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岩本ゆりの「病気との付き合い方~医療コーディネーターからの手紙~」

Letter54「私が受けたい治療に家族が反対している その1」

 医療コーディネーターの実践を通してまとめた「患者が悩む意思決定トップ5」のなかから、今回は「私が受けたい治療に家族が反対している」について実際の相談事例を元に解説します。

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 医療コーディネーターが受ける相談の約半数は本人から、残りの半数は家族からです。相談者の半分が病気の当事者ではないというのは、意外ではないでしょうか? 

 その理由として、医療コーディネーターに関する情報は雑誌や書籍からも得られる人が2~3割で、残りの7~8割の人はインターネットからです。インターネットを駆使できる年齢層はやはり若い人、つまり当事者ではなく家族の場合が多いことが考えられます。一方、病気になった当事者は悪い情報を知ることが怖くて,なかなかインターネットを見ることができない。精神的に余裕がないという人もいます。その代わりに家族が心配して、あれやこれやと情報を集めるなかで医療コーディネーターに相談してくるという背景もあるようです。

 ちなみに、相談者の男女比を見ると、8割が女性です。これは当事者でも家族でも同じ比率です。患者さんの数は男女ほぼ同数でしょうから、なぜこのような差が出るのでしょう? これは患者会に参加している男女比と似ています。つまり、人に相談する、人に悩みごとを打ち明けるという行為が女性になじみがあると考えられます。男性は悩みがあっても自分一人の胸のうちにしまっておく、辛くて困っているという状況を語ることはみっともないし、したくないと考えている人も多いようです。また、家族のケアをするのは圧倒的に女性が多いという背景もあると考えられます。

 こうしたことから、家族が病気になって相談されるケースの場合、相談者は患者さんの娘さん、患者さんはお父さんというパターンが多くなります。さて次回からご紹介するケースもこのパターンです。


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プロフィール
岩本ゆり
(いわもと ゆり)
看護師・医療コーディネーター、NPO法人楽患ねっと副理事長。楽患ナース株式会社取締役。1995年東京医科大学病院産科病棟、1999年東京大学病院婦人科病棟、特別室・緩和ケア病室を経て、2002年NPO法人楽患ねっと開設、2003年医療コーディネーター開業、現在に至る。
2008年フジサンケイ・大和証券グループ Woman Power Project 第7回ビジネスプランコンテスト優秀賞2003年日本看護協会広報委員就任。
主な著書は『あなたの家にかえろう』(共著、2006年)、『患者と作る医学の教科書』(共著、日総研出版2009年)など。

私は看護師として、患者さんが落ち込んだ時も、前向きな時も、患者さんの人生の傍らに寄り添い、その力となる存在であり続けたいと思います。読者の方々のご相談もお待ちしています。
医療コーディネーターへのご相談は以下のサイトからどうぞ。
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