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秋山映美の「監獄から社会へ」

受刑者との面会

 私は今まで、拘置所にいる裁判中の被収容者とは面会したことはありますが、実は、受刑者と面会したことはないのです。
 なぜならば、法律や規則によって、私が受刑者と面会することが簡単にみとめられないからです。

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 2005年に監獄法が改正された際に、文通や面会が、友人、知人とも認められると思っていましたが、面会はそうはならなかったのです(親族については、改正前と同様文通も面会も認められています)。
 文通については、刑事被収容者処遇法(刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律)128条で「刑事施設の長は・・・刑事施設の規律及び秩序を害し、又は受刑者の矯正処遇の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者については、・・・信書を発受することを禁止することができる」と例外的に禁止していますが、この条文で禁止されている場合以外は原則認められます。
 しかし、面会については許可のほうが例外的です。同法111条で「法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者」や、「面会により受刑者の改善更生に資すると認められる者」などに面会が許可されており、さらに、友人・知人については「交友関係の維持その他面会することを必要とする事情」がある場合に許可するとされているのです。
 文通については、原則許可し、一定の条件に当てはまる場合に禁止しているのに対して、面会については、原則と例外が逆転してしまっているのです。
 法律の条文だけでなく、矯正局長通達によって面会できる要件はさらに限定されています。それによると、友人・知人でも、長い間の交友関係があって、それまでの継続的な交友関係や今後も交友関係を維持していく必要性を証明できないといけないのです。

 そして、面会が不許可になった場合には、「審査の申請」という審査制度が一定程度整備されている不服申し立てをすることはできず、審査や調査の制度がはっきりと決められていない「苦情の申出」という方法をとることしかできないのです。

 受刑者は事件を起こしてしまったことにより、家族と疎遠になってしまうことがあります。そんなときには、友人、知人が唯一の外の社会との接点になるのですが、残念ながら、友人、知人との面会は簡単には認められないのです。事件を起こしてしまってから、支えてくれる支援者との新たな関係を築くことも多く、そのような支援者との面会がかなわないことも多くあります。

 外とのつながりがほとんどない状況で過ごしている受刑者にとって、手紙同様、面会はとても大切なものです。
 受刑者が円滑に社会復帰するためには、友人・知人との面会をもっと積極的に認めていく必要があるのではないでしょうか。


コメント


【受刑者の面会よりも、保護司のあり方】

刑事被収容者処遇法第111条について、確かに掲載の通りです。詳細に記載すれば、
 (1)受刑者の親族。
 (2)婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持その他の受刑者の身分上。
 (3)法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため面会することが必要な者。
 (4)受刑者の更生保護に関係のある者。
 (5)受刑者の釈放後にこれを雇用しようとする者その他の面会により受刑者の改善更生に資すると認められる者。
 (6)その者との交友関係の維持その他面会することを必要とする事情があり…   云々

が受刑者と面会できます。
 私自身としては、上記の許可条件だけで【面会】をしたことがありません。
 私は、現行法において限られた者での接見や面会は非常に望ましいと思っています。
 1つは、刑期中に悪い知恵や素行の悪い者を寄せ付けない点では再犯を減らすことに繋がると思うからです。
 2つ目は、保護観察になる者について矯正局から管轄の保護司へ書面が「受刑者の氏名付き」で送付された際に、地域によっては、その受刑者のことを公言する保護司がいるため、事件を知る者を極めて少なくしないと、再出発が出来ないからです。これは、絶対に無くすべき状況です。出来れば、仮釈放となる1箇月位前に始めて保護司も受刑者氏名を知るように出来ないものであろうか。
 仮釈放にあたって段階は踏むにしても、何箇月前から受刑者氏名が保護司に知らされては、悪態する保護司のいる地域では、受刑者が居住できなくなる虞があります。何とか改善してほしいところです。

 これについて例を挙げれば、私の最寄の町というのは、いわゆる暴力団事務所というのが多く存在する町です。ただ、最近の暴力団というのも共存をシッカリ考慮しているのか、町内会のゴミ掃除、5月30日の「ゴミゼロ」運動の日の大掃除、ドブ掃除、空き地に捨てられた産業廃棄物の撤去掃除等を自らでおこなっている地域でもあります。
 その一方で、仮に軽犯罪を犯した少年少女ら・25歳未満の男女ら若年齢層が仮釈放となっても、現行法で保護観察となった場合の管轄保護司が、受刑者を犯罪者として怖がっているのか、その観察指導を怠っているのです。
 私の所へも相談に仮釈放の受刑者とその両親が来訪しては、そのような愚痴を話します。その愚痴の中には、「犯罪者とは、話しをしたくない」等の酷い言葉で追い返す保護司、すなわち、受刑者受入拒否する保護司もいるのです。
 また、各市の社会福祉協会等で行っている「無料相談」をする弁護士から伝聞された困った案件(保護司に困ってます。という相談)や、同市のボランティア団体から聞いた案件内容が同一で、仮釈放となった受刑者の事件を同保護司に公言していたり、公言したことが一般人にも伝わり、それが原因で居住地に住めなくなった受刑者家族もいるというのです。トンでもない話しに驚愕し遺憾な思いをした記憶があります。
 しかし、都道府県の保護観察所に「どのような観察指導であったのか」を質疑若しくは調査すれば、書面上では観察指導をしていることになっていた事実がありました。

 結局のところ、個人的に職を探しているのか、頑張って社会復帰しようとしているのか等の問題に個人差はあるものの、頼りの保護司が何もしてくれない状況、ろくな面会もしてくれない等があれば再犯にも繋がります。
 私の所へ相談に来た際には、既に近辺の暴力団に入会している状況を見てきました。聞くところ、就職口が無く、それを世話する訳でもない、一般人と一緒になって受刑者の「過去の事件」を流布している。何と嘆かわしいことか。その保護司に対して私が抗議し問うと「そんなことは…」と述べてはシラを切りますが、事実は事実として周囲の一般人から評価が伝わってきます。

 その一方で受刑者は、受刑していた期間をどう履歴書へ記載するのか等の不安を抱え、白い目で見られながらも頑張って生活していても、それらが原因で真面目な生活が面倒になり諦めてしまう場合が多いことが分かりました。社会復帰しようとしても、それを手助けする者がその職務を怠るという残念な状況もあるのです。非常に残念でなりません。

 ですから、社会復帰させるための生活環境の土台作りに問題、すなわち、保護司としての職務を怠る者や守秘義務を守れない者がいるのであれば、面会する者を極めて少なくすることで「事件」を知る者も少なく、再出発の視野を広げてあげることが出来ると、私は思います。

 ただ実際は、面会条件に副わない者が、面会をしたとも多く聞くのです。なぜ面会出来たのか聞けば、上記(1)~(6)の者に無理やり当て嵌めて面会しているようです。特に婚約しているだとか、企業の秘書をしていたとか等の理由を付けて面会していると聞きました。知人・友人とすれば、その受刑者の犯罪は恥として隠しておいてやりたいと思う筈ですから、その知人・友人が受刑者の犯罪歴を話すという確立は毫もない筈です。

 したがって、他県では保護司の活躍も随分と聞きますが、私の町のようなところは、受刑者に対して【面会】よりも、悪態付いた保護司のあり方を再検討し、そのような保護司は排除するべきだと考えます。保護局はもっと、内部統制を図ると共に、身近なところで受刑者と接する保護司の選出方法も考えた方が宜しいのではないでしょうか。


投稿者: 評論家 太郎 | 2010年06月17日 00:38

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
秋山 映美
(あきやま えみ)
NPO法人監獄人権センター
理事
明治大学大学院法学研究科修士課程を修了。明治大学法学部在学中から、監獄人権センターにボランティアとして参加。受刑者や家族などから届く、月200件にものぼる相談の手紙にボランティアと協力して対応したり、受刑者の現状を世に訴えたりなど、刑事施設内にいる受刑者の人権に関わる活動を続けている。
監獄人権センターHP
 http://cpr.jca.apc.org/
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