誌上ケース検討会 第108回 サービス提供が中止になってしまったひとり暮らし高齢者への支援を振り返る (2009年6月号掲載)

2026/07/07

このコーナーは、月刊誌「ケアマネジャー」(中央法規出版)の創刊号(1999年7月発刊)から第132号(2011年3月号)まで連載された「誌上ケース検討会」の記事を再録するものです。
同記事は、3人のスーパーバイザー(奥川幸子氏、野中猛氏、高橋学氏)が全国各地で行った公開事例検討会の内容を掲載したもので、対人援助職としてのさまざまな学びを得られる連載として好評を博しました。
記事の掲載から年月は経っていますが、今日の視点で読んでも現場実践者の参考になるところは多いと考え、公開することと致しました。


スーパーバイザー

奥川 幸子
(プロフィールは下記)

 

事例提出者

Kさん(有償在宅サービス・コーディネーター)

 

クライアントの状況

Jさん・女性・79歳 要支援2

 

提出理由

 長年、公的なヘルパー業務や介護保険施行後はケアマネジャー業務にもかかわってきましたが、現在は有償サービスのコーディネート業務に携わっています。在宅福祉サービスにおける有償サービスの位置づけについてアドバイスいただければと思い、提出しました。

 

検討してほしいこと

①うつ病等、軽い精神疾患がある方への支援において気をつける点。
②在宅有償サービスの理想的なあり方とは?

 

事例内容

現病歴

・C型肝炎から肝がん発症→3月に1カ月間、検査入院
・老人性うつ病(市内のクリニックに通院していたが、最近は中断している)

 

家族構成

 15年前に夫死亡後はひとり暮らし。子どもはいない。近くに姪がいて世話を焼いてくれる。

 

ADL等

食事:用意されれば自分で摂取可能。夕食は市の配食サービスを利用
歩行:室内は何とか一人で歩けるが、外出時のみシルバーカーを利用(多少ふらつきあり)
排泄:自立。尿漏れ等もなし。
入浴:見守りを要する。
記憶・言語:軽い物忘れ等はあるが、言語表現や理解力に問題なし。
本人の性格:他者に依存的なところがある。大変几帳面で綺麗好きである。他人への気疲れで頭痛を覚えることがあり、「できるだけ人の気持ちを慮ることのできる人を派遣してほしい」と初回面接時に希望があった。

 

紹介経路

 肝がんのために入院をしたため、退院後の生活に不安があった。介護保険でも訪問介護サービスを受けていたが、要介護度(要支援2)による限度額の関係から、ケアマネジャーより本会の在宅有償サービスに「家事支援及び見守り活動」の依頼があった。

 

ここから先は、誌面の PDFファイル にてご覧ください。


プロフィール

奥川 幸子(おくがわ さちこ)

対人援助職トレーナー。1972年東京学芸大学聾教育科卒業。東京都養育院附属病院(現・東京都健康長寿医療センター)で24年間、医療ソーシャルワーカーとして勤務。また、金沢大学医療技術短期大学部、立教大学、日本社会事業大学専門職大学院などで教鞭もとる。1997年より、さまざまな対人援助職に対するスーパーヴィジョン(個人とグループ対象)と研修会の講師(講義と演習)を中心に活動した。主な著書(および共編著)に『未知との遭遇~癒しとしての面接』(三輪書店)、『ビデオ・面接への招待』『スーパービジョンへの招待』『身体知と言語』(以上、中央法規出版)などがある。 2018年9月逝去。