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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

「五感」という語感

 今日から長崎県主任介護支援専門員研修の事例検討(4日間)が始まります。長崎は県内3ヵ所で行われ、昨日の夜に佐世保市に入りました。ホテルから一緒になったのが、対馬市の主任ケアマネさん。
 「対馬市はタテに長い島で100キロあります。移動にとても時間がかかります。人口は3万人で高齢化率はもう40%近く。独居の方も半数近くですね。韓国が海の向こう40キロに迫っています」
 なんと、夜になると車が走る様子もわかるくらいの距離で、島の人口とおなじ観光客が韓国から来るそうです。
 「やはり税関なんかあるんですか?」
 もちろんあるとのこと。韓国資本のホテルも誕生し、韓国のリゾート地が対馬(まるで日本にとってのグアム島のようですね)となっているのでしょうか?

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 私はアセスメント研修では、参加者のみなさんにアセスメントツールの話から始めます。
 「アセスメントではどのようなツールを使っていますか?」
 参加者の皆さんはお互い目を合わせながら…
 「うちはMDSだけど、おたくは?」「うちも、MDS!」
 なんて会話が始まります。そうなんです! この手の質問には、アセスメントソフトの種類で回答するというパターンができあがってしまっているのに驚きます。

 「いえ、ソフトでなく、みなさん自身が持っている道具でアセスメントに使えるものです」
 勘の良い参加者からは「え~と目ですか?」の返事が。そう、それです! なんてわざと大げさに花丸印をあげます(笑)
 「実はみなさんは気がついていないかもしれませんが、とても素敵ですごいツールを持ち合わせているんです」

 それがタイトルの五感なのですね。いい語感です。
 要するにこの五感が鈍っていたら、見ることも聞くことにも洩れが出て、即入力ミスの発生です。いくら数百万円のパソコンソフトであっても、時として、それは無価値に等しいといっては言いすぎでしょうか?

 では、どんな五感があるでしょうか。
 その第1が「目」です。目はただ見るのでなく観察する能力があります。利用者や家族の方の表情・動作から屋内の様子(きれいに整頓、散らかりなど)、近隣の様子(交通量多い、人家が少ない)までを「動画のカメラ」のように「脳内録画」しましょう。視力が落ちてきたらメガネは常備道具です。

 第2が「耳」です。聞くための耳は声で語られる言葉だけでなく、その奥にある「心の声」に聞き耳をたてましょう。「声音は心の音です」…明るい・暗い、低い・高い、ハキハキ・口ごもるなど、話し方は心情含めて多くのヒントをくれます。

 第3が「鼻」です。身だしなみの香水から部屋の芳香剤、便臭・尿臭・ゴミ臭など、香り・匂いは目でも耳でも知りえない情報を知らせてくれます(花粉症や風邪の際には鼻が効かないので注意しましょう)。

 第4が「味覚」です。舌の味覚はすごいもので、食べ物の新鮮さと傷みを見事に区別できるほど。利用者さんの舌は数十年前の懐かしの母の味、すいとんの味さえ覚えています(ただし高齢化で機能が落ちて濃い味を好みますので、その点は要注意です)。

 第5が「皮膚感覚」です。手で触れることで質感(柔らかい、硬い等)から重量感(軽い、重い等)まで知ることができます。いくら見ても嗅いでも、椅子や調味料、鍋や包丁などの重さは持ち上げないとわからない。みなさんはされていますか?

 そしてこれらの五感を総合して生まれる感覚が「予知予見」と「予後予測」であり「第六感」です。
 「なにかへんだなぁ」の心のひっかかりが、利用者の語るに語れない息子からの虐待の発見につながることもあります。

 この五感+1感をフル活用して、生き生きとしたアセスメントにチャレンジしてみましょう。
きっと大きな気づきと発見があるコトでしょう。

ムロさんの写メ日記

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第1期中級講師養成講座「研修プログラム」編のみなさん

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小村平安子さんとは誕生日(1月22日)が一緒でした!(^^)!

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神社のダルマ市です。これだけズラッと並ぶと壮観ですね

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昔懐かしい「お面」です。ほしかったなぁ~!

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今では懐かしい昭和の雰囲気を残す食堂風景です

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新宿御苑の近くのビルに…懐かしいダットサンです

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なんと1937年製とは…つまり戦中の車ということです!

今週のメールマガジン「元気いっぱい」第213号は「不機嫌な職場と援助職」です。ケアタウンの公式HPではバックナンバーまで見ることができます。


コメント


 今週はもう長崎なんですね。
 今日は和田さんの地域包括ケアの話を聞いてきました。
 久しぶりでしたが、引き込まれる話は何度でも苦痛なく聞けて、とても疲れますね。スポーツ後みたいに。
 それにしても、自分の写真ってやっぱりヘンです。勝矢さんや松美さんは見たまんまなのに…
 笑ってるつもりなのに、そう見えない。
 笑顔ベタですね。とりあえず。


投稿者: 小高義顕 | 2010年01月29日 21:14

小高さん、メール、ありがとうございます。
 この文章を読んでも、どれが小高さんかはみなさんにはわかりませんよね(笑)。
 でも、そんなことないですよ。ずいぶんと柔らかくなったという印象です。
 自分を過剰に自信を持つ必要はありませんが、引け目に思いすぎると、コンプレックスになっちゃい、知らぬうちに出てしまっていますからね。
 だから、自分の魅力を探すことですね。それには、自分の信頼できる人に「鏡役」になってもらうのもひとつですね!(^^)!


投稿者: たかむろ | 2010年02月03日 12:51

 こんばんは、初コメントです。
 先日滋賀県でのご講義頂きありがとうございました。最前列(指定席?)で聴かせて貰った(出来の悪い?)受講生です。一番最初のプロフを拝見させて頂いた時から親近感(失礼)が湧きました、それは約2ヶ月先輩という年齢的な事です。これから少しずつ質問とかさせて頂きたいと思いますのでよろしくお願いします。


投稿者: 柴田 弘美 | 2010年02月04日 21:16

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

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