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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

人間の幅

 今年の私の変化は、NHKの大河ドラマを見続けていることです。これは珍しいんですね、私にとっては。
 いつもの年なら数回適当にしか見ないのに、今年は「龍馬伝」なので、ちょっとおもしろそうかなと思って見始めたら、病みつきになりました。
 研修で長崎や高知に行く機会も多く、それに出身が京都ですからね。35歳でようやく『龍馬がゆく』(司馬遼太郎著)を読んで、あの感動が忘れられず。今回の龍馬はちょっと女性のモテ過ぎともいわれながら、全体が映画的な手法で見ごたえがあり、録画にとって見るまでになりました(^_^;)。

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 それはそうと、「人間の幅」です。坂本龍馬に関する本に数冊目を通すと、彼の「人間的魅力」について触れたものの多さに驚きます。
 彼は語学力があったわけでもなく、海外渡航の経験もなかった。それに、たかが「下士」(武士のなかでも最底辺)の立場で、一流の勝海舟や西郷隆盛などと交流をもち、あれだけの偉業を成し得たのも、その究極は「人間的な魅力」にあったと説きます。

 さて「人間の幅」です。
 私も大勢の方にお会いします。そして名刺交換です。させていただくと、そこに肩書きや資格が書いてあります。肩書とは、いわば組織のなかでの「立場」を示しています。同時に、どのような責任をもっているか、だいたい推察することができます。
 忘れもしない、神奈川県の施設管理者研修会の会場での思い出です。30歳前後、耳にはピアスの穴(研修なのではずしている)、EXILE風のまばら髭にクリスマスのような毛糸の帽子という出で立ちの男性。名刺に「介護主任」や「リーダー」などが書いてありました。
 「担当しているスタッフの人数は何人ですか?」
 すると真顔になって、「20人っす。年輩のわかんない人がいて、もう、堪んないっす。胃、穴開きそうで、円形脱毛症になったす」と、頭のなかの十円玉大を3つ見せてくれました。
 彼なりに苦労している様子が伝わってきました。

 そして1年後、違うテーマで彼と再会です。今度は髪型はまとも?で、髭はきれいに剃り、スーツ姿だったのでわかりませんでした。
 「先生の感情労働の話を聞いて、とてもすっきりして。職場の人へのほめ言葉なんかも聞いて、使ってみようかなってやりました。その後、職場の人間関係もよくなって、なんとかやっています(笑)」
「で…あの、円形脱毛症は?」
「ああぁ(笑)、治りました。バッチリっす!」
 彼の話ぶりに、年上のじゃじゃ馬ヘルパーさんたちとの関係づくりがうまくいき、今はやりがいをもって仕事をしている様子が伝わってきました。

 彼なりに苦労はしたけど、それが彼の「人間の幅」になりつつあるな、という印象を彼のリアクションから私なりに感じとりました。
 「なんか、いい感じじゃん!いいよ!」と横浜ッ子言葉を使って彼の成長を認めたくなったのです。

 人間の幅…それは多分、年齢や資格やものの見聞きの量ではなく、苦労を「糧(かて)」とできた分、その人の「心の蔵」(つまり内面)に宿るのではないかと思います。
 それが話していて、今風にいうと「オーラ」となってかもしだすのかもしれません。私なりには、そんなオーラをキャッチできるように、アンテナ高くを心がけています。

 人間の幅と人間的な魅力

 自分も心しておきたいなと思う今日この頃です。

ムロさんの写メ日記

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前回も紹介しましたが(^_^;)、11月2日、文化の日の前日、わが京都の京北町(現京都市右京区)の特養「豊和園」での研修会の様子です

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会場には職員の方以外にも、地域の居宅介護支援事業所やグループホームの方などが参加されました。この日のテーマは「記録と文章の上達術」です

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研修会場の後ろで溝口勝理事長とわが母が見学です。私がどのような仕事ぶりかわからない(>_<)と言っていたので、せっかくの機会ですから母親参観をしてもらいました。いや、恥しかった(^_^;)

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わが小学校の同級生:井川利恵子さんも会場に! 保健師として大活躍しているそうで、とてもうれしく思いました

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明日の(社福)北桑会と京北の地域福祉を担うみなさんです。今年、わが出身の高校から4人の卒業生が就職したと聞きました

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岐阜県の主任介護支援専門員研修会です。場所は大垣市の情報工房のホールで、とても素敵な会場です。今日は「地域援助技術論」の講義です

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事務局の岐阜県福祉総合相談センターの平尾憲俊さん(向かって左)と岐阜県居宅介護支援事業協議会の立木孝幸さん(右)です

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コメント


龍馬伝もいよいよ佳境ですね!
福山雅治さんが大好きなので、見続けました(笑)

人間の幅・・・
本当にそうですね。日々起こる出来事が、全て学びの元ととなり、自分の成長の糧になるのでしょう。

そう思いつつも「なんで私ばかりが・・・」という被害者意識が、前向きな発展性のあるものにつながらない理由だと思い、反省です。

日々の出来事がちょっとした考え方の変化で違う輝きを放つ!
そのちょっとした(いえいえ、とても大切な)ヒントをいただけるのが、高室先生のセミナーですね!

また、受講させてください!!!


投稿者: 桃太郎 | 2010年11月17日 00:05

桃太郎さんへ

 龍馬伝フリークですか(笑)・・・
 オープニングの音楽は秀逸ですよね。
 いまにも時代が大きく変わることを予感させるような楽曲。これも圧巻です。

「物事は考えようや」と、よく知り合いのおじさんに教えられました。
「もうあかんと思っても、そう思っている自分がまだ残っている。ほんまにあかんようになったら、それさえも浮かばんもんなんや、人間は・・・。そのあかんと思っている自分からちょっと自由になってみ。こだわっていた己がちっぽけやったなと思えたりするもんやからな、人間は。だから案外と強いんや、人は」

 私は「案外と強い」という言葉がとても印象に残りました。高校生の頃、いま思えば些細なことでいっちょうまえに悩んでいたんです。
 そのひょうひょうとした無責任な言い方だったのがまたよかった。説教臭くなくって。
 とても楽になれました。

 いま思えば、あれがあのおじさんの幅だったんだなと。煮詰まっている私に「もうひとつの見方」を教えてくれたわけです。

 禅問答のようですが、真髄をついているな、といつも思いだします。


投稿者: たかむろ | 2010年11月18日 23:44

先生!!忙しい日々ですっかりごぶさたしておりました。龍馬の話なら私もぜひ!!本当に同じくはまって一回もかかさず見ております。NHKさんにお手紙まで出してしまいました。映像の撮り方がいいですよね!福山さんも好きですが、龍馬に弥太郎にそれぞれの人物の生き方にはまり歴史にはまり来年こそ、いざ高知へ!
あの時代に今の国のもとができていたかと思うとぞくぞくします。
しかし最終回の日に東京おのぼりさんツアー(勝手につけた職場の旅行)で新宿の居酒屋にいる予定で・・時間には帰ろうか?迷ってます。

ところで、東京の銀杏並木は紅葉きれいですか?
いろんなとこ回る予定で楽しみです。先生にもお会いできるといいのですが、確か研修が・・かねるには難しいなと。

あと、先月わが町に、認知症の長谷川式スケールを考えたあの長谷川和夫先生が講演に来てくださいました。穏やかな話し方、そして本当にわかりやすいお話で、81歳になられるとは思えないほどです。皇室の方のような穏やかさでした。
ぜひ、対談する機会があれば!

では寒くなります。
風邪に気をつけて、インフルエンザ流行の兆しです。
またお会いしたいです。


投稿者: kobajun | 2010年11月21日 17:03

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

【高室成幸さんの最新刊】
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著者:高室成幸
定価:¥2,100(税込)
発行:中央法規出版
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