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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

ブログ版ディズニーAcademy体験

 先週の水曜日、私は舞浜駅にいました。実に10年ぶりでしょうか?舞浜といえばTDL…つまり東京ディズニーランドです。
 TDLに来たのは、家族と楽しみに来たわけではなく、つまり仕事の一環として来たというわけです。

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 こちらでは、TDLが誇る社員研修を体験してみませんかと、社員研修体験コースも用意されています。その名も「ディズニーAcademy」として提供されています。場所はディズニーホテル内です。こういう機会がないとホテルにも入れないですよねぇ。

 午前中が講義、午後は実際にディズニーシーを見学するという一日コースです。ビデオを見ながらの講義。講師はCS推進部の栄幸信さんです。創業時からのメンバーで、いわば生き字引のような人です。

 講義が始まりました。
 「ここでは、パーク内すべてがステージ(舞台)として位置づけているので、オンステージと呼びます、お客様はゲスト(観客)です。そして迎えるスタッフはキャスト(出演者)です。制服はコスチューム(衣装)と呼びます」と。
 なるほど、本当に「夢の劇場」に迎えるコンセプトが徹底しています。人の心に魔法をかけるディズニーならではのネーミングです。

 簡単なウオルト・ディズニーの歴史が話された後に、ディズニーのサービスコンセプト等の話です。感心したのは次の言葉でした。

 「ディズニーには何百冊のマニュアルはありますが、おもてなしのマニュアルはありません。あるのは4つの行動基準:SCSEだけです」

 その中味はというと…
 SはSafety(安全)、CとはCourtesy(礼儀正しさ)、SとはShow(ショー)、EとはEfficiency(効率)。この4つがホスピタリティの原点であり、つねに立ち返る場所として徹底して教育されるといいます。「効率」が最後というのにも納得。効率が最初に来ると、安全・礼儀正しさ・ショーはすべて台無しになるから。あくまで効率は最後の判断基準。まず優先されるべきは安全…

 よく知られたわかりやすいエピソードです。掃除のマニュアルには「パークに朝一番で来たゲストの赤ちゃんがハイハイしても汚れない程度に」と書かれているそうです。深夜のうちに砂粒1つ残さずに洗い流すようにしているといいます。
 だれもが掃除をしている人(掃除専門のキャスト)の掃除ぶりには感心するようで、私も同感でした。なんと掃除専門キャストを志願する人も多いと聞きました。

 「ゲストの目に触れるものすべてがショーです。ショーは毎日が初演です」の話。だから、スタッフが使用する場所は「バックステージ」というのですね。これも納得です。

 講義で栄さんが「ディズニーが提供する製品はハピネスです。これは形として確認できない、瞬間に消費される、保存できないものです。だから「品質管理」はできないんです。つまりディズニーはヒューマンウエアであり、人(キャスト)が財産なんです」と話していました。
 これは、私の「ケアという仕事は共時性である」という理論ととても近いものを感じました。ケアとは無形であり、瞬時に提供され消費される商品であり、検品ができないものであるという説明と近いものを感じました。
 さらに、キャストのモチベーション維持のためにさまざまな工夫もなるほどと思いました。「ファイブスター活動」といって、5つの点で「この人はすばらしい仕事をしている」と感じたら、カードに書いて相手に渡すというものです。
・サービス
・リカバリー
・チームワーク
・態度、姿勢
・ショーマンシップ
 管理職からキャストへ、キャストから管理職へ。その渡し方は上下ではなく、フラットです。そうそう、ディズニーでは管理職名で呼ぶのではなく、すべて「○○さん」で呼ぶことが原則だそうです。社長も部長もすべて「さん」づけ。これも好感をもちましたね。
 このファイブスターはお互いを認め合う習慣づくりとなっているようです。

 このようにさまざまな工夫がされているディズニーは、やはり「奥が深い」と思った次第です。
 さすが日本一のテーマパークですね。学ぶべきこと、多しと思いました。

ムロさんの写メ日記

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さあ、これからディズニーAcademyの始まりです!

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ディズニーAcademy研修を一緒に受けたみなさん

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午後はディズニーシーでフィールドワーク。栄さんから説明をうけます。結構、細やかな気配りが随所にあるんですねぇ

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キャスト7年目の方にじかにインタビューです

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テーマアトラクションに見入るゲストたち。研修を受けると、いかに細やかに考えられているかがよくわかりました

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隠れミッキーを「見っけました」

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ディズニーシーでの最後の記念写真です

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コメント


 いつも配信ありがとうございます。携帯への配信だったので、コメントの投稿はしていませんでした。初めて描きます。
 ディズニーのサービスはいつも関心していましたが、そんなことがあったのかと感心して、読ませていただきました。高室先生は心のさせです。介護の世界で疲れたとき、先生のお話を聞いては元気をもらって復帰してます。毎週のブログも楽しみです。これからもよろしくお願いします。


投稿者: 不真面目なケアマネM:S. | 2010年09月21日 16:08

不真面目なケアマネM:Sさんへ

 メルマガ「元気いっぱい」の読者の方ですね。ありがとうございます。今回はメルマガとブログのコラボで書かせていただきました。メルマガだとどうしても文章量に制約がありますし、画像は無理ですしね。

 感想、ありがとうございます。
 みなさんの仕事は「感情」をフルに使う感情労働ですから、疲れ方もひときわだと思います。利用者(家族)のストレスに寄り添い、それを引き受けていく仕事・・・利用者(家族)の方を支えるみなさんを支えたい。
 私の本や研修会、メルマガやこのブログなどが、その一助になっているなら、何よりです。

 個人ブログも始めました。そちらはもっとリラックスした私の一面も見れますので、一度のぞいてみてください。
 
 季節の変わり目です。ご自愛くださいね!(^^)!


投稿者: たかむろ | 2010年09月22日 21:39

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

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