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秋山映美の「監獄から社会へ」 2009年11月

グアンタナモ基地の収容所 その1

 先月、アムネスティ・インターナショナル日本の講演会で、キューバの米軍基地、グアンタナモの収容所に収容されたムラトさんのお話を聞いてきました。

 ドイツ在住のムラトさんは、現在27歳ですが、19歳のときグアンタナモ基地に連行され、2001年から2006年までの6年間拘禁されたとのことです。
 ムラトさんはイスラム教徒で、19歳のときに、パキスタンにあるホームレスや薬物依存の若者を支援する奉仕学校を訪問し活動に参加したのですが、その帰り、パキスタンで身柄を拘束され、2ヵ月後にキューバのグアンタナモ基地に移送されたのです。
 当時は、9.11事件(アメリカ同時多発テロ事件)の直後で、アメリカ軍は、9.11事件の首謀者を捕まえるために、テロ関係者を1人引き渡すと3千ドルの報奨金を渡していたのです。ムラトさんは、パキスタン政府が自分の国にいる人を引き渡すのには抵抗があったので、外国からきたイスラム教徒をアメリカ軍に引き渡していたのではないかと考えているそうです。



宮城刑務所での暴行事件

 今年9月30日に、東京高裁で、宮城刑務所での受刑者に対する暴行事件について、国に対して賠償を命じる判決が下されました。

 少し詳しく説明すると、2005(平成17)年5月に、宮城刑務所の複数の受刑者から、「刑務官から暴行を受けた」という相談や、「刑務官がほかの受刑者に暴行を行なっている様子を見た(ほかの人の居室を直接見ることはできないけれども、何か暴行をしているような音がしたのを聞いた)」という手紙を受け取ったのです。
 それらの手紙をよく読んでみると、一人の受刑者が暴行されたという時間と、暴行の様子を見たという受刑者が示している時間とがほぼ一致していたため、「これは調査が必要ではないか」ということになり、監獄人権センターは弁護士に依頼して調査を行ないました。



刑務所の中で病気になったら

 監獄人権センターに届く相談の中でもっとも多い相談は医療に関するものです。
 夜眠れないと訴えても薬を出してもらえない、C型肝炎感染のおそれがあるけれども専門医の診察をうけることができない、刑務所の医師による手術がうまくいかずに後遺症に苦しんでいる、など相談の内容はさまざまです。
 刑務所の外にいる私たちからすると、気のせいではないかと思われるようなちょっとした症状でも、自分で情報を収集できない刑務所の中では不安が募ってしまい、精神的に不安定になり、それによってさらに症状が悪化してしまうことがよくあります。



ついに出版!被害者法令ハンドブック

 中央法規出版から『被害者法令ハンドブック』が出版されました。
 「被害者」に関わる各種法令を横断的に収載し、被害者に関わる法令の全体像を展望できるよう編集した法令ハンドブックです。私も編集委員としてこのハンドブックの編集に携わりました。



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プロフィール
秋山 映美
(あきやま えみ)
NPO法人監獄人権センター
理事
明治大学大学院法学研究科修士課程を修了。明治大学法学部在学中から、監獄人権センターにボランティアとして参加。受刑者や家族などから届く、月200件にものぼる相談の手紙にボランティアと協力して対応したり、受刑者の現状を世に訴えたりなど、刑事施設内にいる受刑者の人権に関わる活動を続けている。
監獄人権センターHP
 http://cpr.jca.apc.org/
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