誌上ケース検討会 第111回 精神科病院に20年以上の入院歴をもつ60代女性の退院支援を考える (2009年9月号掲載)

2026/08/18

このコーナーは、月刊誌「ケアマネジャー」(中央法規出版)の創刊号(1999年7月発刊)から第132号(2011年3月号)まで連載された「誌上ケース検討会」の記事を再録するものです。
同記事は、3人のスーパーバイザー(奥川幸子氏、野中猛氏、高橋学氏)が全国各地で行った公開事例検討会の内容を掲載したもので、対人援助職としてのさまざまな学びを得られる連載として好評を博しました。
記事の掲載から年月は経っていますが、今日の視点で読んでも現場実践者の参考になるところは多いと考え、公開することと致しました。


スーパーバイザー

野中 猛
(プロフィールは下記)

 

事例提出者

Aさん(精神科病院・看護師)

 

クライアント

Mさん・64歳・女性・統合失調症

 

事例の提出理由

 30代の終わりから20年間精神科病院に入院していた経歴をもつクライアント。この5年ほどは入退院を3回ほど繰り返している。本人は「自宅に帰りたい」と言って退院するが、1カ月ほどすると自宅生活でのストレスが高まり再入院となる。現在は入院中だが、「退院して自宅に戻りたい」という希望は常にある。このような状況にあるクライアントに対して、どのように退院支援を進めていけばよいのか助言をいただければと思い、事例を提出することにした。

 

生活歴

 3人きょうだいの長子として出生。高校卒業まで実家で生活する。高校卒業後、大阪、東京で約4年間ウエイトレスの仕事に就く。22歳のとき帰郷。25歳で結婚、一児(女の子)をもうけるが、34歳のときに離婚。以後は独身。

 

家族

 実家には母親(85歳)と長男(61歳)、次男(58歳)が同居している(父親は10年ほど前に死亡)。長男はアルコール依存症、次男は統合失調症でそれぞれ通院中。

 

ここから先は、誌面の PDFファイル にてご覧ください。


プロフィール

野中 猛(のなか たけし)

1951年生まれ。弘前大学医学部卒業。藤代健生病院、代々木病院、みさと協立病院、埼玉県立精神保健総合センターを経て、日本福祉大学社会福祉学部教授。専攻は臨床精神医学、精神障害リハビリテーション、地域精神保健、精神分析学など。主な著書に『心の病 回復への道』(岩波新書)、『図説ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『多職種連携の技術(アート)』(以上、中央法規出版)、『ソーシャルワーカーのための医学』(有斐閣)などがある。 2013年7月逝去。