
第95回 上手な死に方は上手な生き方
私が『生きかた上手』という本を書いたのは90歳のとき。その本は120万部も売れたビッグセラーになりました。出版社からの申し出に、私は「『死にかた上手』という本を書きたい」と言ったのでずが、その出版社の社長は、「先生、『死にかた上手』というタイトルでは売れませんから、『生きかた上手』としてください」と提案されました。確かに、死を考えるためには生を、生を考えるためには死を考えなくてはなりませんから、どちらのタイトルでも同じことなのかもしれません。
どういうことかといいますと、生き方を考えることは、同時に死に方を考えることだからです。死と生は、断絶されるべきものではありません。どのような方向に向かって生きていくかは、どのように死を迎えるかということと同じなのです。生も死も同じレールの上に乗っているのですから。それを英語では“how to live well”といいます。
一般に人間は、自分の死について考えることは非常に寂しいものです。死に関する研究は「死学」とでもいえばよいのかもしれませんが、どうしても冷たい響きに聞こえてしまうので、生と死を一緒にして「死生学」といっており、thanatologyを日本語では「死生学」と訳して用いています。
私たちは、死を勉強するときにはそれと裏表をなしている生を切り離して考えることはできません。つまり、私たちの生き方はどこに焦点を置いていくかということです。よく生きることはよい死につながります。
では、「生があって死がある」「死があって生がある」という一体となっているもののエッセンス、あるいはまたそれを条件づけるものはいったい何でしょうか。私は、死ぬときに「ありがとう」という言葉を残せるかどうかにあるのではないかと思います。
一日一日の積み重ねによって人生が築かれていくのです。どのように生きていくかに「生き方上手」のエッセンスがあるのです。
どういうことかといいますと、生き方を考えることは、同時に死に方を考えることだからです。死と生は、断絶されるべきものではありません。どのような方向に向かって生きていくかは、どのように死を迎えるかということと同じなのです。生も死も同じレールの上に乗っているのですから。それを英語では“how to live well”といいます。
一般に人間は、自分の死について考えることは非常に寂しいものです。死に関する研究は「死学」とでもいえばよいのかもしれませんが、どうしても冷たい響きに聞こえてしまうので、生と死を一緒にして「死生学」といっており、thanatologyを日本語では「死生学」と訳して用いています。
私たちは、死を勉強するときにはそれと裏表をなしている生を切り離して考えることはできません。つまり、私たちの生き方はどこに焦点を置いていくかということです。よく生きることはよい死につながります。
では、「生があって死がある」「死があって生がある」という一体となっているもののエッセンス、あるいはまたそれを条件づけるものはいったい何でしょうか。私は、死ぬときに「ありがとう」という言葉を残せるかどうかにあるのではないかと思います。
一日一日の積み重ねによって人生が築かれていくのです。どのように生きていくかに「生き方上手」のエッセンスがあるのです。
(2012年7月5日)
■セミナーのお知らせ
【テーマ】 | あなたの心臓と血管を守るための最新知識――進歩した循環器病の診断と治療を理解するために |
【プログラム】 |
第1回「心臓・血管系の構造と機能、そして疾患との関連」 第2回「心配のない不整脈と危険な不整脈の診断と治療」 第3回「動脈硬化に関連する心臓・血管疾病の予防と治療」 |
【講師】 | 道場信孝先生((財)ライフ・プランニング・センター研究教育部最高顧問・(財)ライフ・プランニング・クリニック医師) |
【日程】 |
第1回 9月19日(水)13:30〜15:30 第2回 10月24日(水)13:30〜15:30 第3回 11月28日(水)13:30〜15:30 |
【定員】 | 60名 |
【会場】 | 健康教育サービスセンター(地下鉄・永田町駅下車徒歩4分) |
【参加費】 | 5000円(LPC会員3000円) |
【関連URL】 | http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm |
【主催・問い合わせ先(平日9:00〜17:30)】 (財)ライフ・プランニング・センター TEL(03)3265−1907 FAX(03)3265−1909 〒102−0093 東京都千代田区平河町2-7-5砂防会館5階 HP:http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm メールアドレス:lpc_seminar@lpc.or.jp |
■セミナーのお知らせ
【テーマ】 | LPC国際フォーラム2012 がん医療 The Next Step――がん医療にサポーティブケアの導入を |
【プログラム】 |
(1)本プログラム:医療者のキャンサーサバイバーの連携―2011年国際フォーラムの報告/キャンサーサバイバーのニーズに応えるケアとは/がん治療外来での患者のQOLに関する問題点/など (2)オプションプログラム:サポーーティブケアからみる「がん患者の苦痛症状のコントロール」 |
【講師】 |
Sriram Yennu(テキサス大学M.D.アンダーソンがんセンター専任講師) 山内英子(聖路加国際病院ブレストセンター長) 宮下美香(広島大学大学院医歯薬保健学研究院教授)ほか |
【対象】 |
(1)コース:医師・看護師・教職者・福祉職・コメディカル・医療福祉領域のボランティア *患者さんと家族の方は(2)のオプションプログラムのみ参加可 |
【日程】 |
(1)2012年7月14日(土)9:30〜16:30・2012年7月15日(日)9:00〜12:00 (2)2012年7月15日(日)13:00〜16:30 |
【定員】 |
(1)本プログラム:300名 (2)オプションプログラムのみの参加者:100名 (定員になり次第締めきり) |
【会場】 | 聖路加看護大学アリス・セント・ジョン・メモリアルホール(東京都中央区) |
【参加費】 |
(1)本編のみ参加12,000円(LPC会員8,000円) (1)+(2)本編とオプションプログラムの両方参加 14,000円(LPC会員8,000円) (2)オプションプログラムのみ参加 2,000円 |
【関連URL】 | http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm |
【主催・問い合わせ先(平日9:00〜17:30)】 (財)ライフ・プランニング・センター TEL(03)3265−1907 FAX(03)3265−1909 〒102−0093 東京都千代田区平河町2-7-5砂防会館5階 HP:http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm メールアドレス:lpc_seminar@lpc.or.jp |
■セミナーのお知らせ
【テーマ】 | 基礎から学ぶフィジカルアセスメント2012――(3)基礎から学ぶ循環器 |
【講師】 | 高橋敦彦先生(日本大学医学部総合健診センター医長) |
【対象】 | 看護師、保健師、看護教員、介護支援専門員など |
【日程】 | 2012年7月28日(土)10:00〜16:00 |
【定員】 | 50名 |
【会場】 | 健康教育サービスセンター(地下鉄・永田町駅下車徒歩4分) |
【参加費】 | 7,000円(LPC会員5,000円) |
【関連URL】 | http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm |
【主催・問い合わせ先(平日9:00〜17:30)】 (財)ライフ・プランニング・センター TEL(03)3265-1907 FAX(03)3265-1909 〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5砂防会館5階 HP:http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm メールアドレス:lpc_seminar@lpc.or.jp |
- この連載に関するお問い合わせ先
-
◆「新老人の会」に関するお問い合わせ先◆
財団法人ライフ・プランニング・センター「新老人の会」事業部
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5 砂防会館5F
TEL:03-3265-1907
FAX:03-3265-1909
ホームページ:http://www.lpc.or.jp/senior_soc/ -
◆日野原重明先生が顧問をつとめている「NPO法人医療教育情報センター」に関するお問い合わせ先◆
医療教育情報センター事務所
〒151-0053 東京都渋谷区代々木2-27-16 ハイシティ代々木303
TEL:03-5333-0083
FAX:03-5333-0084
ホームページ:http://www.c-mei.jp/