誌上ケース検討会 第109回 神経難病により機能低下が進行している利用者への支援 (2009年7月号掲載)

2026/07/21

このコーナーは、月刊誌「ケアマネジャー」(中央法規出版)の創刊号(1999年7月発刊)から第132号(2011年3月号)まで連載された「誌上ケース検討会」の記事を再録するものです。
同記事は、3人のスーパーバイザー(奥川幸子氏、野中猛氏、高橋学氏)が全国各地で行った公開事例検討会の内容を掲載したもので、対人援助職としてのさまざまな学びを得られる連載として好評を博しました。
記事の掲載から年月は経っていますが、今日の視点で読んでも現場実践者の参考になるところは多いと考え、公開することと致しました。


スーパーバイザー

野中 猛
(プロフィールは下記)

 

事例提出者

Eさん(居宅介護支援事業所・看護師)

 

クライアントの状況

Aさん・男性・72歳

 

事例の概要

 3人きょうだいの次男として生まれる。26歳で結婚し、2男1女をもうける。土木技師として全国各地を転勤で回る。定年間近にB市在住となる。在職中に糖尿病となりインスリン療法を行うようになる。退職後、歩行困難となりC病院神経内科にて脊髄小脳変性症の診断を受ける。67歳のときに介護保険を申請し、要介護2の判定を受ける。現在、外出用に電動車いす貸与、リハビリのため地下鉄に乗って通院する(2回/週利用)。送迎エリア外のため妻が同行している。最近歩行困難が進行し、歩行器にて室内移動となる。また、構音障害、嚥下障害、視野狭窄がみられ、他者との交流に支障をきたしてきている。

 

主訴

・本人の意向:病状が少しずつ進行していることは自覚している。自分で歩いたり、できることは自分で行えるように現在の状態を維持したい。大好きなメダカの世話を自分で続けていきたい。
・妻の意向:自宅での生活は何とかできているが、外出できる機会をつくり、リハビリを続けてほしい。

 

家族状況

 妻(70歳)と二人暮らし。長男(44歳)は車で30分ほどの隣市に居住(妻と2人の子どもがいる)。次男(38歳)は市内の同じ地区に住む(妻と二人暮らし)。長女(36歳)は遠方の他県に嫁いでいる(夫と2人の子どもがいる)。

 

身体状況・医療保険情報等

・要介護度 2
・障害高齢者の日常生活自立度 B1
・認知症高齢者の日常生活自立度 自立
・身体障害者手帳 2級(立ち上がり困難な体幹機能障害)
・特定疾患医療給付事業受給(脊髄小脳変性症)


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プロフィール

野中 猛(のなか たけし)

1951年生まれ。弘前大学医学部卒業。藤代健生病院、代々木病院、みさと協立病院、埼玉県立精神保健総合センターを経て、日本福祉大学社会福祉学部教授。専攻は臨床精神医学、精神障害リハビリテーション、地域精神保健、精神分析学など。主な著書に『心の病 回復への道』(岩波新書)、『図説ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『多職種連携の技術(アート)』(以上、中央法規出版)、『ソーシャルワーカーのための医学』(有斐閣)などがある。 2013年7月逝去。