第7回 「現代社会と福祉」のポイント
さて、今回は、「現代社会と福祉」の具体的な内容、ポイントについて解説していきたいと思います。今回も、公益財団法人社会福祉振興・試験センターが示す出題基準に即した内容で、整理していきます。
本科目のねらい
本科目の出題基準によると、大項目として、1.現代社会における福祉制度と福祉政策、2.福祉の原理をめぐる理論と哲学、3.福祉制度の発達過程、4.福祉政策におけるニーズと資源、5.福祉政策の課題、6.福祉政策の構成要素、7.福祉政策と関連政策、8.相談援助活動と福祉政策の関係の8つがあげられています。
本科目も、前回の「社会理論と社会システム」と並んで、「苦手意識」をもっている人が多い科目です。上記の出題基準の8項目を見て、もうすでに不安を感じている人も多いのではないでしょうか。しかし、「社会理論と社会システム」も本科目も、まずは専門用語をきちんと理解したうえで、着実に整理しながら学習することが大切です。そうすることで、自然と力が身につき、得点力が上がっていく科目だと思います。また、本科目では、新しい制度や政策についてしっかりと学習することで、さらなる得点が見込めます。まずは、専門用語の整理からじっくりと始めていきましょう。
本科目も、前回の「社会理論と社会システム」と並んで、「苦手意識」をもっている人が多い科目です。上記の出題基準の8項目を見て、もうすでに不安を感じている人も多いのではないでしょうか。しかし、「社会理論と社会システム」も本科目も、まずは専門用語をきちんと理解したうえで、着実に整理しながら学習することが大切です。そうすることで、自然と力が身につき、得点力が上がっていく科目だと思います。また、本科目では、新しい制度や政策についてしっかりと学習することで、さらなる得点が見込めます。まずは、専門用語の整理からじっくりと始めていきましょう。
第24回試験をみてみると…
まず第24回試験を概観してみましょう。内容的には、福祉制度や福祉政策などに関する詳細や、ソーシャルインクルージョン、ジェンダー、労働(雇用)政策などに関する問題が出題されていました。ある程度は想定の範囲内でしたが、各設問ごとの内容を読み進めるのが大変だったと思います。例えば、問題22で「社会保障の枠組み」、問題23で「福祉の思想や原理」といった基礎的な問題が出題されていましたし、問題24で「各国における福祉レジームの生成」に関する問題が出題されていました。このほか、「失業」「我が国のジェンダー・男女共同参画」「労働政策」といった労働や労働(雇用)政策に関する問題(問題25、27、31)が出題されていました。また、「福祉政策の手法」や「福祉政策の分析の基礎となる概念」といった福祉政策に関する問題(問題28、30)、「福祉供給部門と福祉供給制度」に関する問題(問題29)が出題されていました。さらに、問題26で「ソーシャルインクルージョン(社会的包摂)に関する国際的な取組」についても問われていました。
併せて、第23回試験の出題についてもみておきましょう。第23回試験では、「戦前戦後の福祉制度や福祉政策」に関する問題をはじめ、「福祉政策の研究者とその言説」に関する問題や、「普遍主義と選別主義」に関する問題、「貧困の概念と測定」に関する問題など、かなり広範囲の内容に渡っていました。また、頻出の「海外の社会保障・福祉」に関する問題では、アメリカ、スウェーデン、イギリス、韓国、タイの社会保障・福祉に関して、比較的近年の取組や動向について問われていました。
以上のことからわかるように、本科目は、まずは専門用語をしっかりと理解すること、そのうえで制度や福祉の概念や動向などを整理することが重要といえます。また、近年の統計資料についても一読しておく必要があることもわかります。
では、出題基準で取り扱われる8つの項目をもとに整理していきます。
併せて、第23回試験の出題についてもみておきましょう。第23回試験では、「戦前戦後の福祉制度や福祉政策」に関する問題をはじめ、「福祉政策の研究者とその言説」に関する問題や、「普遍主義と選別主義」に関する問題、「貧困の概念と測定」に関する問題など、かなり広範囲の内容に渡っていました。また、頻出の「海外の社会保障・福祉」に関する問題では、アメリカ、スウェーデン、イギリス、韓国、タイの社会保障・福祉に関して、比較的近年の取組や動向について問われていました。
以上のことからわかるように、本科目は、まずは専門用語をしっかりと理解すること、そのうえで制度や福祉の概念や動向などを整理することが重要といえます。また、近年の統計資料についても一読しておく必要があることもわかります。
では、出題基準で取り扱われる8つの項目をもとに整理していきます。
各項目の詳細について
1.現代社会における福祉制度と福祉政策
本項目は、1)福祉制度の概念と理念、2)福祉政策の概念と理念、3)福祉制度と福祉政策の関係、4)福祉政策と政治の関係、5)福祉政策の主体と対象に分けられています。
この5つの項目は、現代社会における福祉制度の意義や理念などについて理解するうえで非常に重要な項目です。したがって、どの項目もしっかりと学習しておく必要があります。本科目の基礎となる概念や理念、用語については、テキストを利用して再確認しておいてください。この項目を曖昧なままにして学習を進めていくと、後で関連項目の理解が困難になったり、混乱したりすることになります。
第24回試験では、問題22で問われた福祉制度の分類が本項目に関係します。具体的には、「社会保障制度審議会による社会保障の枠組み」に関する内容を問う問題でした。少し整理しておくと、社会保障は広義と狭義にわかれますが、狭義の社会保障とは、社会保険、公的扶助、社会福祉、公衆衛生及び医療、老人保健の5つ(部門)で、広義の社会保障とは、この5つに恩給、戦争犠牲者援護を加えた範囲をいいます。基本的なことですが、重要なので整理・確認をしておいてください。
この5つの項目は、現代社会における福祉制度の意義や理念などについて理解するうえで非常に重要な項目です。したがって、どの項目もしっかりと学習しておく必要があります。本科目の基礎となる概念や理念、用語については、テキストを利用して再確認しておいてください。この項目を曖昧なままにして学習を進めていくと、後で関連項目の理解が困難になったり、混乱したりすることになります。
第24回試験では、問題22で問われた福祉制度の分類が本項目に関係します。具体的には、「社会保障制度審議会による社会保障の枠組み」に関する内容を問う問題でした。少し整理しておくと、社会保障は広義と狭義にわかれますが、狭義の社会保障とは、社会保険、公的扶助、社会福祉、公衆衛生及び医療、老人保健の5つ(部門)で、広義の社会保障とは、この5つに恩給、戦争犠牲者援護を加えた範囲をいいます。基本的なことですが、重要なので整理・確認をしておいてください。
2.福祉の原理をめぐる理論と哲学
本項目では、1)福祉の原理をめぐる理論、2)福祉の原理をめぐる哲学と倫理についての理解が必要とされます。
1)福祉の原理をめぐる理論では、社会政策と社会福祉の関係性や社会福祉(社会事業)政策の成立、社会福祉の補充性、社会福祉の固有性、現代社会において社会福祉が果たすべき役割や機能などについて整理しておく必要があります。
2)福祉の原理をめぐる哲学と倫理については、思想や哲学のもつ意味をはじめ、福祉の思想・哲学の前提となる人間観、福祉観、援助観や社会観、福祉の思想や哲学、福祉専門職の倫理などが重要なポイントとしてあげられます。
内容を概観した段階では難しく思ってしまいがちですが、丁寧に読み進めると、福祉そのものの考え方や捉え方を理解することができます。テキストを活用して、しっかりと整理しておいてください。
第24回試験をみてみますと、問題23で「福祉の思想や原理」に関する問題が出題されています。詳細な内容について問われていますが、基本的な用語や内容を理解しておくことが重要です。具体的には、ウェッブ夫妻(『産業民主制論』:1897年)、ベヴァリッジ(『社会保険および関連サービス』:1942年)、世界人権宣言、ノーマライゼーション、IL運動(障害者の自立生活運動)が問われました。
第23回試験でも、ソーシャルインクルージョン、エンパワメント、ノーマライゼーションなどの社会福祉で注目される用語・概念が出題されています。これらの問題は基礎的なものなので、確実に得点できるように学習しておきましょう。また、概念や原理、用語に関しても、しっかりと整理しておきましょう。
学習のポイントとしては、日本の研究者たちの福祉の原理をめぐる理論や哲学の整理をしておくことです。さらに、1990年代以降に出された数々の法律は、福祉ニーズの変化や拡大に対応するものであり、これらは社会福祉の拡大と変容といえます。これらの概念について、テキストやワークブックなどで確認しておきましょう。
1)福祉の原理をめぐる理論では、社会政策と社会福祉の関係性や社会福祉(社会事業)政策の成立、社会福祉の補充性、社会福祉の固有性、現代社会において社会福祉が果たすべき役割や機能などについて整理しておく必要があります。
2)福祉の原理をめぐる哲学と倫理については、思想や哲学のもつ意味をはじめ、福祉の思想・哲学の前提となる人間観、福祉観、援助観や社会観、福祉の思想や哲学、福祉専門職の倫理などが重要なポイントとしてあげられます。
内容を概観した段階では難しく思ってしまいがちですが、丁寧に読み進めると、福祉そのものの考え方や捉え方を理解することができます。テキストを活用して、しっかりと整理しておいてください。
第24回試験をみてみますと、問題23で「福祉の思想や原理」に関する問題が出題されています。詳細な内容について問われていますが、基本的な用語や内容を理解しておくことが重要です。具体的には、ウェッブ夫妻(『産業民主制論』:1897年)、ベヴァリッジ(『社会保険および関連サービス』:1942年)、世界人権宣言、ノーマライゼーション、IL運動(障害者の自立生活運動)が問われました。
第23回試験でも、ソーシャルインクルージョン、エンパワメント、ノーマライゼーションなどの社会福祉で注目される用語・概念が出題されています。これらの問題は基礎的なものなので、確実に得点できるように学習しておきましょう。また、概念や原理、用語に関しても、しっかりと整理しておきましょう。
学習のポイントとしては、日本の研究者たちの福祉の原理をめぐる理論や哲学の整理をしておくことです。さらに、1990年代以降に出された数々の法律は、福祉ニーズの変化や拡大に対応するものであり、これらは社会福祉の拡大と変容といえます。これらの概念について、テキストやワークブックなどで確認しておきましょう。
3.福祉制度の発達過程
本項目は、1)前近代社会と福祉、2)産業社会と福祉、3)現代社会と福祉に分けられています。
まず、1)前近代社会と福祉では、1600年代から続く第一次囲い込み運動やその後1800年代半ばから後半の社会変化や貧困などの社会問題を背景に福祉が対応していきます。例えば、救貧法、慈善事業、博愛事業、相互扶助などの民間および公的救済制度の整理が必要となります。
次に、2)産業社会と福祉では、1800年代後半のいわゆる産業革命を代表とする資本主義社会の台頭、都市化や貧困の問題といった社会問題を背景に、福祉が対応していきます。具体的には、慈善救済事業、社会事業の発達などがあげられます。これらには、慈善組織協会(COS)やセツルメント運動などの活動が対応しています。さらに、社会調査で明らかになった貧困問題が、個人の問題ではなく社会全体の問題であるということが一般化され、その後、1950年頃までは、社会保険・社会保障の発達、福祉国家の成立などが福祉の大きな目的となりました。
最後に、3)現代社会と福祉では、第二次世界大戦後の窮乏社会と福祉、経済成長と福祉、その後の新自由主義、ポスト産業社会、グローバル化、リスク社会、福祉多元主義などが重要です。
第24回試験をみてみますと、問題24で「各国における福祉レジームの生成」に関する問題が出題されました。「レジーム」とは、「体制」「制度」「政権」などの意で用いられ、さらには「政策と制度構造」と訳されています。つまり、「福祉レジーム」とは、「国家や、市場、家族という福祉を担うと考えられるセクター間における福祉の生産と分配のバランスおよびその結果をもたらす政策と制度構造のあり方」といえます。
また、第23回試験をみてみますと、「日本における戦前(第二次世界大戦終了以前)の福祉制度の発展過程」に関する問題で、社会事業、厚生事業などの具体的な内容が出題されています。また、「日本における戦後の福祉政策に関する問題も出題されていました。生活保護法をはじめ、児童手当法や障害者基本法、障害者自立支援法などが出題されています。このように、社会福祉制度の歴史やその発達過程、系譜などが問われています。これらの問題は、一度しっかりと用語を押さえ、その時代背景とともに福祉の対象や福祉観などを押さえながら学習すると、効率よく学ぶことができます。また、戦後に出された福祉六法をはじめ、障害者福祉関連法、1990年代および2000年代以降の法律に関しては、必ずチェックしておいてください。
まず、1)前近代社会と福祉では、1600年代から続く第一次囲い込み運動やその後1800年代半ばから後半の社会変化や貧困などの社会問題を背景に福祉が対応していきます。例えば、救貧法、慈善事業、博愛事業、相互扶助などの民間および公的救済制度の整理が必要となります。
次に、2)産業社会と福祉では、1800年代後半のいわゆる産業革命を代表とする資本主義社会の台頭、都市化や貧困の問題といった社会問題を背景に、福祉が対応していきます。具体的には、慈善救済事業、社会事業の発達などがあげられます。これらには、慈善組織協会(COS)やセツルメント運動などの活動が対応しています。さらに、社会調査で明らかになった貧困問題が、個人の問題ではなく社会全体の問題であるということが一般化され、その後、1950年頃までは、社会保険・社会保障の発達、福祉国家の成立などが福祉の大きな目的となりました。
最後に、3)現代社会と福祉では、第二次世界大戦後の窮乏社会と福祉、経済成長と福祉、その後の新自由主義、ポスト産業社会、グローバル化、リスク社会、福祉多元主義などが重要です。
第24回試験をみてみますと、問題24で「各国における福祉レジームの生成」に関する問題が出題されました。「レジーム」とは、「体制」「制度」「政権」などの意で用いられ、さらには「政策と制度構造」と訳されています。つまり、「福祉レジーム」とは、「国家や、市場、家族という福祉を担うと考えられるセクター間における福祉の生産と分配のバランスおよびその結果をもたらす政策と制度構造のあり方」といえます。
また、第23回試験をみてみますと、「日本における戦前(第二次世界大戦終了以前)の福祉制度の発展過程」に関する問題で、社会事業、厚生事業などの具体的な内容が出題されています。また、「日本における戦後の福祉政策に関する問題も出題されていました。生活保護法をはじめ、児童手当法や障害者基本法、障害者自立支援法などが出題されています。このように、社会福祉制度の歴史やその発達過程、系譜などが問われています。これらの問題は、一度しっかりと用語を押さえ、その時代背景とともに福祉の対象や福祉観などを押さえながら学習すると、効率よく学ぶことができます。また、戦後に出された福祉六法をはじめ、障害者福祉関連法、1990年代および2000年代以降の法律に関しては、必ずチェックしておいてください。
4.福祉政策におけるニーズと資源
本項目は、1)需要とニーズの概念、2)資源の概念の2つに分けられています。
「需要」と「ニーズ」の概念について考えてみますと、まず「需要」についてですが、「必要」と「需要」を比較する場合があります。ここでは詳細を解説することができませんが、『新・社会福祉士養成講座 第4巻 現代社会と福祉』では以下のように整理されています。
「需要」と「ニーズ」の概念について考えてみますと、まず「需要」についてですが、「必要」と「需要」を比較する場合があります。ここでは詳細を解説することができませんが、『新・社会福祉士養成講座 第4巻 現代社会と福祉』では以下のように整理されています。
| 必 要 | 需 要 | |
|---|---|---|
| 根拠 | 道徳・価値 | 欲望・欲求 |
| 根拠の性質 | 客観的・外在的 | 主観的・内在的 |
| 判断基準 | 善悪(正・不正) | 利害(快・苦) |
次に、「ニーズ」についてですが、ニーズについてはさまざまな研究者によって整理されているので、テキストを活用しながら学習しておいてください。例えば、潜在的ニーズと顕在的ニーズ、貨幣的ニーズと非貨幣的ニーズ、規範的ニーズと比較的ニーズ、感知(感得)されているニーズと表明されたニーズなどです。
資源の概念について整理してみると、社会政策の資源とは、「報酬」と「用具」に分類できます。「報酬」とは、必要の充足にとって直接役に立つ資源であり、雇用機会の提供や職業訓練といった「現物給付」として提供されます。また、「用具」については、「現金給付」といった必要の充足にとって間接的に役に立つ資源を言います。そのほか、社会資源とは、ニーズを充足するさまざまな物資や人材の総称で、具体的には、制度や政策、法律、施設、サービス、備品、資金、情報、知識、技術、人材などがあげられます。
第24回試験では、直接的に、需要とニーズの概念や、資源の概念を問う問題は出題されませんでしたが、用語や内容としては非常に重要です。
また、第23回試験では、「ラショニング(配給・割当)」に関する問題が出題されました。ラショニングとは、イギリスで発展した概念で、「希少な資源を、市場メカニズムを用いずに、これを必要とする人々に供給するための方法」のことをいいます。さらに、第22回試験では、「福祉政策における需要とニーズ(必要)の概念」に関して問われています。基礎的な内容ですが、しっかりと整理しておいてください。
資源の概念について整理してみると、社会政策の資源とは、「報酬」と「用具」に分類できます。「報酬」とは、必要の充足にとって直接役に立つ資源であり、雇用機会の提供や職業訓練といった「現物給付」として提供されます。また、「用具」については、「現金給付」といった必要の充足にとって間接的に役に立つ資源を言います。そのほか、社会資源とは、ニーズを充足するさまざまな物資や人材の総称で、具体的には、制度や政策、法律、施設、サービス、備品、資金、情報、知識、技術、人材などがあげられます。
第24回試験では、直接的に、需要とニーズの概念や、資源の概念を問う問題は出題されませんでしたが、用語や内容としては非常に重要です。
また、第23回試験では、「ラショニング(配給・割当)」に関する問題が出題されました。ラショニングとは、イギリスで発展した概念で、「希少な資源を、市場メカニズムを用いずに、これを必要とする人々に供給するための方法」のことをいいます。さらに、第22回試験では、「福祉政策における需要とニーズ(必要)の概念」に関して問われています。基礎的な内容ですが、しっかりと整理しておいてください。
5.福祉政策の課題
本項目は、1)福祉政策と社会問題、2)福祉政策の現代的課題、3)福祉政策の課題と国際比較(国際動向を含む。)に分けられています。
1)福祉政策と社会問題では、具体的には、貧困、孤独、失業、要援護(児童、老齢、障害、寡婦)、偏見と差別、社会的排除、ヴァルネラビリティ(他者からの攻撃や搾取などを招きやすい脆弱性や誘発性)、リスクなどがあげられます。そのほか、自殺、犯罪、非行、公害、ハラスメント、DV(ドメスティック・バイオレンス)、児童虐待や高齢者虐待、いじめ、環境破壊などもそうでしょう。これらについては、まず用語の正しい理解と、関連する法律や制度を整理しておくことが重要です。また、統計などの最新の情報や新聞などで取り上げられている話題についてもよく理解しておく必要があります。
社会福祉士は、このような社会問題に敏感である必要があります。さらに、これらの社会問題と福祉政策を関連づけて理解しておく必要があります。つまり、2)福祉政策の現代的課題に関係してくるわけです。前述した社会問題のほかにも、ソーシャルインクルージョン(社会的包摂)、社会連帯、セーフティネットなどの知識が必要となります。
3)福祉政策の課題と国際比較(国際動向含む。)では、国際比較について整理しておく必要があります。この国際比較(国際動向)については、比較的近年のデータをみておく必要があります。統計資料や『厚生労働白書』(厚生労働省)などを中心に確認しておきましょう。
第24回試験では、問題25、26、27が本項目に関連します。まず問題25で「失業」に関する問題が出題され、労働政策等に関する基本的知識と統計資料を基本とした内容が出題されました。このことから、『労働経済白書』(厚生労働省)や「世界の統計」(総務省)などの資料を通して、わが国の労働や失業などの現状や諸外国を含めたわが国の位置づけなどを理解しておくことが重要です。
次に問題26では「ソーシャルインクルージョン(社会的包摂)の取組」に関する問題が出題されました。本問題も、国内だけでなく諸外国の取組状況などを理解しておくことが重要で、日本国内だけでなく、諸外国の状況も併せて整理しておく必要があります。
最後に問題27で「我が国のジェンダー・男女共同参画」に関する問題が出題されました。ジェンダーや男女共同参画社会の実現に関しては、関係法令や計画、国際的な規範などを包括的に理解することが重要です。必ず、男女共同参画社会基本法をはじめ、男女雇用機会均等法(正式名:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律)などの法や、「社会生活基本調査」(総務省)や「全国母子世帯等調査」(厚生労働省)などの統計資料にも目を通し、確認しておいてください。
第23回試験でも、「貧困の概念と測定(社会調査)」に関する問題が出題されていました。このほか、「海外の社会保障・福祉」に関する問題が出題され、比較的近年の取組や動向について出題されていましたので、確認しておいてください。
国際福祉の今後の課題としては、問題解決のシステムづくりがあげられます。このとき重要なのは、地球規模で問題を分析するマクロ的な視点と同時に、当事者を個別的に捉えるミクロ的な視点です。国際福祉で取り上げる問題が莫大で、漠然としているため、遠い異国の人々の問題であるとして、我われの生活と切り離して考えがちですが、この問題解決に重要なことは、我われ先進国に住む人々の生活のあり方が大きく関連していることを理解しておくことです。つまり、同時代に住む人間であるという視点に立ち返ることが重要なのです。
1)福祉政策と社会問題では、具体的には、貧困、孤独、失業、要援護(児童、老齢、障害、寡婦)、偏見と差別、社会的排除、ヴァルネラビリティ(他者からの攻撃や搾取などを招きやすい脆弱性や誘発性)、リスクなどがあげられます。そのほか、自殺、犯罪、非行、公害、ハラスメント、DV(ドメスティック・バイオレンス)、児童虐待や高齢者虐待、いじめ、環境破壊などもそうでしょう。これらについては、まず用語の正しい理解と、関連する法律や制度を整理しておくことが重要です。また、統計などの最新の情報や新聞などで取り上げられている話題についてもよく理解しておく必要があります。
社会福祉士は、このような社会問題に敏感である必要があります。さらに、これらの社会問題と福祉政策を関連づけて理解しておく必要があります。つまり、2)福祉政策の現代的課題に関係してくるわけです。前述した社会問題のほかにも、ソーシャルインクルージョン(社会的包摂)、社会連帯、セーフティネットなどの知識が必要となります。
3)福祉政策の課題と国際比較(国際動向含む。)では、国際比較について整理しておく必要があります。この国際比較(国際動向)については、比較的近年のデータをみておく必要があります。統計資料や『厚生労働白書』(厚生労働省)などを中心に確認しておきましょう。
第24回試験では、問題25、26、27が本項目に関連します。まず問題25で「失業」に関する問題が出題され、労働政策等に関する基本的知識と統計資料を基本とした内容が出題されました。このことから、『労働経済白書』(厚生労働省)や「世界の統計」(総務省)などの資料を通して、わが国の労働や失業などの現状や諸外国を含めたわが国の位置づけなどを理解しておくことが重要です。
次に問題26では「ソーシャルインクルージョン(社会的包摂)の取組」に関する問題が出題されました。本問題も、国内だけでなく諸外国の取組状況などを理解しておくことが重要で、日本国内だけでなく、諸外国の状況も併せて整理しておく必要があります。
最後に問題27で「我が国のジェンダー・男女共同参画」に関する問題が出題されました。ジェンダーや男女共同参画社会の実現に関しては、関係法令や計画、国際的な規範などを包括的に理解することが重要です。必ず、男女共同参画社会基本法をはじめ、男女雇用機会均等法(正式名:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律)などの法や、「社会生活基本調査」(総務省)や「全国母子世帯等調査」(厚生労働省)などの統計資料にも目を通し、確認しておいてください。
第23回試験でも、「貧困の概念と測定(社会調査)」に関する問題が出題されていました。このほか、「海外の社会保障・福祉」に関する問題が出題され、比較的近年の取組や動向について出題されていましたので、確認しておいてください。
国際福祉の今後の課題としては、問題解決のシステムづくりがあげられます。このとき重要なのは、地球規模で問題を分析するマクロ的な視点と同時に、当事者を個別的に捉えるミクロ的な視点です。国際福祉で取り上げる問題が莫大で、漠然としているため、遠い異国の人々の問題であるとして、我われの生活と切り離して考えがちですが、この問題解決に重要なことは、我われ先進国に住む人々の生活のあり方が大きく関連していることを理解しておくことです。つまり、同時代に住む人間であるという視点に立ち返ることが重要なのです。
6.福祉政策の構成要素
本項目は、1)福祉政策の論点、2)福祉政策における政府の役割、3)福祉政策における市場の役割、4)福祉政策における国民の役割、5)福祉政策の手法と政策決定過程と政策評価、6)福祉供給部門、7)福祉供給過程、8)福祉利用過程の8つに分けられています。
まず、1)福祉政策の論点ですが、ここでは、効率性と公平性、必要と資源、普遍主義と選別主義、自立と依存、自己選択とパターナリズム、参加とエンパワメント、ジェンダー、福祉政策の視座などがあげられます。2)福祉政策における政府の役割、3)福祉政策における市場の役割、4)福祉政策における国民の役割、5)福祉政策の手法と政策決定過程と政策評価については、1)福祉政策の論点と関連する内容なので、連動させて整理しておいてください。
また、6)福祉供給部門では、政府部門、民間(営利・非営利)部門、ボランタリー部門、インフォーマル部門について、7)福祉供給過程では、公私(民)関係、再分配、割当、行財政、計画について、8)福祉利用過程では、スティグマ、情報の非対称性、受給資格とシティズンシップについてのそれぞれ整理が必要となります。
第24回試験をみてみますと、問題28、29、30の3問が出題されていました。具体的には、問題28で「福祉政策の手法」に関する問題、問題29で「福祉供給部門と福祉供給制度」に関する問題、問題30で「福祉政策の分析の基礎となる概念」に関する問題が出題されました。内容をみてみますと、問題28はかなり詳細な内容が問われ、福祉政策については、政策手法と合わせて、主な研究者を整理しておく必要がありました。また、問題30もかなり詳細な内容が問われていました。例えば、インクリメンタリズムといった聞きなれない用語が出題されていました。公務員試験の学習のなかで聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、インクリメンタリズムとは、アメリカのリンドブロムによって1950年代後半に示された政策決定モデルで、特徴としては、この原理が作用している場合には合理主義的な予算編成の原理が作用している場合と比較して、行政分野ごとの予算額の構成比の変化が少なくなる傾向にあるとされています。
まず、1)福祉政策の論点ですが、ここでは、効率性と公平性、必要と資源、普遍主義と選別主義、自立と依存、自己選択とパターナリズム、参加とエンパワメント、ジェンダー、福祉政策の視座などがあげられます。2)福祉政策における政府の役割、3)福祉政策における市場の役割、4)福祉政策における国民の役割、5)福祉政策の手法と政策決定過程と政策評価については、1)福祉政策の論点と関連する内容なので、連動させて整理しておいてください。
また、6)福祉供給部門では、政府部門、民間(営利・非営利)部門、ボランタリー部門、インフォーマル部門について、7)福祉供給過程では、公私(民)関係、再分配、割当、行財政、計画について、8)福祉利用過程では、スティグマ、情報の非対称性、受給資格とシティズンシップについてのそれぞれ整理が必要となります。
第24回試験をみてみますと、問題28、29、30の3問が出題されていました。具体的には、問題28で「福祉政策の手法」に関する問題、問題29で「福祉供給部門と福祉供給制度」に関する問題、問題30で「福祉政策の分析の基礎となる概念」に関する問題が出題されました。内容をみてみますと、問題28はかなり詳細な内容が問われ、福祉政策については、政策手法と合わせて、主な研究者を整理しておく必要がありました。また、問題30もかなり詳細な内容が問われていました。例えば、インクリメンタリズムといった聞きなれない用語が出題されていました。公務員試験の学習のなかで聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、インクリメンタリズムとは、アメリカのリンドブロムによって1950年代後半に示された政策決定モデルで、特徴としては、この原理が作用している場合には合理主義的な予算編成の原理が作用している場合と比較して、行政分野ごとの予算額の構成比の変化が少なくなる傾向にあるとされています。
7.福祉政策と関連政策
本項目は、1)福祉政策と教育政策、2)福祉政策と住宅施策、3)福祉政策と労働政策に分けられています。関連政策とはいえ、福祉と密接に関連している政策のため、各政策については法律を含めて理解しておく必要があります。近年の動向を加味すると、教育政策や労働政策と、福祉政策は密接に関わりのある政策といえます。
第24回試験をみてみますと、問題31で「労働政策」に関する問題が出題されています。また、第23回試験では、「我が国の住宅政策」に関する問題で、公営住宅法、住生活基本法、高齢者の居住の安定確保に関する法律、住宅セーフティネット法(正式名:住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律)が出題されました。このことから、福祉政策と教育、住宅、労働は、非常に重要な関係にあることがわかります。今後も出題される可能性が非常に高いと思いますので、制度(法律)や政策を必ずチェックしておいてください。特に、本年度は教育施策との関連について確認しておいてください。
第24回試験をみてみますと、問題31で「労働政策」に関する問題が出題されています。また、第23回試験では、「我が国の住宅政策」に関する問題で、公営住宅法、住生活基本法、高齢者の居住の安定確保に関する法律、住宅セーフティネット法(正式名:住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律)が出題されました。このことから、福祉政策と教育、住宅、労働は、非常に重要な関係にあることがわかります。今後も出題される可能性が非常に高いと思いますので、制度(法律)や政策を必ずチェックしておいてください。特に、本年度は教育施策との関連について確認しておいてください。
8.相談援助活動と福祉政策の関係
本項目は、福祉供給の政策過程と実施過程についての理解を求めています。主に、福祉多元社会論の歴史や、福祉多元社会論を語らしめる社会、さらに、福祉多元社会論のとらえ方や、国家と政策の位置関係、今日における福祉政策と供給の実施過程についての整理が必要となります。福祉多元社会論については、とても重要な概念ですのでよく学習しておいてください。
以上が、「現代社会と福祉」のポイントです。聞きなれない専門用語や概念などが出てくる科目ですし、盛りだくさんの内容が含まれている科目でもあります。そのため、前回の「社会理論と社会システム」と同様に、暗記を要する科目となりますので、早い段階で一度、重要項目について整理し、そのうえで諸々の学習を始めてください。その後、過去問解説集や模擬問題集を繰り返しながら学習していくと力がつきます。
次回は、「地域福祉の理論と方法」の具体的な内容、ポイントについて解説していきます。
以上が、「現代社会と福祉」のポイントです。聞きなれない専門用語や概念などが出てくる科目ですし、盛りだくさんの内容が含まれている科目でもあります。そのため、前回の「社会理論と社会システム」と同様に、暗記を要する科目となりますので、早い段階で一度、重要項目について整理し、そのうえで諸々の学習を始めてください。その後、過去問解説集や模擬問題集を繰り返しながら学習していくと力がつきます。
次回は、「地域福祉の理論と方法」の具体的な内容、ポイントについて解説していきます。
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