今月の月刊ケアマネジャー(1月号) 新年特別企画 識者が語るケアマネジメントのこれから

2025/12/25

『月刊ケアマネジャー』2026年1月号から、特集(識者が語るケアマネジメントのこれから)の内容を一部ご紹介いたします。

 

本特集では、白澤政和氏(国際医療福祉大学大学院教授)と伊原和人氏(厚生労働省事務次官)のお二人が、介護保険制度の変遷とケアマネジメントをめぐるこれからの希望について熱く語り合った対談をはじめ、介護保険制度改正に向けた有識者4人の展望、さらには、本誌連載執筆陣による新年の抱負まで、新年の幕開けを飾るのにふさわしい内容をお届けします。


制度の変遷とケアマネジメントをめぐるこれからの希望

介護保険制度がスタートしてから約四半世紀。ケアマネジメント研究の第一人者と行政サイドのトップが、制度とケアマネジャーをめぐる現在地、そして2040年以降を見据えた期待すべき未来像を語ります。

 

対談者紹介

白澤政和(しらさわ・まさかず)国際医療福祉大学大学院教授
伊原和人(いはら・かずひと)厚生労働省事務次官

 

政策やガイドラインに生きる
現場経験と当事者の声

司会:お二方は、介護保険制度が始まるずっと以前からのお知り合いということですね。
伊原:30年以上前になりますが、『ケースマネージメントの理論と実際─生活を支える援助システム』(白澤政和、中央法規出版、1992)を読ませていただいて、これからの時代は、まさにこれだなと思いました。兵庫県伊丹市に出向し、ゴールドプランに携わっていた頃でした。白澤先生が大阪でされた講演を聴講し、ご挨拶させていただいたかと思います。
白澤:厚生省(当時)からの出向先といえば、都道府県が一般的でしたが、市役所への出向でとても感心しました。
伊原:入省4年目で、20代の半ばでした。市役所への出向は、私は二代目なんです。当時の厚生省では、これからの福祉行政の最前線は市町村だという認識だったようです。
白澤:訪問入浴の車に乗っておられたとか。
伊原:福祉公社を関西で初めて立ち上げて、訪問入浴車の運転手のほか、何でもやりました。とても勉強になりました。
白澤:そういう現場経験や当事者との対話がとても大切で、やがて介護保険が始まり、障害福祉も変わっていきました。
伊原:障害者自立支援法の制度設計にもかかわりました。
白澤:公布は2005年でしたね。身体、知的、精神の3障害を一元化するというので、大変だったことと思います。私も、「障害者ケアガイドライン」という障害者ケアマネジメントのバイブルをつくる委員会の委員長をやらせてもらったので、大変さがよくわかります。たとえば、誰がケアマネジメントを担うのかで委員会は混乱しました。「当事者がセルフケアマネジメントを行うから専門職はいらない」とする団体もありました。3障害で意見がばらばらでした。その混乱を収束させてくれたのが、ある当事者の発言でした。
「障害者ってみんな生活のしづらさをもっている。そのサポートに専門職を置いてくれるっていうのに、なぜ反対するんでしょうか」
 その一言で、委員会がシーンとなり、相談支援専門員が行うケアマネジメントを着地させることができました。政策やガイドラインをつくる際には、当事者や現場経験者の声は、とても大事だなと痛感しました。


2040問題の核心

司会:介護保険がスタートして25年が経ちました。これからの社会保障制度を考えるときのキーワードの一つとして、2040年問題があるのではないかと思います。
伊原:私たちが「2040年」の議論を始めたのは2018年頃です。背景は二つあります。

 

2025年問題の次のターゲットとして

伊原:まず、2025年が社会保障・税一体改革のターゲットイヤーでした。団塊世代が75歳を超える節目までに、高齢社会の基盤整備をしなければならない、そのための財源を確保する。消費税が10%になることが決まり(施行は2019年)、次の局面を考える時期に入りました。

 

財源確保より深刻な担い手不足

伊原:もう一つは、人口減少。担い手の不足が財政問題以上に深刻だという認識です。2040年問題の議論を始める7年前に東日本大震災が起こりました。私のなじみの三陸沿岸に行くと高齢者ばかりで、再建の担い手たる現役世代がいない現実を目の当たりにしました。それ以降、担い手の問題は、私にとって切実な課題となりました。
 2040年問題の核心は、まさに担い手不足です。都市部でも2040年には同じ構図になる。財源があっても、人がいなければ現場は回らない。そこに危機感をもち続けています。

 

高齢者の増加率は鈍化、年金財政は破綻しない

伊原:「2040年は今よりも高齢化が進むから大変だ」と危惧する人がいますが、高齢化に限ると、一概にはそうは言えない側面があります。
 平成の間は、65歳以上人口が毎年3~4%増えていましたが、その伸びは鈍化しています。2025年時点で増加率は0.2%、今後も年1%未満です。
 年金給付費の上昇を心配する声もよく聞きます。しかし、65歳以上人口の伸びは落ち着き、マクロ経済スライド(物価等の上昇率から、少子化・長寿化要因分を差し引いて、年金の給付水準を毎年なだらかに抑える)で給付が調整される仕組みもあり、少なくとも年金財政の破綻が起こるわけではありません。


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特集

Chapter1
制度の変遷とケアマネジメントをめぐるこれからの希望

Chapter2
識者が読み解く2026年

Chapter3
連載執筆陣に聞いてみました! 新年の抱負

番外編
教えて先生! Q&Aコーナー


『月刊ケアマネジャー』2026年1月号

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