
第93回 人間は朽ちるものである
人間は有限の生き物
人間には寿命があります。一つにはその人のもっている遺伝子が関係します。人間の赤血球と白血球には寿命があり、それはおおよそ4週間くらいだといわれています。赤血球や白血球は骨髄で産生されるので、骨髄が傷害されるとその日から赤血球や白血球は産生されなくなるために、およそひと月後には死んでしまうことになります。
広島に落とされた原爆のときに運よく即死を免れた人たちが、そのひと月後に亡くなることが多かったのは、被ばくによって赤血球や白血球が骨髄で産生できなくなったからでした。
人間というものは死ぬのが当然、私たちは死の遺伝子をもって生まれてきます。いわば私たちは死の刻印を押されていのちを授かり、それをもったまま生き続けている存在なのです。
キリスト教の聖書の「コリントの信徒への手紙(一)」15章53節には「人間は朽ちるものである」という一節があります。私たちの寿命は限りがあるものだということは、既に聖書の時代からいわれています。私たちのいのちは、朽ちるものとしてとしてのいのちであって、いのちは有限であると運命づけられているのです。
「朽ちる」という漢字は、右側の旁(つくり)にある文字の意味は、伸びようとするものがつかえて、曲がってしまった状態を表しています。
広島に落とされた原爆のときに運よく即死を免れた人たちが、そのひと月後に亡くなることが多かったのは、被ばくによって赤血球や白血球が骨髄で産生できなくなったからでした。
人間というものは死ぬのが当然、私たちは死の遺伝子をもって生まれてきます。いわば私たちは死の刻印を押されていのちを授かり、それをもったまま生き続けている存在なのです。
キリスト教の聖書の「コリントの信徒への手紙(一)」15章53節には「人間は朽ちるものである」という一節があります。私たちの寿命は限りがあるものだということは、既に聖書の時代からいわれています。私たちのいのちは、朽ちるものとしてとしてのいのちであって、いのちは有限であると運命づけられているのです。
「朽ちる」という漢字は、右側の旁(つくり)にある文字の意味は、伸びようとするものがつかえて、曲がってしまった状態を表しています。
神様の恩寵
そのような有限のいのちのなかで、どのように生きればよいのでしょうか。それには生かされている間に、自己をどのように表現したらよいかと考えることです。
人間の一生は思いがけない災難や苦難に遭遇することがあります。昨年3月の東日本大震災などはまさにそれで、誰もが予想もしなかったことでしょう。たんへん大勢の方たちのいのちが奪われました。しかし、もっとも大勢のいのちが奪われるのは戦争です。今でもアフガンやアラブでは何の関係もない無辜の市民のいのちが一瞬のうちに奪われているのです。
このような、いつ襲ってくるかもしれないさまざまな不幸の中で私たちは生きているのです。言葉を変えれば「生かされている」ということです。今は生かされていても、この今という時がどれくらい続くかということはわかりません。今をどう生きるかということをめいめいが考えなければなりません。
病気あるいは災害によって試練を受けた人も、そのときは混乱し、反発し、恨むというさまざまの苦い経験を味わったことでしょう。しかし、それに耐え忍んだ後になってみると、その困難があったためにかえって力が与えられ、自分が強くなったということに気づきます。そして、何よりなのは他人の悲しみや苦しみに心を寄り添わせることができるようになるのです。
これも同じく聖書の「コリントの信徒への手紙(一)」(10章13節)には、「あなたがたを襲った試練で、人間として耐えられないようなものはなかったはずです。…あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、試練とともに、それに耐えられるよう、逃れる道をも備えていてくださいます」とあります。
これは神様の恩寵であり、私たちの一生はgrace(恵み)という言葉で与えられているものといえましょう。
人間の一生は思いがけない災難や苦難に遭遇することがあります。昨年3月の東日本大震災などはまさにそれで、誰もが予想もしなかったことでしょう。たんへん大勢の方たちのいのちが奪われました。しかし、もっとも大勢のいのちが奪われるのは戦争です。今でもアフガンやアラブでは何の関係もない無辜の市民のいのちが一瞬のうちに奪われているのです。
このような、いつ襲ってくるかもしれないさまざまな不幸の中で私たちは生きているのです。言葉を変えれば「生かされている」ということです。今は生かされていても、この今という時がどれくらい続くかということはわかりません。今をどう生きるかということをめいめいが考えなければなりません。
病気あるいは災害によって試練を受けた人も、そのときは混乱し、反発し、恨むというさまざまの苦い経験を味わったことでしょう。しかし、それに耐え忍んだ後になってみると、その困難があったためにかえって力が与えられ、自分が強くなったということに気づきます。そして、何よりなのは他人の悲しみや苦しみに心を寄り添わせることができるようになるのです。
これも同じく聖書の「コリントの信徒への手紙(一)」(10章13節)には、「あなたがたを襲った試練で、人間として耐えられないようなものはなかったはずです。…あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、試練とともに、それに耐えられるよう、逃れる道をも備えていてくださいます」とあります。
これは神様の恩寵であり、私たちの一生はgrace(恵み)という言葉で与えられているものといえましょう。
(2012年5月22日)
■セミナーのお知らせ
【テーマ】 | LPC国際フォーラム2012 がん医療 The Next Step――がん医療にサポーティブケアの導入を |
【プログラム】 |
(1)本プログラム:医療者のキャンサーサバイバーの連携―2011年国際フォーラムの報告/キャンサーサバイバーのニーズに応えるケアとは/がん治療外来での患者のQOLに関する問題点/など (2)オプションプログラム:サポーーティブケアからみる「がん患者の苦痛症状のコントロール」 |
【講師】 |
Sriram Yennu(テキサス大学M.D.アンダーソンがんセンター専任講師) 山内英子(聖路加国際病院ブレストセンター長) 宮下美香(広島大学大学院医歯薬保健学研究院教授)ほか |
【対象】 |
(1)コース:医師・看護師・教職者・福祉職・コメディカル・医療福祉領域のボランティア *患者さんと家族の方は(2)のオプションプログラムのみ参加可 |
【日程】 |
(1)2012年7月14日(土)9:30〜16:30・2012年7月15日(日)9:00〜12:00 (2)2012年7月15日(日)13:00〜16:30 |
【定員】 |
(1)本プログラム:300名 (2)オプションプログラムのみの参加者:100名 (定員になり次第締めきり) |
【会場】 | 聖路加看護大学アリス・セント・ジョン・メモリアルホール(東京都中央区) |
【参加費】 |
(1)本編のみ参加12,000円(LPC会員8,000円) (1)+(2)本編とオプションプログラムの両方参加 14,000円(LPC会員8,000円) (2)オプションプログラムのみ参加 2,000円 |
【関連URL】 | http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm |
【主催・問い合わせ先(平日9:00〜17:30)】 (財)ライフ・プランニング・センター TEL(03)3265−1907 FAX(03)3265−1909 〒102−0093 東京都千代田区平河町2-7-5砂防会館5階 HP:http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm メールアドレス:lpc_seminar@lpc.or.jp |
■セミナーのお知らせ
【テーマ】 | 基礎から学ぶフィジカルアセスメント2012――(3)基礎から学ぶ循環器 |
【講師】 | 高橋敦彦先生(日本大学医学部総合健診センター医長) |
【対象】 | 看護師、保健師、看護教員、介護支援専門員など |
【日程】 | 2012年7月28日(土)10:00〜16:00 |
【定員】 | 50名 |
【会場】 | 健康教育サービスセンター(地下鉄・永田町駅下車徒歩4分) |
【参加費】 | 7,000円(LPC会員5,000円) |
【関連URL】 | http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm |
【主催・問い合わせ先(平日9:00〜17:30)】 (財)ライフ・プランニング・センター TEL(03)3265-1907 FAX(03)3265-1909 〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5砂防会館5階 HP:http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm メールアドレス:lpc_seminar@lpc.or.jp |
■セミナーのお知らせ
【テーマ】 | 基礎から学ぶフィジカルアセスメント2012――(2)呼吸器総論/胸部の打診・聴診 |
【講師】 | 馬島徹先生((財)化学療法研究会化研病院呼吸器センター長/国際医療福祉大学教授) |
【対象】 | 看護師、保健師、看護教員、介護支援専門員など |
【日程】 | 6月30日(土)10:00〜16:00 |
【会場】 | 剛堂会館(〒102-0094 千代田区紀尾井町3-27) |
【参加費】 | 7,000円(LPC会員5,000円) |
【関連URL】 | http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm |
【主催・問い合わせ先(平日9:00〜17:30)】 (財)ライフ・プランニング・センター TEL(03)3265-1907 FAX(03)3265-1909 〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5砂防会館5階 HP:http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm メールアドレス:lpc_seminar@lpc.or.jp |
■セミナーのお知らせ
【テーマ】 | 認知行動療法の理解と実践 |
【講師】 | 丸屋真也(IFM家族・結婚研究所 代表・相談室長) |
【日程】 |
(1)2012年6月22日(金)13:30〜16:00 認知行動療法の理解 (2)2012年7月13日(金)13:30〜16:00 認知行動療法の実践1 (3)2012年9月14日(金)13:30〜16:00 認知行動療法の実践2 (4)2012年10月12日(金)13:30〜16:00 認知行動療法の実践3 |
【定員】 | 50名 |
【会場】 | 健康教育サービスセンター(地下鉄・永田町駅下車徒歩4分) |
【参加費】 |
全4回分12,000円(LPC会員8,500円) *参加費には資料「認知行動療法の理解と実践」(一般財団法人ライフ・プランニング・センター刊)の代金も含まれます。 |
【関連URL】 | http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm |
【主催・問い合わせ先(平日9:00〜17:30)】 (財)ライフ・プランニング・センター TEL(03)3265-1907 FAX(03)3265-1909 〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5砂防会館5階 HP:http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm メールアドレス:lpc_seminar@lpc.or.jp |
■セミナーのお知らせ
【テーマ】 | 基礎から学ぶフィジカルアセスメント2012――(1)バイタルサインの異常からアセスメントできること |
【講師】 | 徳田安春先生(筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター総合診療科教授) |
【対象】 | 看護師、保健師、看護教員、介護支援専門員など |
【日程】 | 5月26日(土)10:00〜16:00 |
【会場】 | 健康教育サービスセンター(地下鉄・永田町駅下車徒歩4分) |
【参加費】 | 7,000円(LPC会員5,000円) |
【関連URL】 | http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm |
【主催・問い合わせ先(平日9:00〜17:30)】 (財)ライフ・プランニング・センター TEL(03)3265-1907 FAX(03)3265-1909 〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5砂防会館5階 HP:http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm メールアドレス:lpc_seminar@lpc.or.jp |
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財団法人ライフ・プランニング・センター「新老人の会」事業部
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5 砂防会館5F
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◆日野原重明先生が顧問をつとめている「NPO法人医療教育情報センター」に関するお問い合わせ先◆
医療教育情報センター事務所
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