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福祉マイスターへの道 毎日更新

子どもへの身体的虐待とは?

【Q】
 児童虐待(子ども虐待)が問題になっていますが、虐待の種類と、具体的な加害行為としてあげられるものを教えてください。

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【A】
 2000(平成12)年に施行された児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)では、(1)身体的虐待、(2)性的虐待、(3)ネグレクト(養育の放棄・放置・怠慢)、(4)心理的(情緒的)虐待の4つの行為を「児童虐待」として定義しています。
 このうち、身体的虐待の具体的な加害行為としては、打撲傷、あざ(内出血)、骨折、たばこなどによるやけどなど、外見的に明らかな障害を生じさせることがあげられます。事故ではなく、非偶発的で、反復し、継続するのが特徴です。
 腕や足の螺旋状骨折は、力ずくでねじり曲げられたことが疑われ、四肢の多発骨折、頭蓋骨骨折は虐待があったことが示唆されます。肋骨・胸骨・肩甲骨・椎骨の骨折が起こることは非常にまれで、強い力が骨にかかったことが考えられます。また、関節の脱臼は、四肢を急に曲げたり、引っ張ったりしなければ発生しないことを理解し、注意してみなければなりません。
 硬膜下血腫は、乳幼児期においては虐待を強く示唆するものです。特に注意しなければならないのは、乳児揺さぶり症候群と呼ばれる虐待行為です。硬膜下血腫のある子どもでも、約50%には頭蓋骨骨折はみられません。頭部の皮膚や膨張さえないことがあります。
 皮膚の外傷としては、擦過傷、挫傷、噛傷、やけど、刺傷、哺乳びんを無理やり押し込んでできる口周囲の外傷、まだらな脱毛、頭血腫などがあります。また、眼の外傷には、眼周囲の出血・膨張(black eye)、網膜出血、網膜剥離、耳の外傷としては、鼓膜の損傷、鼓膜破裂などがあります。
 腹部損傷は頭部外傷に次いで死亡率が高いです。腹部外傷、肝臓破裂、小腸破裂もあります。
 自宅の風呂で発生することが多い溺水、故意に冷水に浸したり、裸で寒い戸外に放置することによって生じる低体温、夜尿に対する体罰としての強制的な水分制限による脱水症、事故によらない薬物の摂取や薬物中毒(乳幼児に酒・向精神薬等をミルクに混入して飲ませるなど)も身体的虐待として判断する必要があります。
 とくに生命に危険のある暴行とは、首を絞める、殴る、蹴る、投げ落とす、熱湯をかける、逆さ吊りにする、溺れさせる、異物を飲ませる、戸外に閉め出す、鎖や縄などで拘束するなどです。


出典:徳永 雅子著 『子ども虐待の予防とネットワーク―親子の支援と対応の手引き』 中央法規出版、2007年

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