いが止まらない。このままだと「日本も核武装を」と堂々といえる空気に確実になってしまう。



肉体労働をしていた(part3)

 肉体労働のバイトをしていたときは、無性にお腹が空き、昼飯はよく行く店で、お好み焼きを2枚も食べていた。頭を使わないからからだの調子もよく、よく眠れたし絶好調だった。病気の人には結構向いていると思う。
 職人さんは大きなランチジャーに、いつも奥さんの手作りのお弁当を持ってきていた。ほかほかでうまそうで「やっぱり手作りの弁当が一番うまい」と言っていたが、職人さんは病院のナースと浮気をしていたらしく、みんなをクルマで病院まで連れて行って自慢もしていた。自宅へも招待してくれたが「奥さんに言うなよ」と念を押された。ぼくが世間知らずだったので、不安だったのかもしれない。



肉体労働をしていた(part2)

 コミュニティセンターの工事現場では、地下も駐車場を造るため掘り下げてあり、屋上での鉄筋を結ぶ作業をするために、6階の高さまで登るのは足がすくんだ。階段も細いぐらぐらするパイプの手すりが付いているだけで、床も隙間から下の地面まで見通せて吸い込まれそうだった。正月明けに酒を飲んで登った作業員が落ちて運ばれたが、どうなったかは聞かなかった。うちの組の職人は、「現場の事故で死んでもニュースにもならない」と言っていた。
 管理している元請けのゼネコンは、毎日の始業に全員でやるラジオ体操の時に、口を酸っぱくして「安全」を繰り返し、「安全ベルトの着用するように」と言っていた。労災は大変な出費なんだろう。



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プロフィール
佐野 卓志
(さの たかし)
1954年生まれ。20歳(北里大学2回生)のとき、統合失調症を発症、中退。入院中、福岡工業大学入学・卒業。89年、小規模作業所ムゲンを設立。2004年、PSWとなる。現在、NPO法人ぴあ、ルーテル作業センタームゲン理事長。著書に『こころの病を生きる―統合失調症患者と精神科医師の往復書簡』(共著、中央法規)『統合失調症とわたしとクスリ』(共著、ぶどう社)。
ムゲン http://www7.ocn.ne.jp/~lutheran/
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