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佐野卓志の「こころの病を生きるぼく」

ムゲンはサービス業part5

 ムゲンが工事の期間中、狭い隣の病院の2階だけで我慢すれば、広いみんなのくつろぎスペースと、店舗ができる。新しいムゲンのドーム型の建物は近所でも目立つ存在になるだろう。店舗ができることによって、誰もが出入りできて、地域との交流が進むことが期待できる。やかましくほこりの舞うまったくご近所迷惑なムゲンの工事が始まってから、ご近所の誰がムゲンに好意的で、誰が嫌っているのかも分かってしまったが、好意はホントにありがたく、逆に嫌われるのはどうしようもない。

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 ムゲンもここまで来たという感慨と、ここまで来てしまったという思いが交錯する。僕の若い時代の無認可作業所時代のムゲンは、無給だったけれどそれなりに充実していて、僕も全力で関わっていた。いまは僕も年をとってしまって何もできないし、昔はよかったと懐かしがっても、施設としてもう後戻りは考えられない。
 part1で書いたように、ムゲンではじつにトラブルが多い。おそらく松山で一番トラブルが多い事業所だという自覚がある。これは逆に言えば、「みんながのびのびとして元気がある」という証拠だ。だからあっちへごつん、こっちへごつんとみんなが頭をぶつけ合う。これはムゲンのプライドであり、将来も受け継いで、伝統にしてほしいものだと考えている。ムゲンののんびりゆったりの雰囲気は、仕事をしてお金が欲しい人には向いていないと思っているので、見学に来た人には、無駄話もしないで1日中キリキリと働いている事業所の方を勧めることもある。
 ムゲンはオリジナル製品でメンバーの給料をまかなっていると、周りは思っているかもしれないけれど、内職や店番も取り入れている。オリジナル製品は売れればいい金額になるのだが、ぱったりと売れない月もある。内職は誰にもできて、確実にお金になるというメリットがある。各地のバザーや高島屋ハートフルプラザなどの店番もあり、販売が向いている人には、安定した収入になっている。

 ムゲンのフェイスブックページもできているので、ホームページ共々、見てみてください。じつは最近まで半年にわたってムゲンも通販によるネットショップを開いていたのだが、宣伝不足もあり、売り上げが上がらず経費ばかりかかるので、閉じてしまいました。これからもリアル松山で製品を売っていこうと思います。

フェイスブックページ
http://www.facebook.com/pages/NPO法人ぴあ-ルーテル作業センタームゲン/259718170721218?sk=wall
ホームページ
http://www7.ocn.ne.jp/~lutheran/


コメント


お疲れ様です。
佐野さんが昔言った、ちびまるこちゃんちのような家庭っていうフレーズ気に入ってます。
そうですよね、とかく世の中世知辛くって、何でも早く早くってスピードが重視されるので、ゆっくりのんびりって心がけないとなかなか難しいですね。
弱者って健常者のペースに長年付き合わされている人が多いので、それでトラウマを抱えている人多いですね。のんきとこんきって言うけど、なかなか難しくて疲れてます(笑)


投稿者: アサデンコウ | 2011年12月02日 12:28

ちびまるこちゃんちはまるこのだらしなさが延々と描かれるので、すきです。のんきを許されない世間の厳しさがあり、世間の常識を押し付けてくる、多くの人がいます。ムゲンでみんなが働いている中で、どうどうとお昼寝ができるまで、葛藤の期間はありました。ぼくなりの方法でムゲンに参加すればいいのだと分かりました。居続けるだけでいいのだと。


投稿者: 佐野 | 2011年12月02日 21:36

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
佐野 卓志
(さの たかし)
1954年生まれ。20歳(北里大学2回生)のとき、統合失調症を発症、中退。入院中、福岡工業大学入学・卒業。89年、小規模作業所ムゲンを設立。2004年、PSWとなる。現在、NPO法人ぴあ、ルーテル作業センタームゲン理事長。著書に『こころの病を生きる―統合失調症患者と精神科医師の往復書簡』(共著、中央法規)『統合失調症とわたしとクスリ』(共著、ぶどう社)。
ムゲン http://www7.ocn.ne.jp/~lutheran/
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