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秋山映美の「監獄から社会へ」

東北地方の刑務所の被災状況 その後の情報

 前回のブログでは、監獄人権センターに入っている情報で、宮城刑務所や黒羽刑務所で一部施設が損傷しているということをお伝えしましたが、その後、石巻に拘置支所があることがわかりました。
 石巻拘置支所は法務省のウェブサイトによると、収容定員28人となっていて、地震のあった3月11日に使用されていたかはわかりませんが、地図で見る限り海岸から近いようで、津波の被害に遭わなかったのか心配です。

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 宮城刑務所ではその後、受刑者も面会ができるようになっているようですが、受刑者にはあまり震災に関する情報は入っていないようです。宮城刑務所に限らず、地震のあとは、全体的に手紙や外部から何かを受け取ることがあまりできていないようです。
 刑務所ではもともと読むことができる新聞や視聴できるラジオ番組、テレビ番組も限られているのですが、もしかしたら、震災後にはもっと限られた情報にしかアクセスできていないのかもしれません。

 先日のブログでも書きましたが、福島には、収容定員1655人の福島刑務所(男性を収容)、500人の福島刑務所支所(女性を収容)、50名の郡山拘置支所、60名のいわき拘置支所など合わせて6つの施設があります。
 福島刑務所と福島刑務支所は3年ほど前に完成した比較的新しい建物なので、地震による被害はあまりなかったかもしれません。
 しかし、福島第一原子力発電所からは、福島刑務所や郡山拘置所は60kmほどの距離、いわき拘置支所は43kmの距離に位置しているとのことで、簡単に情報にアクセスできない刑事施設の中では、収容者はどのように処遇されているのか大変心配をしています。また、刑務官の方たちも、厳しい状況の中で仕事をするということになり、苦労されているのではないでしょうか。
 一刻も早く福島原発の事故が収束することを願っています。

 そのほかの刑事施設の状況についても気になり法務省のウェブサイトを見ているのですが、情報を見つけることができませんでした。
 全国の刑務所の所在地は、法務省のウェブサイトの矯正施設一覧で見ることができます。

―編集部より―
石巻拘置支所に関する情報が前回のブログのコメント欄に寄せられています


コメント


 再犯率が低くならない理由が、出所して実感してきました。
 出所してもうすぐ4ヵ月経ちますが、未だ仕事は決まってない。元受刑者の再就職は難しいと世間では言われている。実際そうなのであろう。
 しかし、私の場合には具体的な就活すら行っていない。
 犯罪者という自覚から、世間が怖く、働きたいと強く思っているのにも関わらず、具体的に行動に踏み出せないでいる。元受刑者の中には、能動的に再就職先を見つけようと一生懸命に行動に移しているにも関わらず、仕事が見つからない事で、不安に陥っている者も少なくないのだろう。
 しかし、元受刑者の中には私のように、世間からの冷たい視線や偏見を恐れ、再就職先を見つけるための行動にすら移せない者も少なからずいるという事を知ってもらいたい。決して働きたくないという事ではない。更正を誓い、社会の一員として、もう一度人生をやり直したいと強く思っている。
 一般の方からすれば、甘えだと言われるだろう。 実際その通り甘えなのかもしれない。
 生きていくためには働かなければならない事は分かっているし、働きたいとも思っている。けれど、どうしてもその為の勇気がでない。
 自殺するしかないと、その事ばかり考えている事もあるが、その勇気もない。かと言って生きる勇気もない。
 刑務所は衣食住が完備されており、生きていく事に困ることはない。けれど、だからと言って刑務所に戻りたいなどとは絶対に思わない。考えるだけでも嫌になる。あれだけ早く外に出たいと考えながら、毎日過ごしてきた場所だ。戻る事など考えれない。
 けれど、戻りたくないと考えながら、みんな戻っていくのだろう。その事を考えると怖くなる。刑務所に戻りたくない。あんな生活はもう嫌だ。
 また戻るくらいなら死んだ方がましだ。でも死ぬ勇気がない。そんな事を思っている内に、結局一番自分が望んでいなかったはずの、刑務所に再び戻る事になるのだろう。
 ホントに嫌になる。何のために何年もの間、受刑生活を送ってきたのだろう。刑期を満了すれば、法律的には償いは終わったというのであれば、私(達)は一般人のはずだ。
 一般人であるならば、一般人らしく扱ってほしい。 
 確かに人間には感情がある。 元とは言え、一旦は刑務所に入るほどの罪を犯した人間に対して、過去の事がなかったかのように振る舞うのは難しいだろう。けれど、国が犯罪者を法で裁いたのであれば、罪を償って一般人として再び更正していこうと考えてる者達に対して、今度は、その法を使って社会が受け入れやすい環境、また、元犯罪者が帰っていきやすい環境を整備していく事までが法の在り方ではないだろうか。 
 真剣に、心からもう一度やり直したい、少しでも社会に貢献していきたいと考えているのに、自分でも気付かない内に、再び刑務所に戻っていく人間は少なくないと思う。
 罪を犯せば、そこから先は何も考えなくとも、システマティックに流れていく。ある意味本当に見事だとも言える潤滑さだ。
 しかし、それも再び社会に出されるまでだ。社会に一歩でも再び踏み出せば、潤滑さは一気に消え失せる。中には、元受刑者の社会復帰を支援する団体等もあるようだが、システマティックに自動的に、それらの団体の支援を受ける事はできない。その様な支援がある事すら詳しく知らされもしない。国は、国民は本当に再犯者をなくしたいのだろうか?はっきり言って、元受刑者として言える事がある。
 出所すればそれで終わりではなく、その延長として、出所者が再就職先まで円滑に行き着けるようなシステムを構築するだけでも、確実に!大幅に!再犯率は減少に向かうはずだ。


投稿者: 去年12月に出所 | 2011年03月30日 09:15

 出所してから、身元引き受け人の方の近くの区や市以外のところは、リストがまわらないと聞きました。面接に行くときに履歴書に刑務所のことは書く必要ないと思います。採用する企業はそこまで調べません。自分が同じ会社の中でどんなに親しくなっても、刑務所のことを話さないでいくといいと思います。罪をつぐなったのですから。
 生活が大変なら生活保護を受けて、仕事を探すのはどうでしょう。ホームレスの方も受けていますし、アパートではなく何人かで住むところもあります。保証人は不要と思います。


投稿者: 金山祐子 | 2011年04月06日 20:02

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
秋山 映美
(あきやま えみ)
NPO法人監獄人権センター
理事
明治大学大学院法学研究科修士課程を修了。明治大学法学部在学中から、監獄人権センターにボランティアとして参加。受刑者や家族などから届く、月200件にものぼる相談の手紙にボランティアと協力して対応したり、受刑者の現状を世に訴えたりなど、刑事施設内にいる受刑者の人権に関わる活動を続けている。
監獄人権センターHP
 http://cpr.jca.apc.org/
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