ページの先頭です。

ホーム >> 福祉専門職サポーターズ >> プロフェッショナルブログ
梶川義人の「虐待相談の現場から」 2013年05月

施設内虐待の4層構造

 従事者による虐待は、あってはならないことなので、発生予防に力を注ぎたいところです。しかし、発生の仕組みは解明されていませんし、何をどうすれば良いかも判然としていません。もっとも、養護者による虐待好発の構図は、そのまま当てはまるように思います。それは、被虐待者の条件を備えた者と虐待者の条件を備えた者がともに密室性の高い環境にいると好発する、というものです。



記録は自ら記録する者を助く

 ホームヘルパーさんからこんなことを言われたことがあります。「息子から罵倒されて老母が泣いているのを背にして、自分はただ仕事をこなすだけ。無力さを感じてとても切なく、やりきれない」。
 確かに、限られた時間内に、すべきことは山積みなうえ、よほどでない限り仲裁すらできませんから、切なさはひとしおだと思います。



自業自得論と勧善懲悪

 児童虐待をしていた親が、後年、力が逆転して、子どもから仕返しされる。今は、愛情をかけずに育てた子どもに介護されているが、ネグレクト状態である。現役時代、妻を酷く扱っていた夫が、定年退職後に要介護状態となり、今度は妻から酷い目に遭わされる。このように、高齢になってから、かつての因果の報いを受ける「リベンジ型」の事例があります。



緊急性と虐待の判断

 年度が替わると、新任者が多いせいか、緊急性や虐待の判断に関する質問が増えます。

 緊急性については、単純に高齢者の身体・生命・財産に及ぶ危険性を見積もるより、いつまでにどうすればよいか考えるほうが、判断しやすいと思います。私の場合は、以下のことを踏まえて判断しています。

  • 1.被虐待者のこれまでに受けた生命・身体・精神又は財産のダメージの程度
  • 2.介入拒否など対応上の困難性の程度
  • 3.被虐待者が今後受けると予想される生命・身体・精神又は財産のダメージの程度



当事者みんなの物語

 千人の当事者事例には千の物語があり、百の事例には百の物語があります。しかし、沢山の事例に関わってくると、多くに共通している、「みんなの物語」も浮かび上がってきます。

 ところで、養護者による高齢者虐待の虐待者で最も多い続柄は息子です。厚生労働省が高齢者虐待防止法に基づいて毎年行っている調査によれば、40%超程度で推移していますから、突出した不動の第一位だといえます。そこで、今回は、この息子を主人公にした物語をご紹介します。



ページトップへ
プロフィール
梶川義人
(かじかわ よしと)
(仮称)日本虐待防止研究・研修センター開設準備室長、淑徳短期大学兼任講師。
対応困難事例、家族問題担当ソーシャルワーカーとして約20年間、特別養護老人ホームの業務アドバイザーを約10年間務める。2000年から日本高齢者虐待防止センターの活動に参加し、高齢者虐待に関する研究、実践、教育に取り組む。自治体の高齢者虐待防止に関する委員会委員や対応チームのスーパーバイザーを歴任。
著書に、『高齢者虐待防止トレーニングブック-発見・援助から予防まで』(共著、中央法規出版)、『介護サービスの基礎知識』(共著、自由国民社)、『障害者虐待』(共著、中央法規出版)などがある。
メニュー
バックナンバー
その他のブログ

文字の拡大