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秋山映美の「監獄から社会へ」

釜ヶ崎で出会った3つの団体 その3「NPO法人こえとことばとこころの部屋」

 NPO法人こえとことばとこころの部屋(ココルーム)の上田假奈代さんとの出会いは、2006年、NPO法人OurPlanet TV主催の「トーチ・プロジェクト」の完成試写会でした。
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写真1 上田さんと一緒に

 「トーチ・プロジェクト」は、ドキュメンタリー作品の番組企画賞で、監獄人権センターは「刑務所は変わるのか 名古屋刑務所事件から3年」という作品で2005年に企画賞を受賞し番組を作成しました。同じ時に企画賞を受賞した上田さんは、「むすびプロジェクト」という番組を制作したのです。
 作品は、ともにOurPlanetTVのウェブサイトで視聴することができます。

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 ココルームは、2003年からアートNPOとして大阪の新世界フェスティバルゲートで活動をはじめ、2008年には動物園前一番街に活動の拠点を移して「インフォショップ・カフェ ココルーム」や「カマン!メディアセンター」を運営しています。

誰でも立ち寄れるカフェ
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写真2 ココルームへようこそ

 「インフォショップ・カフェ ココルーム」は、なんともいえず居心地の良い空間で、先々週に紹介したストリートワイズ・オペラのマットさんも大変お気に入りのようで、大阪にいる間中、毎日ココルームで食事をしていました。私も一緒に食事をしながら、マットさんを含むストリートワイズ・オペラのスタッフと刑務所の話をたくさんすることができました。
 イギリスでも日本でも、野宿者の中には刑務所から出所した方が少なからずいるため、マットさんも日本の刑務所の処遇についてとても関心を示してくれました。

 その後、何度か大阪を訪ねる機会があり、私はそのたびにココルームを訪ねました。
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写真3 顔出してみました☆

 ココルームには毎日たくさんの人が訪れます。食事をしにくる人はもちろん、1日に何度もふらっと立ち寄ってはスタッフと話をする人、飼われている金魚を眺めたりする人。ココルームは、来る人を拒むことのない場所です。
 私がココルームに行くたびにお会いするAさんも、1日に何度もココルームに顔をだす常連さんです。毎日ニュースをとてもよくチェックしていて、私が食事をしている傍らにきて、様々な話をしてくれました。
 何度かお話をしているうちに、Aさんは、以前、このあたりの鉄道会社に勤めていたことがわかりました。この地域は、昔は路面電車が走っており、現在でもJR、私鉄、地下鉄などの駅が集まっていて、交通の要となっています。鉄道会社では、とても誇りをもって仕事をしていたようです。
 Aさんの話は、ところどころ記憶が過去と現在、時には未来を行ったり来たりしていましたが、働いていた当時の列車や車両の話を熱っぽく語ってくれたことが非常に印象に残っています。また、今でも最新の鉄道情報については、マメにチェックしているようで、リニアモーターカーの話も熱心にされていました。

釜ヶ崎と社会をつなぐメディアセンター
 ココルームは、釜ヶ崎の中心地から少し離れた商店街の中にあるのですが、そのカフェの向かいに、今年6月、「カマン!メディアセンター」をオープンしました。ここでは、昔の釜ヶ崎の写真を大きなテレビで上映したり、入り口のスペースでイベントを行ったりしています。
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写真4 カマン!メディアセンターへいらっしゃい

 「カマン!メディアセンター」では、いままでなかなか交流することがなかった人たちが足を止め、映像を見て自然と会話をし始める、そのような光景が良く見られるそうです。
 釜ヶ崎の情報を広く伝え、釜ヶ崎と社会をつなぐ活動を目指しているとのことです。
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写真5 メディアセンターにて

釜ヶ崎を歩く
 ココルームには、ここで働くために東京での仕事をやめてスタッフになった方や、夏休みのあいだインターンで働きにきた東京の学生もいました。東京からココルームにやってきたスタッフのMさんは、すっかりこの地域になじんでいて、今では釜ヶ崎を歩いているとあちこちから「Mちゃん、今日は何しているの?」と声をかけられるそうです。
 私もMさんに案内をしてもらい、釜ヶ崎の中心地を歩いてきました。
 日雇で仕事をしている人たちの労働保険などを扱っている西成労働福祉センターと日雇いの仕事を紹介するあいりん公共職業安定所が入っている建物があり、そこでは、近隣の清掃などの仕事を紹介したり、建設機械などの資格取得の訓練を実施しているようです。
 しかし、近隣の仕事は、そこにいる全員分用意されているわけではなく、また、資格取得の訓練にも年齢制限があり、釜ヶ崎の人たちの多くは高齢化しているため、そのような訓練を受講することができないようです。大きな建物はところどころに休んでいる人がいるほかは閑散としていました。
 釜ヶ崎の中心地や商店街を歩くと、何件かの飲食店が営業をしていました。ちょうど昼時に歩いていたため、飲食店に地域の方たちが集まっているのが見えました。
 「釜ヶ崎に行く」というと、「ちょっと怖いところじゃないの?大丈夫?」と聞かれますが、そんなことはありませんでした。その地域に昔から住んでいる人も、生活保護を受給して福祉マンションで暮らしているかつての日雇い労働者も、野宿生活を送っている人も、みんな当たり前のように普通にその地で生活をしていました。



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プロフィール
秋山 映美
(あきやま えみ)
NPO法人監獄人権センター
理事
明治大学大学院法学研究科修士課程を修了。明治大学法学部在学中から、監獄人権センターにボランティアとして参加。受刑者や家族などから届く、月200件にものぼる相談の手紙にボランティアと協力して対応したり、受刑者の現状を世に訴えたりなど、刑事施設内にいる受刑者の人権に関わる活動を続けている。
監獄人権センターHP
 http://cpr.jca.apc.org/
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