第20回社会福祉士国家試験 問題正答番号
【専門科目】社会福祉援助技術(事例)・18問
・合否の判定や設問内容についてのお問い合わせには応じかねますのでご了承願います。
|社会福祉原論(10問)|社会保障論(10問)|公的扶助論(10問)|地域福祉論(10問)|心理学(10問)|社会学(10問)|法学(10問)|医学一般(10問)|老人福祉論(10問)|障害者福祉論(10問)|児童福祉論(10問)|社会福祉援助技術(12問)|介護概論(10問)|
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事例問題1
次の事例を読んで,問題123から問題125までについて答えなさい。
〔事 例〕
この児童養護施設では,入所している中学3年生を対象に,「卒業後の進路について」というテーマで毎年グループワークを実施している(問題123)。今年度は,4月から5月にかけて,週1回のペースで6回開催している。メンバーは中学3年生の入所児童6名(男子2名,女子4名)で実施し,グループワーカー(以下,「ワーカー」という。)は児童指導員が担当している。
次の場面は,2回目のグループワーク場面でのやりとりである。
ワーカー:卒業後の進路について,みんなはどう考えているの?それぞれ聞かせてくれるかな。
Lさん :私は,とりあえず普通科の高校に行きたいとは思ってる…。
M君 :僕は,高校でも野球を続けたいので,野球部がある高校に行きたいよ。
Nさん :みんな高校に行きたいのね。私もなんとなくそう思ってるけど…。
ワーカー:P君はどうかな。
P君 :僕も絶対高校に行きたい。勉強はあんまり好きじゃないけど。
M君 :今のP君の成績じゃ無理だよ。どこにも行けないよ。あきらめた方がいいよ。
ワーカー:(問題124)
………(中略)………
ワーカー:それぞれ少しずつ思いは違っても,6人とも高校に進学したいということだったよね。みんなの考えを聞いてみての感想とか,どうかな。
Nさん :私,ちょっと焦っちゃった。そろそろちゃんと考えなきゃいけない時期なんだなって。
ワーカー:そうだよね。今日はもう時間なんだけど,次回は進路のことについて,みんなと,もう少し深く考える機会にできたらいいね(問題125)。
次の事例を読んで,問題123から問題125までについて答えなさい。
〔事 例〕
この児童養護施設では,入所している中学3年生を対象に,「卒業後の進路について」というテーマで毎年グループワークを実施している(問題123)。今年度は,4月から5月にかけて,週1回のペースで6回開催している。メンバーは中学3年生の入所児童6名(男子2名,女子4名)で実施し,グループワーカー(以下,「ワーカー」という。)は児童指導員が担当している。
次の場面は,2回目のグループワーク場面でのやりとりである。
ワーカー:卒業後の進路について,みんなはどう考えているの?それぞれ聞かせてくれるかな。
Lさん :私は,とりあえず普通科の高校に行きたいとは思ってる…。
M君 :僕は,高校でも野球を続けたいので,野球部がある高校に行きたいよ。
Nさん :みんな高校に行きたいのね。私もなんとなくそう思ってるけど…。
ワーカー:P君はどうかな。
P君 :僕も絶対高校に行きたい。勉強はあんまり好きじゃないけど。
M君 :今のP君の成績じゃ無理だよ。どこにも行けないよ。あきらめた方がいいよ。
ワーカー:(問題124)
………(中略)………
ワーカー:それぞれ少しずつ思いは違っても,6人とも高校に進学したいということだったよね。みんなの考えを聞いてみての感想とか,どうかな。
Nさん :私,ちょっと焦っちゃった。そろそろちゃんと考えなきゃいけない時期なんだなって。
ワーカー:そうだよね。今日はもう時間なんだけど,次回は進路のことについて,みんなと,もう少し深く考える機会にできたらいいね(問題125)。
問題123
このグループワークにおいて,ワーカーが設定している目標に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 全メンバーに高校進学を目指す雰囲気を作ることができる。
B 各メンバーが自分の進路について洞察するきっかけとなる。
C グループワーク終了後もメンバー間で相互に相談できるようになる。
D 各メンバーが自分の目標に向けて具体的に取り組めるようになる。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ×
3 × ○ ○ ○
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○
【問題123の解答】3
A 全メンバーに高校進学を目指す雰囲気を作ることができる。
B 各メンバーが自分の進路について洞察するきっかけとなる。
C グループワーク終了後もメンバー間で相互に相談できるようになる。
D 各メンバーが自分の目標に向けて具体的に取り組めるようになる。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ×
3 × ○ ○ ○
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○
【問題123の解答】3
問題124
この場面でのワーカーの発言に関する次の記述のうち,最も適切なものを一つ選びなさい。
1 確かに,現実を直視するのは大事だね。今のP君の成績では厳しいよなあ。
2 M君だって人のことを言える成績じゃないだろ。そんなこと言っちゃだめだよ。
3 M君がそう言いたくなる気持ち,とてもよく分かるよ。
4 P君は,自分の成績のことをどう思ってるの?
5 希望を大切にしたいので,P君の今の気持ちをみんなで大切にしようよ。
【問題124の解答】5
1 確かに,現実を直視するのは大事だね。今のP君の成績では厳しいよなあ。
2 M君だって人のことを言える成績じゃないだろ。そんなこと言っちゃだめだよ。
3 M君がそう言いたくなる気持ち,とてもよく分かるよ。
4 P君は,自分の成績のことをどう思ってるの?
5 希望を大切にしたいので,P君の今の気持ちをみんなで大切にしようよ。
【問題124の解答】5
問題125
次回以降のワーカーの働き掛けに関する次の記述のうち,適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。
A 学習意欲を高めるために,模擬試験の成績一覧を各メンバーに示す。
B 高校に進学している先輩をゲストに招き,高校生活の実際についての話を聞く。
C 各メンバーの成績や家庭環境を考慮して,受験すべきそれぞれの高校を早めに指示する。
D 進学に向けて,どのような準備をする必要があるのかを全メンバーで話し合う。
(組み合わせ)
1 A B
2 A C
3 A D
4 B D
5 C D
【問題125の解答】4
A 学習意欲を高めるために,模擬試験の成績一覧を各メンバーに示す。
B 高校に進学している先輩をゲストに招き,高校生活の実際についての話を聞く。
C 各メンバーの成績や家庭環境を考慮して,受験すべきそれぞれの高校を早めに指示する。
D 進学に向けて,どのような準備をする必要があるのかを全メンバーで話し合う。
(組み合わせ)
1 A B
2 A C
3 A D
4 B D
5 C D
【問題125の解答】4
事例問題2
次の事例を読んで,問題126から問題128までについて答えなさい。
〔事 例〕
Qさん(43歳,男性)は,妻(40歳)と娘(12歳)の3人暮らしである。Qさんは,病院で診察を受け,血液検査を受けたところ,ヒト免疫不全ウイルス(以下,「HIV」という。)に感染していることが分かった。数週間後,主治医から病気の説明を受けたQさんは,家族に病名を伝えない形での短期検査入院となった。Qさんは,主治医が回診に来ても布団を被って丸くなっている状態であった。それを見た主治医は,Qさんのことが心配になり,医療福祉相談室があることをQさんに伝え,ソーシャルワーカー(以下,「ワーカー」という。)のことを紹介した。
主治医は,電話でワーカーにQさんと至急面接して欲しいとの依頼をした。そこで,ワーカーは,なるべく早くQさんと面接を行うことにした(問題126)。
Qさんとの初回面接の日程調整後,ワーカーは,Qさんが安心できるような配慮のもとに,初回面接に臨んだ(問題127)。
張り詰めた表情のQさんが突然顔を上げ,「私はもうすぐ死ぬのでしょうか」と強い口調で尋ねてきた。ワーカーが,「先生からどのような説明を受けましたか」と尋ねると,Qさんは,「HIVに感染していると聞いた途端,気が動転してしまい,先生が何を説明されていたのかよく覚えていません」と答えた。さらに面接を進める中で,Qさんが,この病気を抱えてこれからどうなるのか,家族にはどのように説明すればよいのか,仕事は辞めなければならないのか,高額になると思われる医療費はどうしたらよいのかなど,立て続けに質問してきたことから,非常に混乱していることが明らかになった。これらの課題について,ワーカーは一緒に考えていくことを約束した。近日中にもう一度面接することを提案し,Qさんから同意を得ることができた。面接を終えたワーカーは,今日の面接結果を基に次回以降の面接の準備をした(問題128)。
次の事例を読んで,問題126から問題128までについて答えなさい。
〔事 例〕
Qさん(43歳,男性)は,妻(40歳)と娘(12歳)の3人暮らしである。Qさんは,病院で診察を受け,血液検査を受けたところ,ヒト免疫不全ウイルス(以下,「HIV」という。)に感染していることが分かった。数週間後,主治医から病気の説明を受けたQさんは,家族に病名を伝えない形での短期検査入院となった。Qさんは,主治医が回診に来ても布団を被って丸くなっている状態であった。それを見た主治医は,Qさんのことが心配になり,医療福祉相談室があることをQさんに伝え,ソーシャルワーカー(以下,「ワーカー」という。)のことを紹介した。
主治医は,電話でワーカーにQさんと至急面接して欲しいとの依頼をした。そこで,ワーカーは,なるべく早くQさんと面接を行うことにした(問題126)。
Qさんとの初回面接の日程調整後,ワーカーは,Qさんが安心できるような配慮のもとに,初回面接に臨んだ(問題127)。
張り詰めた表情のQさんが突然顔を上げ,「私はもうすぐ死ぬのでしょうか」と強い口調で尋ねてきた。ワーカーが,「先生からどのような説明を受けましたか」と尋ねると,Qさんは,「HIVに感染していると聞いた途端,気が動転してしまい,先生が何を説明されていたのかよく覚えていません」と答えた。さらに面接を進める中で,Qさんが,この病気を抱えてこれからどうなるのか,家族にはどのように説明すればよいのか,仕事は辞めなければならないのか,高額になると思われる医療費はどうしたらよいのかなど,立て続けに質問してきたことから,非常に混乱していることが明らかになった。これらの課題について,ワーカーは一緒に考えていくことを約束した。近日中にもう一度面接することを提案し,Qさんから同意を得ることができた。面接を終えたワーカーは,今日の面接結果を基に次回以降の面接の準備をした(問題128)。
問題126
この時点で行うワーカーの準備に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A HIVに関する疾病の知識と予後について十分に理解をしておく。
B 事前に家族と連絡を取り,インフォームド・コンセントに備える。
C Qさんのプライバシーが確保できる面接室を準備する。
D これまでのQさんの状況や様子についての情報を主治医から得る。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○
【問題126の解答】2
A HIVに関する疾病の知識と予後について十分に理解をしておく。
B 事前に家族と連絡を取り,インフォームド・コンセントに備える。
C Qさんのプライバシーが確保できる面接室を準備する。
D これまでのQさんの状況や様子についての情報を主治医から得る。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○
【問題126の解答】2
問題127
初回面接においてQさんを安心させる配慮として行うワーカーの行動に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 話される内容などについての秘密を守ることをしっかりとQさんに伝える。
B Qさんが面接室に来てくれたことをねぎらう。
C 福祉事務所や他の医療機関と連携して課題解決できることをQさんに示す。
D 治療方法の選択肢とその効果についてQさんに説明する。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○
【問題127の解答】1
A 話される内容などについての秘密を守ることをしっかりとQさんに伝える。
B Qさんが面接室に来てくれたことをねぎらう。
C 福祉事務所や他の医療機関と連携して課題解決できることをQさんに示す。
D 治療方法の選択肢とその効果についてQさんに説明する。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○
【問題127の解答】1
問題128
ワーカーが採るべき今後の援助の方向性に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A Qさんの状況を危機的であると判断し,主治医にチームでのサポート体制づくりを提案する。
B Qさんの状況から,今後の医療費の相談などで家族との面接が必要であると判断し,そのための面接準備を進める。
C 得られた情報から課題分析を行い,活用できそうな制度や社会資源を調べ,次回の面接に備える。
D 病気と今後の治療方針について理解が得られるように,主治医に再度の説明を求めるようQさんに提案する。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ○
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○
【問題128の解答】3
A Qさんの状況を危機的であると判断し,主治医にチームでのサポート体制づくりを提案する。
B Qさんの状況から,今後の医療費の相談などで家族との面接が必要であると判断し,そのための面接準備を進める。
C 得られた情報から課題分析を行い,活用できそうな制度や社会資源を調べ,次回の面接に備える。
D 病気と今後の治療方針について理解が得られるように,主治医に再度の説明を求めるようQさんに提案する。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ○
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○
【問題128の解答】3
事例問題3
次の事例を読んで,問題129から問題131までについて答えなさい。
〔事 例〕
Z福祉事務所のソーシャルワーカー(以下,「ワーカー」という。)は,大学を卒業して3年目の女性ワーカーである。ある日,婦人相談所に保護を求めたRさん(26歳)と一人息子(3歳)の支援を行うことになった。Rさんは度重なる夫からの暴力を逃れ,身を隠すようにして,1か月ほど前から婦人相談所で一時保護を受けており,これからの生活を立て直すために,母子生活支援施設への入所を勧められ,インテーク面接のためZ福祉事務所に来所することになった(問題129)。
ワーカーは,Rさんに簡単な自己紹介をした上で,今どのようなことに困難を感じ,これからどのような生活をしていきたいと考えているかについて尋ねた。すると,Rさんは,「今は何も考えることができない…。ただ,婦人相談所の一時保護所にはいつまでもいられないから,他に行くところを探さなければならない…。特に,今の自分には目的や希望があるわけではないし…。婦人相談所から紹介された母子生活支援施設への入所にも決心がつかなくて…」と憔悴(しょうすい)した表情で話した(問題130)。
その後,ワーカーは,Rさんの気持ちを尊重し,話すことのできる範囲内で,婦人相談所に保護を求めた状況,夫との結婚のいきさつ,子どもに対する想い,自分の生い立ちなどを語ってもらい,当面の生活についての希望を確認した。面接中,婦人相談所に保護される直前には,夫の暴力がRさんだけでなく息子にも加えられ始めたこと,Rさんが小学生の頃,父親から暴力を受けていたこと,また,夫と結婚する前に交際していた男性からも暴力を受けた経験があり,その暴力から逃れるために,その頃とても優しい男性に思えた夫との結婚を決心したことなどが語られた。そして,インテーク面接の終わりに,Rさんは,「男性から暴力を受けることが,私の人生なのかも知れない…」とポツリと話した(問題131)。
次の事例を読んで,問題129から問題131までについて答えなさい。
〔事 例〕
Z福祉事務所のソーシャルワーカー(以下,「ワーカー」という。)は,大学を卒業して3年目の女性ワーカーである。ある日,婦人相談所に保護を求めたRさん(26歳)と一人息子(3歳)の支援を行うことになった。Rさんは度重なる夫からの暴力を逃れ,身を隠すようにして,1か月ほど前から婦人相談所で一時保護を受けており,これからの生活を立て直すために,母子生活支援施設への入所を勧められ,インテーク面接のためZ福祉事務所に来所することになった(問題129)。
ワーカーは,Rさんに簡単な自己紹介をした上で,今どのようなことに困難を感じ,これからどのような生活をしていきたいと考えているかについて尋ねた。すると,Rさんは,「今は何も考えることができない…。ただ,婦人相談所の一時保護所にはいつまでもいられないから,他に行くところを探さなければならない…。特に,今の自分には目的や希望があるわけではないし…。婦人相談所から紹介された母子生活支援施設への入所にも決心がつかなくて…」と憔悴(しょうすい)した表情で話した(問題130)。
その後,ワーカーは,Rさんの気持ちを尊重し,話すことのできる範囲内で,婦人相談所に保護を求めた状況,夫との結婚のいきさつ,子どもに対する想い,自分の生い立ちなどを語ってもらい,当面の生活についての希望を確認した。面接中,婦人相談所に保護される直前には,夫の暴力がRさんだけでなく息子にも加えられ始めたこと,Rさんが小学生の頃,父親から暴力を受けていたこと,また,夫と結婚する前に交際していた男性からも暴力を受けた経験があり,その暴力から逃れるために,その頃とても優しい男性に思えた夫との結婚を決心したことなどが語られた。そして,インテーク面接の終わりに,Rさんは,「男性から暴力を受けることが,私の人生なのかも知れない…」とポツリと話した(問題131)。
問題129
この場面においてワーカーが面接前に行う準備に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 婦人相談所から紹介されてきたいきさつなどを確認し,Rさんが置かれている状況に関しての課題整理を行う。
B 夫からの強引な訪問や連絡に備えて,母子生活支援施設への入所の手はずをあらかじめ進めておく。
C 婦人相談所以外に,Rさん親子に支援の可能性のある機関とも連絡が取れるよう手はずを整えておく。
D Rさんの不安感を想定し,不安が和らぐような配慮を考え,面接室の準備を行う。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ○
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○
【問題129の解答】3
A 婦人相談所から紹介されてきたいきさつなどを確認し,Rさんが置かれている状況に関しての課題整理を行う。
B 夫からの強引な訪問や連絡に備えて,母子生活支援施設への入所の手はずをあらかじめ進めておく。
C 婦人相談所以外に,Rさん親子に支援の可能性のある機関とも連絡が取れるよう手はずを整えておく。
D Rさんの不安感を想定し,不安が和らぐような配慮を考え,面接室の準備を行う。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ○
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○
【問題129の解答】3
問題130
この場面における,ワーカーの応答に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 「一時保護所のことがお分かりになったのですね」と一時保護の現実を直視させ,評価する。
B 「まだ,入所の決心がついていませんね」と尋ね,入所についての決心を急ぐように促す。
C 「ここまで大変だったと思います」とRさんの気持ちを受け止め,現時点での情報の共有化を図る。
D 「Rさんのペースでこれからのことを一緒に考えていきましょう」と応答する。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○
【問題130の解答】5
A 「一時保護所のことがお分かりになったのですね」と一時保護の現実を直視させ,評価する。
B 「まだ,入所の決心がついていませんね」と尋ね,入所についての決心を急ぐように促す。
C 「ここまで大変だったと思います」とRさんの気持ちを受け止め,現時点での情報の共有化を図る。
D 「Rさんのペースでこれからのことを一緒に考えていきましょう」と応答する。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○
【問題130の解答】5
問題131
この場面でワーカーが行う対応に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A Rさんのこれからの生活の立て直しのために,生活技能訓練のグループを紹介し,参加を勧める。
B Rさんが男性から暴力や虐待を受けてきたことについての洞察を深める援助を行い,精神科の受診を勧める。
C Rさんに母子生活支援施設への入所の必要性を説得し,婦人相談所にはRさんに代わって入所の意向を伝える。
D Rさんのこれまでの人生のつらさを共感し,ワーカーがともに考えていくことを確認しあう。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ × × ○
3 ○ × × ×
4 × ○ ○ ×
5 × × × ○
【問題131の解答】5
A Rさんのこれからの生活の立て直しのために,生活技能訓練のグループを紹介し,参加を勧める。
B Rさんが男性から暴力や虐待を受けてきたことについての洞察を深める援助を行い,精神科の受診を勧める。
C Rさんに母子生活支援施設への入所の必要性を説得し,婦人相談所にはRさんに代わって入所の意向を伝える。
D Rさんのこれまでの人生のつらさを共感し,ワーカーがともに考えていくことを確認しあう。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ × × ○
3 ○ × × ×
4 × ○ ○ ×
5 × × × ○
【問題131の解答】5
事例問題4
次の事例を読んで,問題132から問題134までについて答えなさい。
〔事 例〕
児童相談所に勤めて3か月の新人であるソーシャルワーカー(以下,「ワーカー」という。)は,今回,先輩スーパーバイザーの同席のもとで面接を行うことになった。入室してきたSさん(28歳)は,5年前に結婚した専業主婦であり,IT企業に勤務している夫(30歳)と娘(4歳)の3人家族である。ワーカーとスーパーバイザーは,Sさんに自己紹介を行い1時間の約束で面接を開始した。
ワーカー:どのようなご相談でいらしたのですか。
Sさん :実は娘のしつけに悩んでいるのです。娘が言うことを聞かないので。
ワーカー:娘さんは,どのように言うことを聞かないのですか。
Sさん :目を離したすきにライターを持ち出すなど,勝手に家の中の危険なものに触るんです。またスーパーに行くと知らないうちにお菓子をポケットに入れて持ち帰ったりします。何度言い聞かせてもやめないので,ついかっとなって手を上げてしまって…。このところ,何度もなんです(涙ぐんで)。
ワーカー:(問題132)
その後,ワーカーは,夫が仕事で忙しくSさんだけに育児が任されていることを聞き,さらに問題状況を把握するための面接を進めていった(問題133)。
面接も終わり近くなって,急にSさんはワーカーに向かって「私のしつけは,間違っていますか。教えてください」と言った。ワーカーは,「私は,親に殴られたことがないのでよく分かりませんが,4歳といえば,いろいろなことに興味がある時期でしょう。力任せにしつけをするというより,辛抱強く言い聞かせることの方が大切なのではないでしょうか」と応え,次回の日程を調整して初回面接を終了した。
初回面接終了後,スーパーバイザーは,ワーカーに面接の労をねぎらいつつスーパービジョンを行った(問題134)。
次の事例を読んで,問題132から問題134までについて答えなさい。
〔事 例〕
児童相談所に勤めて3か月の新人であるソーシャルワーカー(以下,「ワーカー」という。)は,今回,先輩スーパーバイザーの同席のもとで面接を行うことになった。入室してきたSさん(28歳)は,5年前に結婚した専業主婦であり,IT企業に勤務している夫(30歳)と娘(4歳)の3人家族である。ワーカーとスーパーバイザーは,Sさんに自己紹介を行い1時間の約束で面接を開始した。
ワーカー:どのようなご相談でいらしたのですか。
Sさん :実は娘のしつけに悩んでいるのです。娘が言うことを聞かないので。
ワーカー:娘さんは,どのように言うことを聞かないのですか。
Sさん :目を離したすきにライターを持ち出すなど,勝手に家の中の危険なものに触るんです。またスーパーに行くと知らないうちにお菓子をポケットに入れて持ち帰ったりします。何度言い聞かせてもやめないので,ついかっとなって手を上げてしまって…。このところ,何度もなんです(涙ぐんで)。
ワーカー:(問題132)
その後,ワーカーは,夫が仕事で忙しくSさんだけに育児が任されていることを聞き,さらに問題状況を把握するための面接を進めていった(問題133)。
面接も終わり近くなって,急にSさんはワーカーに向かって「私のしつけは,間違っていますか。教えてください」と言った。ワーカーは,「私は,親に殴られたことがないのでよく分かりませんが,4歳といえば,いろいろなことに興味がある時期でしょう。力任せにしつけをするというより,辛抱強く言い聞かせることの方が大切なのではないでしょうか」と応え,次回の日程を調整して初回面接を終了した。
初回面接終了後,スーパーバイザーは,ワーカーに面接の労をねぎらいつつスーパービジョンを行った(問題134)。
問題132
この場面でのワーカーの応答に関する次の記述のうち,適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。
A 手を上げてしまったことを悔やんでおられるのですね。
B 娘さんのことでずいぶん苦しんでおられるようですね。
C そんなに気にしなくても大丈夫ですよ。
D 娘さんは,お母さんの気をひきたいだけですよ。
(組み合わせ)
1 A B
2 A D
3 B C
4 B D
5 C D
【問題132の解答】1
A 手を上げてしまったことを悔やんでおられるのですね。
B 娘さんのことでずいぶん苦しんでおられるようですね。
C そんなに気にしなくても大丈夫ですよ。
D 娘さんは,お母さんの気をひきたいだけですよ。
(組み合わせ)
1 A B
2 A D
3 B C
4 B D
5 C D
【問題132の解答】1
問題133
この場面でワーカーがアセスメントすべき内容に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A Sさんの育児に対するストレスの状況
B Sさんの夫の収入
C しつけに対する夫婦の考え方とSさんの受け止め方
D Sさん母子の日常生活の様子
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ ○ ○
5 × ○ × ×
【問題133の解答】2
A Sさんの育児に対するストレスの状況
B Sさんの夫の収入
C しつけに対する夫婦の考え方とSさんの受け止め方
D Sさん母子の日常生活の様子
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ ○ ○
5 × ○ × ×
【問題133の解答】2
問題134
この場面でのスーパーバイザーの発言に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 親に殴られたことがないといって,自己開示できたのはよかったですね。
B Sさんのしつけについての考え方や大変さをもう少し聞いてもよかったかもしれませんね。
C 振り返ってみて,Sさんのことを受け止めることができたと思いますか。
D Sさんの主訴がどのようなことだったのかをもう一度確認してみましょう。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ ○ ○
5 × ○ × ×
【問題134の解答】4
A 親に殴られたことがないといって,自己開示できたのはよかったですね。
B Sさんのしつけについての考え方や大変さをもう少し聞いてもよかったかもしれませんね。
C 振り返ってみて,Sさんのことを受け止めることができたと思いますか。
D Sさんの主訴がどのようなことだったのかをもう一度確認してみましょう。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ ○ ○
5 × ○ × ×
【問題134の解答】4
事例問題5
次の事例を読んで,問題135から問題137までについて答えなさい。
〔事 例〕
NPO法人が運営している知的障害者の作業所に勤務するソーシャルワーカー(以下,「ワーカー」という。)は,利用者の収入を上げるために,かねてより社員として雇用してくれる企業を探していた。このたび障害者雇用に積極的なY食品会社と交渉したところ,利用者のうち2名をパンの製造部門の社員として採用してもよいとのことであった(問題135)。
作業所の利用者の一人にTさん(35歳,男性)がいる。Tさんは,グループホームで仲間5名とともに世話人の支援を受けて生活している。週5日は作業所でパンとクッキー作りをしている。月当たりの工賃は約2万円である。ワーカーはY食品会社の社員の候補としてTさんが適任ではないかと考え,Tさんと面接した。Tさんは「普通の会社でも働いてみたい。でも,今の仲間とできれば一緒に仕事をしたいし,別の場所に通うことに不安がある」と語った(問題136)。
………(中略)………
TさんはY食品会社の工場に通い始めた。作業所の仕事仲間だったUさんとは,昼食を並んでとり,一緒にバスで通勤している。仕事には徐々に慣れて,担当の作業がうまくできるようになった。ただ,職場の人達にはなかなかなじむことができず,話しかけられても返事をしないことが多い。働き始めて4か月ほど経ったあるとき,Tさんはパンの焼き時間を間違え不良品を出してしまった。上司にひどく叱られ,ふさぎ込み,その後数日間無断で欠勤した。Y食品会社の人事担当者はワーカーに電話をし,「Tさんは,Uさんとも一緒にいることがなくなり,仕事でも注意散漫なことが多いですね。最近何日かは無断で欠勤しています。これからうちでやっていけるのかが心配です」と言った。ワーカーがTさんに連絡を取ったところ,「もう少し頑張ってみたい」とのことであった(問題137)。
次の事例を読んで,問題135から問題137までについて答えなさい。
〔事 例〕
NPO法人が運営している知的障害者の作業所に勤務するソーシャルワーカー(以下,「ワーカー」という。)は,利用者の収入を上げるために,かねてより社員として雇用してくれる企業を探していた。このたび障害者雇用に積極的なY食品会社と交渉したところ,利用者のうち2名をパンの製造部門の社員として採用してもよいとのことであった(問題135)。
作業所の利用者の一人にTさん(35歳,男性)がいる。Tさんは,グループホームで仲間5名とともに世話人の支援を受けて生活している。週5日は作業所でパンとクッキー作りをしている。月当たりの工賃は約2万円である。ワーカーはY食品会社の社員の候補としてTさんが適任ではないかと考え,Tさんと面接した。Tさんは「普通の会社でも働いてみたい。でも,今の仲間とできれば一緒に仕事をしたいし,別の場所に通うことに不安がある」と語った(問題136)。
………(中略)………
TさんはY食品会社の工場に通い始めた。作業所の仕事仲間だったUさんとは,昼食を並んでとり,一緒にバスで通勤している。仕事には徐々に慣れて,担当の作業がうまくできるようになった。ただ,職場の人達にはなかなかなじむことができず,話しかけられても返事をしないことが多い。働き始めて4か月ほど経ったあるとき,Tさんはパンの焼き時間を間違え不良品を出してしまった。上司にひどく叱られ,ふさぎ込み,その後数日間無断で欠勤した。Y食品会社の人事担当者はワーカーに電話をし,「Tさんは,Uさんとも一緒にいることがなくなり,仕事でも注意散漫なことが多いですね。最近何日かは無断で欠勤しています。これからうちでやっていけるのかが心配です」と言った。ワーカーがTさんに連絡を取ったところ,「もう少し頑張ってみたい」とのことであった(問題137)。
問題135
このようなワーカーの活動に対応する次の語句のうち,適切なものを一つ選びなさい。
1 モニタリング
2 ブレインストーミング
3 インテーク
4 ケアプランの作成
5 社会資源の開発
【問題135の解答】5
1 モニタリング
2 ブレインストーミング
3 インテーク
4 ケアプランの作成
5 社会資源の開発
【問題135の解答】5
問題136
この発言を受けて,ワーカーが行うTさんへの対応に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A Tさんに一般雇用に慣れるための訓練を行う。
B Tさんが職場体験できるように機会を設ける。
C Tさんとともに,Y食品会社の人から仕事内容の説明を受ける。
D Tさんに対して責任ある立場になるように励ます。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ○
4 × ○ ○ ×
5 × × ○ ○
【問題136の解答】4
A Tさんに一般雇用に慣れるための訓練を行う。
B Tさんが職場体験できるように機会を設ける。
C Tさんとともに,Y食品会社の人から仕事内容の説明を受ける。
D Tさんに対して責任ある立場になるように励ます。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ○
4 × ○ ○ ×
5 × × ○ ○
【問題136の解答】4
問題137
この場面におけるワーカーの対応に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 人事担当者に職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援を提案する。
B Y食品会社を訪問し,上司とともにTさんへの支援策を協議する。
C Tさんが元の作業所での仕事に復帰できるように手配する。
D Tさんの自覚を促すため無断欠勤について強く叱(しっ)責する。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○
【問題137の解答】2
A 人事担当者に職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援を提案する。
B Y食品会社を訪問し,上司とともにTさんへの支援策を協議する。
C Tさんが元の作業所での仕事に復帰できるように手配する。
D Tさんの自覚を促すため無断欠勤について強く叱(しっ)責する。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○
【問題137の解答】2
事例問題6
次の事例を読んで,問題138から問題140までについて答えなさい。
〔事 例〕
X居宅介護支援事業所の社会福祉士の資格を持つE介護支援専門員(以下「専門員」という。)は,要介護高齢者やその家族の様々な相談に応じている。ある日,女性Fさん(69歳)から次のような電話相談があった。
Fさん:あのー,夫の介護に疲れてしまって…。介護保険は申請したのですが,どうしていいのか分からなくて…。
専門員:介護にお疲れになったのですね(問題138)。
…(中略)…
専門員は,Fさんの話の内容から,次のような状況であることが分かった。脳梗塞(こうそく)で入院していたFさんの夫(70歳)は,病状が安定し退院して在宅生活を送っていた。Fさんは,夫との二人暮らしで,子どもはいるが,同居はせず遠方で暮らしているとのことであった。介護保険を申請し,要介護2の状態であったが,Fさんが全面的に介護したいとの意向であったため,介護保険によるサービスを利用せずにこれまでやってきたという。しかし,Fさんも既に高齢であり,夫の介護を一人でやっていく自信がなくなったが,介護保険によるサービスを活用しながら,在宅で夫の介護を継続していきたいとも考えている。また,専門員は,FさんやFさんの夫についての話から,支援の緊急性が現時点で高くないことを確認した(問題139)。
………(中略)………
そして,Fさんとの電話の最後の場面となった。
Fさん:ありがとうございました。なんとなくほっといたしました。来週金曜日の午後2時ごろが都合がよいのですが…。
専門員:では,来週金曜日の午後2時に,Fさんのご自宅にお伺いさせていただきます。最後に,何かお話しなさりたいことはございますか。
Fさん:いいえ,ありません。本当にありがとうございました(問題140)。
次の事例を読んで,問題138から問題140までについて答えなさい。
〔事 例〕
X居宅介護支援事業所の社会福祉士の資格を持つE介護支援専門員(以下「専門員」という。)は,要介護高齢者やその家族の様々な相談に応じている。ある日,女性Fさん(69歳)から次のような電話相談があった。
Fさん:あのー,夫の介護に疲れてしまって…。介護保険は申請したのですが,どうしていいのか分からなくて…。
専門員:介護にお疲れになったのですね(問題138)。
…(中略)…
専門員は,Fさんの話の内容から,次のような状況であることが分かった。脳梗塞(こうそく)で入院していたFさんの夫(70歳)は,病状が安定し退院して在宅生活を送っていた。Fさんは,夫との二人暮らしで,子どもはいるが,同居はせず遠方で暮らしているとのことであった。介護保険を申請し,要介護2の状態であったが,Fさんが全面的に介護したいとの意向であったため,介護保険によるサービスを利用せずにこれまでやってきたという。しかし,Fさんも既に高齢であり,夫の介護を一人でやっていく自信がなくなったが,介護保険によるサービスを活用しながら,在宅で夫の介護を継続していきたいとも考えている。また,専門員は,FさんやFさんの夫についての話から,支援の緊急性が現時点で高くないことを確認した(問題139)。
………(中略)………
そして,Fさんとの電話の最後の場面となった。
Fさん:ありがとうございました。なんとなくほっといたしました。来週金曜日の午後2時ごろが都合がよいのですが…。
専門員:では,来週金曜日の午後2時に,Fさんのご自宅にお伺いさせていただきます。最後に,何かお話しなさりたいことはございますか。
Fさん:いいえ,ありません。本当にありがとうございました(問題140)。
問題138
この場面で行った専門員の面接技法に関する次の記述のうち,適切なものを一つ選びなさい。
1 主訴の確認
2 事実の確認
3 感情の反映
4 事実の要約
5 状況の理解
【問題138の解答】3
1 主訴の確認
2 事実の確認
3 感情の反映
4 事実の要約
5 状況の理解
【問題138の解答】3
【問題139の解答】
この時点で考えられる専門員が行う対応に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A Fさんの夫の施設入所を勧める。
B 今後,専門員が支援していくことについて確認する。
C これまでの電話面接の内容を要約する。
D Fさんの在宅介護の継続意思を確認する。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ×
4 × ○ ○ ○
5 × × ○ ○
【問題139の解答】4
A Fさんの夫の施設入所を勧める。
B 今後,専門員が支援していくことについて確認する。
C これまでの電話面接の内容を要約する。
D Fさんの在宅介護の継続意思を確認する。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ×
4 × ○ ○ ○
5 × × ○ ○
【問題139の解答】4
【問題140の解答】
次回の訪問面接で専門員が行うことに関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A アセスメント
B Fさんの夫の主訴の確認
C モニタリング
D Fさんの夫への専門員についての説明と支援を行うことへの同意
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○
【問題140の解答】2
A アセスメント
B Fさんの夫の主訴の確認
C モニタリング
D Fさんの夫への専門員についての説明と支援を行うことへの同意
(組み合わせ)
A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○
【問題140の解答】2