
第100回 101歳を過ぎて
私は10月4日で101歳になりました。100歳を超えましたが、100歳を超えたという感じはまるでありません。これまでは100歳にもなった人は、寝たきりであったり、あるいは頭がぼんやりしていたりする人が圧倒的に多いというようなイメージがありました。
実際に自分が100歳になってみると、それまでの私と少しも変わった感じがしないのです。私はこれまで通り人前で講演をしますし、暗算も強いままですし、何よりも好奇心は相変わらず旺盛です。私は各地の小学校で「いのちの授業」をしています。私の授業では算数も音楽も国語も社会も、時には体育も含まれるのですが、生徒に「13×13は」と尋ねると、日本の10〜11歳の小学生は答えられないのですが、私は「169」とすぐに頭に浮かびます。
ところで、一昨年、モンゴルに行って「いのちの授業」をしましたが、モンゴルの小学2年生以上の生徒は、みんなこのような二桁の掛け算ができるのです。インドに行くと、1年生でも「16×16」「19×19」と言えば、パッと答えが出るほど算数は進んでいるのです。日本の教え方とは大きく違います。インドも算数はとてもレベルが高いそうです。
インドは10年先には、世界でもっとも発達した経済大国になるでしょう。インドの人口は約12億人、日本の人口は約1億2千万人です。その12億人もの人たちのうち何人もが、イギリスのオックスフォード大学やケンブリッジ大学に留学するなどして勉強しています。彼らはビジネスマンや学者として成功し、いずれはインドに戻ることになります。
インドは地域ごとに言語が異なるという多言語の国ですから、共通語としては英語を用いています。12億人もの人たちの大半に英語が通じるわけですから、インドの人たちはいまや世界の共通言語となった英語で何不自由なくコミュニケーションが図れるのです。
インドといえばカースト制度で社会はがんじがらめにされているように思われがちですが、インドの憲法によって階級による差別は撤廃されています。遠からずインドは世界に冠たる国になることは絶対に間違いはないと思います。皆さんも、どこかに投資をするのだったら、インドに投資をしてみてはいかがでしょうか。
話がそれましたが、100歳以上の人たちの数は、1963年には153人でしたが、2012年には5万1,376人と発表されました。10万人に達するのもそう遠いことではないでしょう。長寿はめでたいことですが、問題なのは相変わらず子どもが増えていないことです。このままでは働き手が足りなくなり、日本の生産力も落ちていきます。生産力が落ちれば、国内の産業が衰えます。介護を受ける老人ばかりが増えていくのでは、日本の将来は非常に暗く感じます。
このような日本の少子高齢社会を追いかけているのが韓国です。韓国も日本と全く同じように、子どもの数が増えません。そして、中国も一人っ子政策を取っていますから、いずれ同じ問題を抱えるようになるでしょう。私たちがどのような中にあるのかということを、よく知っていてほしいと思います。
私たちができることは、与えられた時間をいかに長く有効に使うことです。生かされて今を生きるという感謝の思いをもって、これから皆さんはどう行動するかということです。いのちの恵みに感謝しながら、どうか皆さんが各自の置かれた場所でそれぞれの花を咲かせてください。そして、よき次の世代を育てましょう。それは、私たち全人類に残された最大の仕事なのです。
実際に自分が100歳になってみると、それまでの私と少しも変わった感じがしないのです。私はこれまで通り人前で講演をしますし、暗算も強いままですし、何よりも好奇心は相変わらず旺盛です。私は各地の小学校で「いのちの授業」をしています。私の授業では算数も音楽も国語も社会も、時には体育も含まれるのですが、生徒に「13×13は」と尋ねると、日本の10〜11歳の小学生は答えられないのですが、私は「169」とすぐに頭に浮かびます。
ところで、一昨年、モンゴルに行って「いのちの授業」をしましたが、モンゴルの小学2年生以上の生徒は、みんなこのような二桁の掛け算ができるのです。インドに行くと、1年生でも「16×16」「19×19」と言えば、パッと答えが出るほど算数は進んでいるのです。日本の教え方とは大きく違います。インドも算数はとてもレベルが高いそうです。
インドは10年先には、世界でもっとも発達した経済大国になるでしょう。インドの人口は約12億人、日本の人口は約1億2千万人です。その12億人もの人たちのうち何人もが、イギリスのオックスフォード大学やケンブリッジ大学に留学するなどして勉強しています。彼らはビジネスマンや学者として成功し、いずれはインドに戻ることになります。
インドは地域ごとに言語が異なるという多言語の国ですから、共通語としては英語を用いています。12億人もの人たちの大半に英語が通じるわけですから、インドの人たちはいまや世界の共通言語となった英語で何不自由なくコミュニケーションが図れるのです。
インドといえばカースト制度で社会はがんじがらめにされているように思われがちですが、インドの憲法によって階級による差別は撤廃されています。遠からずインドは世界に冠たる国になることは絶対に間違いはないと思います。皆さんも、どこかに投資をするのだったら、インドに投資をしてみてはいかがでしょうか。
話がそれましたが、100歳以上の人たちの数は、1963年には153人でしたが、2012年には5万1,376人と発表されました。10万人に達するのもそう遠いことではないでしょう。長寿はめでたいことですが、問題なのは相変わらず子どもが増えていないことです。このままでは働き手が足りなくなり、日本の生産力も落ちていきます。生産力が落ちれば、国内の産業が衰えます。介護を受ける老人ばかりが増えていくのでは、日本の将来は非常に暗く感じます。
このような日本の少子高齢社会を追いかけているのが韓国です。韓国も日本と全く同じように、子どもの数が増えません。そして、中国も一人っ子政策を取っていますから、いずれ同じ問題を抱えるようになるでしょう。私たちがどのような中にあるのかということを、よく知っていてほしいと思います。
私たちができることは、与えられた時間をいかに長く有効に使うことです。生かされて今を生きるという感謝の思いをもって、これから皆さんはどう行動するかということです。いのちの恵みに感謝しながら、どうか皆さんが各自の置かれた場所でそれぞれの花を咲かせてください。そして、よき次の世代を育てましょう。それは、私たち全人類に残された最大の仕事なのです。
(2012年11月19日)
■セミナーのお知らせ
【テーマ】 | 「新老人の会」東京フォーラム あなたの運命をデザインしよう――101歳日野原重明講演会 |
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【対 象】 | 一般 | ||
【日 程】 | 2012年12月18日(火)13:00〜16:00 | ||
【会 場】 | アミューたちかわ大ホール (立川駅徒歩13分) |
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【参加費】 | 1,000円 |
【関連URL】 | http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm |
【主催・問い合わせ先(平日9:00〜17:30)】 (財)ライフ・プランニング・センター TEL(03)3265−1907 FAX(03)3265−1909 〒102−0093 東京都千代田区平河町2-7-5砂防会館5階 HP:http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm メールアドレス:lpc_seminar@lpc.or.jp |
■セミナーのお知らせ
【テーマ】 | 看護が変わる 医療が変わる――私たちが語る、健やかな生とこれからの医療のかたち in 福岡 |
【プログラム】 |
講演I 「看護の時代,そしてその先へ」講師:日野原 重明 講演II 「看護と介護の連携のちから―被災地でつくる私たちのケア」講師:川島 みどり 講演III 「終末期における胃ろうから考える平穏死」講師:石飛 幸三 鼎談 「国民と創る新たな医療―医療・看護・介護のパラダイムを越えて」 |
【対象】 | 医師,看護師,保健師,介護支援専門員,社会福祉士,介護士とそれに関わる教育職など |
【講師】 |
日野原重明先生(一般財団法人ライフ・プランニング・センター理事長・「新老人の会」会長・聖路加国際病院理事長) 川島みどり先生(日本赤十字看護大学名誉教授) 石飛幸三先生(特別養護老人ホーム・芦花ホーム常勤医) |
【日程】 | 2013年3月3日(日)13:00〜16:00 |
【定員】 | 500名 |
【会場】 |
電気ビルみらいホール (福岡県福岡市中央区渡辺通2丁目1番82号) |
【参加費】 | 3,000円 |
【関連URL】 | http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm |
【主催・問い合わせ先(平日9:00〜17:30)】 (財)ライフ・プランニング・センター TEL(03)3265−1907 FAX(03)3265−1909 〒102−0093 東京都千代田区平河町2-7-5砂防会館5階 HP:http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm メールアドレス:lpc_seminar@lpc.or.jp |
■セミナーのお知らせ
【テーマ】 | 看護が変わる 医療が変わる――私たちが語る、健やかな生とこれからの医療のかたち in 東京 |
【プログラム】 |
講演I 「看護の時代,そしてその先へ」講師:日野原 重明 講演II 「看護と介護の連携のちから―被災地でつくる私たちのケア」講師:川島 みどり 講演III 「終末期における胃ろうから考える平穏死」講師:石飛 幸三 鼎談 「国民と創る新たな医療―医療・看護・介護のパラダイムを越えて」 |
【対象】 | 医師,看護師,保健師,介護支援専門員,社会福祉士,介護士とそれに関わる教育職など |
【講師】 |
日野原重明先生(一般財団法人ライフ・プランニング・センター理事長・「新老人の会」会長・聖路加国際病院理事長) 川島みどり先生(日本赤十字看護大学名誉教授) 石飛幸三先生(特別養護老人ホーム・芦花ホーム常勤医) |
【日程】 | 2012年12月15日(土)13:00〜16:00 |
【定員】 | 500名 |
【会場】 |
聖路加看護大学アリス・セント・ジョン・メモリアルホール (東京都中央区明石町10番1号) |
【参加費】 | 3,000円 |
【関連URL】 | http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm |
【主催・問い合わせ先(平日9:00〜17:30)】 (財)ライフ・プランニング・センター TEL(03)3265−1907 FAX(03)3265−1909 〒102−0093 東京都千代田区平河町2-7-5砂防会館5階 HP:http://www.lpc.or.jp/health_edu/seminer.htm メールアドレス:lpc_seminar@lpc.or.jp |
- この連載に関するお問い合わせ先
-
◆「新老人の会」に関するお問い合わせ先◆
財団法人ライフ・プランニング・センター「新老人の会」事業部
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-5 砂防会館5F
TEL:03-3265-1907
FAX:03-3265-1909
ホームページ:http://www.lpc.or.jp/senior_soc/ -
◆日野原重明先生が顧問をつとめている「NPO法人医療教育情報センター」に関するお問い合わせ先◆
医療教育情報センター事務所
〒151-0053 東京都渋谷区代々木2-27-16 ハイシティ代々木303
TEL:03-5333-0083
FAX:03-5333-0084
ホームページ:http://www.c-mei.jp/