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南雲明彦の「発達障害と生きるということ ~当事者からのメッセージ~」

ディスレクシア(読み書き困難)とは?

 前回説明のとおり、私は発達障害の一つで「読む、書く」に著しい困難を示す「ディスレクシア」の当事者です。今回はこの私の「障害」について説明します。

 ディスレクシアの人達は、実際にどんな風に見えているのでしょうか?
 実は、文字を読む場合このように見えています。

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(財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 DVD「ディスレクシアとマルチメディアDAISY」より抜粋)


 このように文字が見えていたら、なかなか、「文字を読む」というのは困難ですよね・・。
 例えば、左上の「にじむ」右下の「かすむ」右上の「ゆらぐ」状態が、頭の中で起こっていたとします。

 このような状況で、本を読んでみたと仮定してください。日本語というのは、「漢字」「片仮名」「平仮名」の三つから出来ています。

 まず、「平仮名」「片仮名」は、かろうじて、読めるかもしれません。しかし、「漢字」はどうでしょうか?なかなか、文字として捉える事が出来ません。このような子ども達は、実際5%近くいると言われています。思い返してみると、クラスに「文字がうまく、読めない子」って、いませんでしたか?

 現代社会は、「文字の読み書き」は必須事項になっています。その処理能力が高いことで「勉強ができる」「仕事ができる」ということになっているようです。

 それがうまくいかないと、学校の勉強や仕事についていけず、孤立感が自分を襲い、「なんで、こんなこともできないんだ」と自己肯定感を下げる原因になってしまいます。

 そして、書く時も「へんとつくりを間違える」「黒板や教科書の文を書き写すのが苦手」等の状態があります。

 特に日々の生活の中で、「何かを写す」という行為は、沢山あります。学校でいえば、「ノートを取る」、仕事でいえば、「メモを取る」などが挙げされます。

 私は、現在、各地での講演が活動の中心になっていますが、講演中、私が壇上で他の手段を使って、メモを取っていたとしましょう(例えば、携帯電話等)。
 壇上に立っている人間、つまり、学校で言えば先生、仕事と言えば上司が代替手段を使うことは、あまり問題にはならないでしょう。しかし、これが、聴講者、生徒、部下であったら・・。皆が「ペン」と「紙」でメモを取っているのに、一人だけ「携帯電話」でメモを取っていたとしたら、どう思いますか?

 おそらく、「何故、このような場所で、メール等をしているんだ!」となるのが一般的です。私も実際、携帯電話を使って、メモを取っていたところ、怒鳴られました。

 しかし、こういう方法でしかメモを取れない人たちがいるのです。決して、ただ楽をしているわけではなく、遊んでいるわけでもない。こうしないと、メモが取れないのです。

 「文字をうまく読めず、文字をうまく書けない」、このような人達が、まず、いることを知っていただきたいと思います。
 次回は、私の「大まかな生い立ち」について、書かせていただきます。


※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
南雲 明彦
(なぐも あきひこ)
アットマーク明蓬館高校
共育コーディネーター
1984年生まれ。21歳の時に自身が発達障害の一つである「ディスレクシア(読み書き困難)」であることを知る。その後、「ディスレクシア」の存在が世の中に知られていないことから、啓発、支援活動に尽力中。
著書に『僕は、字が読めない。~読字障害(ディスレクシア)と戦いつづけた南雲明彦の24年~』(小菅宏著/集英社)、『私たち、発達障害と生きてます~出会い、そして再生へ~』(共著/ぶどう社)がある。
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