誌上ケース検討会 第97回 60代の母と精神障害の娘、知的障害をもつ孫の3人家族への支援を考える (2008年7月号掲載)
2026/02/03
このコーナーは、月刊誌「ケアマネジャー」(中央法規出版)の創刊号(1999年7月発刊)から第132号(2011年3月号)まで連載された「誌上ケース検討会」の記事を再録するものです。
同記事は、3人のスーパーバイザー(奥川幸子氏、野中猛氏、高橋学氏)が全国各地で行った公開事例検討会の内容を掲載したもので、対人援助職としてのさまざまな学びを得られる連載として好評を博しました。
記事の掲載から年月は経っていますが、今日の視点で読んでも現場実践者の参考になるところは多いと考え、公開することと致しました。
スーパーバイザー
奥川 幸子
(プロフィールは下記)
事例提出者
Bさん(地域生活支援センター・ソーシャルワーカー)
事例概要
クライアント
M氏 62歳・女性
▼主訴:同居している精神障害の娘(25歳)は自殺願望があり、幾度となく精神科病院に入退院を繰り返している。最近、町で知り合った男性の子どもを身ごもってしまった。相手の男性は、お腹の子どもの認知には応じていない。家には娘が以前付き合っていた男性との間に生まれた女児(私生児・8歳・軽度発達障害)もおり、今は自分(M氏)が身重の娘と孫の面倒をみている。考えれば考えるほど、「私の人生は、いったいなんだったのだろうか?」と情けなくなり、ついつい悪いこと(いっそのこと死んでしまおうか、といったこと)を考えてしまう。
▼紹介経路:市児童家庭課の相談員が、クライアントに対し当支援センターを紹介した。一方で、児童家庭課から係長と相談員が当支援センターを訪れ、クライアントの支援について連携をとりながら支援していきたい、と相談があった。
▼家族構成
娘(25歳・精神障害・妊娠中・無職)
孫(8歳・軽度発達障害(Bの2)・公立小学校2年・特別支援学級在籍)
(父親は死去している)
▼住宅:市営住宅に3人で暮らしている。
▼経済状況:老齢年金(月7万円)および新聞配達員としてのパート収入(月約3万円)、娘の障害基礎年金(月約6.5万円)の計16.5万円。
・生活歴:娘が精神障害ゆえの不安定期に孫に対して身体的・精神的な虐待があったため、一時期児童相談所が孫を保護したこともある。
ここから先は、誌面の PDFファイル にてご覧ください。
プロフィール
奥川 幸子(おくがわ さちこ)
対人援助職トレーナー。1972年東京学芸大学聾教育科卒業。東京都養育院附属病院(現・東京都健康長寿医療センター)で24年間、医療ソーシャルワーカーとして勤務。また、金沢大学医療技術短期大学部、立教大学、日本社会事業大学専門職大学院などで教鞭もとる。1997年より、さまざまな対人援助職に対するスーパーヴィジョン(個人とグループ対象)と研修会の講師(講義と演習)を中心に活動した。主な著書(および共編著)に『未知との遭遇~癒しとしての面接』(三輪書店)、『ビデオ・面接への招待』『スーパービジョンへの招待』『身体知と言語』(以上、中央法規出版)などがある。 2018年9月逝去。
