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福祉マイスターへの道 毎日更新

意思疎通の困難な利用者の行事参加

【Q】
 意思疎通が困難な利用者が施設行事に参加する場合、その人の意向をどのように反映すればよいのでしょうか。

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【A】
 個々の利用者の身体・精神状態によっては、本人が明確に意思表示したり、自身の想いを他人に伝達できない場合があります。その場合はどうすればよいのでしょうか。
 私たちは「□□に行きたい」「△△が食べたい」「○○がしたい」など、自身の想いを言語や身振りで相手に伝達しようとします。健康の人で有っても、口下手で言葉少なく消極的な人も沢山います。意思表示の困難な利用者の意向を汲み取り、行事に活かすための重要なポイントは二つです。
 一つめは、私たちが利用者を「一人の人」としてどこまで知っているかです。二つめに、「その人」は今どうしたいか、受け手の能力を最大限発揮して知ろうとすることです。「あの人は認知症だから、この人は意思表出しないから」と、受け手側の都合で一方的に決めてしまえば、「その人」の生の情報は一切入ってきません言語だけではなく、全身の細部の挙動を通して、人は自分の意思を表現しようとします。顔の表情や相づちといったわかりやすい挙動から、一見では判断しにくい表情までさまざまです。ですから、「その人」に向き合い、どんな些細な表出であっても見逃さず察知する能力こそが、介護する側に受け手として求められています。
 受け手側として情報を収集する際には、ビジュアル媒体(ビデオや写真など)を活用し、利用者本人に意向や想いを確認するのも有効な手段です。言葉だけの確認手法に頼らず、積極的に視覚などの情報を利用者に提供し、違う角度から情報を収集する努力に尽きます。
 最後に、受け手側の感受性を最大限に引き出すためには、介護する側が精神的、時間的にゆとりをもち、「その人」に真摯に向き合うことが重要な要素となります。

出典:安西順子編『気づいていますか 認知症ケアの落とし穴』中央法規出版、2012年


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