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佐野卓志の「こころの病を生きるぼく」 2009年02月

いいワーカー(part1)

 精神科ソーシャルワーカー(PSW)が、「自分は専門家だ」と自認していては、大したことはできない。ワーカーは知的だという周りの見方もあり、実際に知的な研修会などを繰り返し行っている。しかし現場では、ふつうのおばさんがかかわったほうがいい、と思うことがたびたびある。



安心ということ

 普通、幻覚妄想などが出始めて病気が悪くなったといわれるが、病気は症状が出始めれば、治り始めている。これは主治医の言葉であり、中井久夫医師の言葉でもある。症状が出始めるまでの、ストレスを溜め込んでいる時が一番病的である。そして病状が出始めるまでの状態が、病状が出始める前に耐えている状態が、本人は一番キツイ。



施設を増やすことはいいことである

 ワーカーは、正攻法で闘って勝ち取ればいい病者の権利でも、ひたすら行政や病院経営側の空気や発言を読んで、闘う前に「ムリだ。無駄だ」とか判断しているようだ。管理する側とは一線を画すべきなのに、闘う相手を読みまくって同化している。ずいぶん親しくして緊張関係がないように見える。
 当たり前のことだが、ワーカーにとって病者は仕事の対象であり、プログラマーにとってのパソコンや、ディーラーにとっての株のようなものだ。仕事の対象とは明確な「壁」があるということである。



差別ということ

 最近の格差社会化によって、若者のホームレス化が進行している。普通の生活をしていた時には「あそこまでは落ちぶれたくない」と思っていた人が、なりたくないホームレスになってしまったら、自分を激しく否認する気持ちが起きる。
 からだは路上で生活していても、気持ちは社会にいた時のままである。挫折感、屈辱感、無力感を受け止めきれないのだ。自分がホームレスと思われたくないから、ホームレスの人たちに近づかないし、身なりもホームレスに見られないように気をつける。
 炊き出しがあることを知っても、路上のおじさんたちと一緒に列に並ぶのはプライドが邪魔する。ホームレスと呼ばれ、社会の冷たい視線に耐える覚悟はない。しかし確実にお腹は減っている。「自分は一時的な状態だから、やつらとは一緒にしないでくれ」と葛藤する。でも次第にホームレス社会に引き寄せられていく。そして一見してホームレスとわかる身なりと雰囲気になっていく。デパートや公園でも「ここはあんたたちの居場所じゃない」と言われて、異物ゴミのように排除される(参考:フリーターズフリー、Vol.1)。



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プロフィール
佐野 卓志
(さの たかし)
1954年生まれ。20歳(北里大学2回生)のとき、統合失調症を発症、中退。入院中、福岡工業大学入学・卒業。89年、小規模作業所ムゲンを設立。2004年、PSWとなる。現在、NPO法人ぴあ、ルーテル作業センタームゲン理事長。著書に『こころの病を生きる―統合失調症患者と精神科医師の往復書簡』(共著、中央法規)『統合失調症とわたしとクスリ』(共著、ぶどう社)。
ムゲン http://www7.ocn.ne.jp/~lutheran/
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