
第94回 いのちに活力を与え、いのちを支えるもの
スピリチュアリティとは
いのちの本体は何でしょうか。
最近、「スピリチュアル・ケア」という言葉をよく耳にします。私たちのからだは、「ボディ」と「マインド」、そして「スピリチュアル」から成り立っています。ボディは、からだ、身体を意味し、マインドは、心、精神、意識を意味しますが、スピリチュアルとは、霊性、霊的なこと、つまり宇宙に存在している何か絶対的なものと考えていています。
私は、日本スピリチュアル・ケア学会の会長を務めていますが、この学会の会員には、キリスト教、仏教、神道などいろいろな宗教の研究者も含まれています。そして、この学会では、スピリチュアルを実際に体験するために、これまでも世界の聖地といわれるところ、例えばフランスのルルド、イタリアのアッシジ、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステラ、そして日本では高野山や比叡山を訪れて、宿坊に宿泊してフォーラムをもつなど、スピリチュアリティを体感しています。
私は、2003年にネパールのポカラ市を訪れました。朝5時前に起きてホテルの屋上からヒマラヤのアンナプルナ連峰を見ますと、昇る朝日が次々と山の峰を照らしていきます。その荘厳な様子は、地球という惑星を包み込む大いなる宇宙の存在を実感し、その中に身を置いた私は非常に強いスピリチュアリティ(霊感)を感じました。
壮大な自然の中で宇宙や地球の成り立ちに思いを巡らしながら、自分の存在を振り返ってみると、やはりそこには何か大いなるもの、something greatの存在を実感させられました。これがスピリチュアリティではないでしょうか。私たちは瞑想によって、それを体験することができます。
人間の有限ないのちを超えたものとして、霊や魂の存在をどうしても考えざるを得ないような気持ちになります。いのちに活力を与えるもの、いのちを支えるものとしてスピリチュアリティを捉えてみるのはどうかと考えました。
最近、「スピリチュアル・ケア」という言葉をよく耳にします。私たちのからだは、「ボディ」と「マインド」、そして「スピリチュアル」から成り立っています。ボディは、からだ、身体を意味し、マインドは、心、精神、意識を意味しますが、スピリチュアルとは、霊性、霊的なこと、つまり宇宙に存在している何か絶対的なものと考えていています。
私は、日本スピリチュアル・ケア学会の会長を務めていますが、この学会の会員には、キリスト教、仏教、神道などいろいろな宗教の研究者も含まれています。そして、この学会では、スピリチュアルを実際に体験するために、これまでも世界の聖地といわれるところ、例えばフランスのルルド、イタリアのアッシジ、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステラ、そして日本では高野山や比叡山を訪れて、宿坊に宿泊してフォーラムをもつなど、スピリチュアリティを体感しています。
私は、2003年にネパールのポカラ市を訪れました。朝5時前に起きてホテルの屋上からヒマラヤのアンナプルナ連峰を見ますと、昇る朝日が次々と山の峰を照らしていきます。その荘厳な様子は、地球という惑星を包み込む大いなる宇宙の存在を実感し、その中に身を置いた私は非常に強いスピリチュアリティ(霊感)を感じました。
壮大な自然の中で宇宙や地球の成り立ちに思いを巡らしながら、自分の存在を振り返ってみると、やはりそこには何か大いなるもの、something greatの存在を実感させられました。これがスピリチュアリティではないでしょうか。私たちは瞑想によって、それを体験することができます。
人間の有限ないのちを超えたものとして、霊や魂の存在をどうしても考えざるを得ないような気持ちになります。いのちに活力を与えるもの、いのちを支えるものとしてスピリチュアリティを捉えてみるのはどうかと考えました。
欲望と希望
ホブ博士は「サイエンスは人間を外から中にのぞき、スピリチュアリティは人間を中から外に見るのです」と述べています。
私たちがもっている欲望というものは、外にあるものです。財産を持つこと、立派な家を持つこと、名誉を欲すること、これらはすべて欲望です。私たちが生まれたときには誰もが裸で生まれ、死ぬときも何かを持って死ぬことはできません。
内なる我の中に何をもつかということが本当の希望なのです。エーリッヒ・フロムという心理学者は、「欲望というものはhavingである。けれども希望というものはbeingである(持つのではなく、あるということ)」と説いています。希望と同じように、スピリチュアリティとは人間の中にあるものであり、しかもいのちと直結するものではないかと思います。
私たちがもっている欲望というものは、外にあるものです。財産を持つこと、立派な家を持つこと、名誉を欲すること、これらはすべて欲望です。私たちが生まれたときには誰もが裸で生まれ、死ぬときも何かを持って死ぬことはできません。
内なる我の中に何をもつかということが本当の希望なのです。エーリッヒ・フロムという心理学者は、「欲望というものはhavingである。けれども希望というものはbeingである(持つのではなく、あるということ)」と説いています。希望と同じように、スピリチュアリティとは人間の中にあるものであり、しかもいのちと直結するものではないかと思います。
(2012年6月18日)
■セミナーのお知らせ
【テーマ】 | LPC国際フォーラム2012 がん医療 The Next Step――がん医療にサポーティブケアの導入を |
【プログラム】 |
(1)本プログラム:医療者のキャンサーサバイバーの連携―2011年国際フォーラムの報告/キャンサーサバイバーのニーズに応えるケアとは/がん治療外来での患者のQOLに関する問題点/など (2)オプションプログラム:サポーーティブケアからみる「がん患者の苦痛症状のコントロール」 |
【講師】 |
Sriram Yennu(テキサス大学M.D.アンダーソンがんセンター専任講師) 山内英子(聖路加国際病院ブレストセンター長) 宮下美香(広島大学大学院医歯薬保健学研究院教授)ほか |
【対象】 |
(1)コース:医師・看護師・教職者・福祉職・コメディカル・医療福祉領域のボランティア *患者さんと家族の方は(2)のオプションプログラムのみ参加可 |
【日程】 |
(1)2012年7月14日(土)9:30〜16:30・2012年7月15日(日)9:00〜12:00 (2)2012年7月15日(日)13:00〜16:30 |
【定員】 |
(1)本プログラム:300名 (2)オプションプログラムのみの参加者:100名 (定員になり次第締めきり) |
【会場】 | 聖路加看護大学アリス・セント・ジョン・メモリアルホール(東京都中央区) |
【参加費】 |
(1)本編のみ参加12,000円(LPC会員8,000円) (1)+(2)本編とオプションプログラムの両方参加 14,000円(LPC会員8,000円) (2)オプションプログラムのみ参加 2,000円 |
【関連URL】 | http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm |
【主催・問い合わせ先(平日9:00〜17:30)】 (財)ライフ・プランニング・センター TEL(03)3265−1907 FAX(03)3265−1909 〒102−0093 東京都千代田区平河町2-7-5砂防会館5階 HP:http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm メールアドレス:lpc_seminar@lpc.or.jp |
■セミナーのお知らせ
【テーマ】 | 基礎から学ぶフィジカルアセスメント2012――(3)基礎から学ぶ循環器 |
【講師】 | 高橋敦彦先生(日本大学医学部総合健診センター医長) |
【対象】 | 看護師、保健師、看護教員、介護支援専門員など |
【日程】 | 2012年7月28日(土)10:00〜16:00 |
【定員】 | 50名 |
【会場】 | 健康教育サービスセンター(地下鉄・永田町駅下車徒歩4分) |
【参加費】 | 7,000円(LPC会員5,000円) |
【関連URL】 | http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm |
【主催・問い合わせ先(平日9:00〜17:30)】 (財)ライフ・プランニング・センター TEL(03)3265-1907 FAX(03)3265-1909 〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5砂防会館5階 HP:http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm メールアドレス:lpc_seminar@lpc.or.jp |
■セミナーのお知らせ
【テーマ】 | 基礎から学ぶフィジカルアセスメント2012――(2)呼吸器総論/胸部の打診・聴診 |
【講師】 | 馬島徹先生((財)化学療法研究会化研病院呼吸器センター長/国際医療福祉大学教授) |
【対象】 | 看護師、保健師、看護教員、介護支援専門員など |
【日程】 | 6月30日(土)10:00〜16:00 |
【会場】 | 剛堂会館(〒102-0094 千代田区紀尾井町3-27) |
【参加費】 | 7,000円(LPC会員5,000円) |
【関連URL】 | http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm |
【主催・問い合わせ先(平日9:00〜17:30)】 (財)ライフ・プランニング・センター TEL(03)3265-1907 FAX(03)3265-1909 〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5砂防会館5階 HP:http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm メールアドレス:lpc_seminar@lpc.or.jp |
■セミナーのお知らせ
【テーマ】 | 認知行動療法の理解と実践 |
【講師】 | 丸屋真也(IFM家族・結婚研究所 代表・相談室長) |
【日程】 |
(1)2012年6月22日(金)13:30〜16:00 認知行動療法の理解 (2)2012年7月13日(金)13:30〜16:00 認知行動療法の実践1 (3)2012年9月14日(金)13:30〜16:00 認知行動療法の実践2 (4)2012年10月12日(金)13:30〜16:00 認知行動療法の実践3 |
【定員】 | 50名 |
【会場】 | 健康教育サービスセンター(地下鉄・永田町駅下車徒歩4分) |
【参加費】 |
全4回分12,000円(LPC会員8,500円) *参加費には資料「認知行動療法の理解と実践」(一般財団法人ライフ・プランニング・センター刊)の代金も含まれます。 |
【関連URL】 | http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm |
【主催・問い合わせ先(平日9:00〜17:30)】 (財)ライフ・プランニング・センター TEL(03)3265-1907 FAX(03)3265-1909 〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5砂防会館5階 HP:http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm メールアドレス:lpc_seminar@lpc.or.jp |
- この連載に関するお問い合わせ先
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◆「新老人の会」に関するお問い合わせ先◆
財団法人ライフ・プランニング・センター「新老人の会」事業部
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5 砂防会館5F
TEL:03-3265-1907
FAX:03-3265-1909
ホームページ:http://www.lpc.or.jp/senior_soc/ -
◆日野原重明先生が顧問をつとめている「NPO法人医療教育情報センター」に関するお問い合わせ先◆
医療教育情報センター事務所
〒151-0053 東京都渋谷区代々木2-27-16 ハイシティ代々木303
TEL:03-5333-0083
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