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高室成幸の「ケアマネさん、あっちこっちどっち?」

文章力を磨く

 昨年10月のブログでは、「言葉のチカラ」をテーマに書きました。このときは主に会話、つまり話し言葉について「専門用語でなく、相手に伝わる言い換えの表現をもっと増やしましょう」という主旨で書かせてもらいました。

 今回は話し言葉でなく「書き言葉」です。

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 私たちは文章を書くとき、会話体では書いていません。むしろ客観的な視点で、いくぶん要約しながら書いています。それは会話や講演を録音し、テープ起こしをしてみるとよくわかります。
 「なんと、ざっくりとした言い回しだろう」
 でもそれでも通じるんですね、話し言葉は。だって、表情や身振りなどのリアクションもあれば声の音色など、さまざまな「補助機能」を最大限に活用できるわけですから。

 さて文章力です。
 なぜみなさんがケアプランや居宅介護支援記録などに「悩む」のか。ケアプラン研修を受けても、いざとなるとできないのはどうしてか?
 理由は簡単です。
(1)日本語の特性を知らない
(2)文章を読む力が不足している
(3)文章術の研修を1回も受けたことがない

 要するに、カタチ(ここではケアプランですね)にこだわっても、その器への盛り付け方を知らず、素材を選べないと、おいしく見せることはできません。

 日本語は、主語・目的語・述語がどこにきても成り立つのが特徴です。
 「山田さんは昨日スーパーで総菜を買ってきた」
 「昨日山田さんは総菜をスーパーで買ってきた」
 どちらも意味は同じです。ただし強調したい点が異なるだけです。それに述語が最後にくるのが日本語の特徴ですから、長い文章となるとわけがわからなくなりがち。

 実は「曖昧さ」は日本語の特徴で、ある意味では「美しさ」です。でも、そのことが記録をわかりにくくさせてしまうのです。
 「山田さんは夕方頃に子どもと街なかで会った。うれしくて翌日は気分がよかった」
 これは読者にイメージをさせる小説や子どもの作文ならば「可」ですが、記録ではあまりに抽象的です。
 「山田さんは午後4時に次女(38歳)と喫茶店○○で1時間話をした。1か月ぶりに会えたことがうれしくて、翌日は朝から一日中気分がよかった」
 ちょっと長くなりますが、具体的で、読み手はよく理解できます。時間帯を数字に、人称代名詞や場所を具体的に記述するだけで、「わかりやすさ」はグッと増します。

 文章を読む力は「読むこと」でしか鍛えられません。普段から新聞や本を読まないで、いざ「文章を上手に書こう」というのは、ちょっと虫がよすぎるというもの。
 おいしい料理を食べた経験がある人と、まずい料理?しか食べた経験のない人(いつもホカ弁の人)と、どちらの料理をみなさんは食べたいと思いますか?
 やたら早食い(速読)の人の料理と、じっくり味わう(読み込む)人の料理。どちらにそそられますか?

 文章を「多読」しろとはいいません。吟味せずに読み散らかしているだけでは、消化も悪いでしょうし、「多毒」になったりして(笑)。消化不良で栄養になっていなかったりしてね(速読の人、注意です!)。
 まずは「良い文章・記録を味わいながら、考えながら読み込むこと」を繰り返すことで「読む力」は鍛えられます。

 「読む力」がやがて「書く力」を育てます。基本文例なんてものを「真似」したり、引き写しばかりやっていて、「文章力」が身につくはずがありません(特にアセスメントソフトに入っている文例集には要注意です!!!)。

 近道は「遠回り」です。
 遠回りが「近道」です。
 効率性を追求するのでなく、「地道」ができる人が、1年後に大きな「差」となります。
 文章力は「頭」だけでなく「心」も鍛えてくれます。

ムロさんの写メ日記
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年明けの1月10日(土)の今年はじめての「講義初め」です。神奈川県立保健福祉大学実践教育センターのトータルケアマネジメント講座に通う社会人学生の皆さんです。多くは現場のケアマネジャーなど現任の方々。今回の講義は「地域ケアマネジメントの展開」でした!(^^)!

 今週のメールマガジン「元気いっぱい」第161号は「人々が暮らす『にほんの里100選」です。ケアタウン総合研究所の公式HPでもバックナンバーがすべて見ることができます。


コメント


今回のブログの題名を見て、私が今一番必要なことはやっぱりこれだったのかと気づかせていただきました。前期ケアマネ研修を終え、演習で全く発言できない自分に自己嫌悪を覚え、また、他人の意見に判断を下し傾聴できない人に悲しみを覚え、、、とにかく全てが今までの自分ではいけないと思わせられる3日間でした。高室先生のように理性と知性を持ち合わせたケアマネになりたいです。でも今はくじけてます。


投稿者: 花 | 2009年01月19日 09:36

ちょっとくじけ気味の花さんへ

 なかなか理解してもらえなくて、つらい気分になることってありますよね。そんなとき、自分の欠点や短所ばかりをみて、またまたため息をついたりして(^_^;)。

 私も20代のある時期はそうでした。
 でもある時、「短所は治らない・克服できない」なんて文章を読んだ時に、なぜかすっきりしましたね。それより「長所で短所をカバーすることを考えてみましょう」なる一文にも目を引かれました。

 長所をさらに伸ばしながら、短所をカバーする。なるほどと思いアレコレと動きだすと、結構気分もポジティブになって、気がつくと気にならなくなっていた自分がいました。

 まずは悔やむより、小さな一歩でいいので「何かを始める」ことから始めてみませんか?
 きっと、努力が花咲くことでしょうね。
 いっそ思いっきり泣き喚いたりすると(^_^;)、気分すっきりとしたりね。(まあ、ホドホドですがね)

 ストレスケアのコツは「こまめにする」ことのようです…!(^^)!。


投稿者: たかむろ | 2009年01月19日 20:29

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
高室成幸
(たかむろ しげゆき)
ケアタウン総合研究所所長。日本の地域福祉を支える「地域ケアシステム」づくりと新しい介護・福祉の人材の育成を掲げて活躍をしている。「わかりやすく、元気がわいてくる講師」として全国のケアマネジャー、社協・行政関係、地域包括支援センター、施設職員等の研修会などで注目されている。主な著書に『ケアマネジメントの仕事術』『介護予防ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『ケアマネジャーの質問力』(以上、中央法規)、『地域包括支援センター必携ハンドブック』(法研)など著書・監修書多数。

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