誌上ケース検討会 第98回 電話面接で突然号泣されたときの対応のしかたを考える (2008年8月号掲載)

2026/02/17

このコーナーは、月刊誌「ケアマネジャー」(中央法規出版)の創刊号(1999年7月発刊)から第132号(2011年3月号)まで連載された「誌上ケース検討会」の記事を再録するものです。
同記事は、3人のスーパーバイザー(奥川幸子氏、野中猛氏、高橋学氏)が全国各地で行った公開事例検討会の内容を掲載したもので、対人援助職としてのさまざまな学びを得られる連載として好評を博しました。
記事の掲載から年月は経っていますが、今日の視点で読んでも現場実践者の参考になるところは多いと考え、公開することと致しました。


スーパーバイザー

高橋 学
(プロフィールは下記)

 

事例提出者

Bさん(総合病院・MSW)

 

提出理由

 電話での面接はいつも慎重になる。どんな表情でクライアントが言葉を発しているのか想像はできても、はっきりと確認はできない。言葉や声のトーン、電話の奥の物音しか情報がない。
 本ケースは在宅生活環境整備のために介入しており、その最中の妻との電話面接場面にひっかかりを感じている。妻はその電話で一通りの手続き的な話を終えた後、号泣しながら自分の不安な気持ちを語った。私は「妻の気持ちが放置されている」と感じた。できる限り妻の話を受けとめ、サポートしたいと考え、懸命に面接に臨んだ。しかし、不十分だったように思う。私の投げかけが、彼女の語りを阻害したのではないかと感じている。
 電話面接での限界を感じたケース。どのようなサポートができたのか振り返り、学びたい。

 

基礎情報

クライアント
Aさん・67歳・男性

職業:建築家(設計事務所経営)

病名:胃がん・リンパ節術後、胃がん再発。がん性腹膜炎、リンパ節・肝臓転移(末期→予後は1カ月前後)

 

ADL

移動:筋力低下が著しく、屋外は車いすを使用。トランスファーは見守りで可。

排泄:自立。移動のみ一部介助。

入浴:今までは自立。筋力低下後は妻が一部介助。

食事:経口摂取はお楽しみ程度。吐き気あり。調理は妻が担当。栄養はIVHで管理。

更衣:ゆっくり自立。不調時は一部介助。

 

その他

妻と2人暮らし。インテリジェンスの高い方。息子2人(長男は他県、次男はアメリカ在住)。


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プロフィール

高橋 学(たかはし まなぶ)

1959年生まれ。早稲田大学大学院博士後期課程満期退学。東邦大学医学部付属大森病院、北星学園大学を経て昭和女子大学大学院福祉社会研究専攻教授。専門は、医療福祉研究、精神保健福祉学、スーパービジョン研究、臨床倫理など。