今月の月刊ケアマネジャー(11月号) ケアマネ基本スキルアップシリーズ(5) 利用者と一緒に歩み続ける モニタリング

2025/10/22

『月刊ケアマネジャー』2025年11月号から、特集(利用者と一緒に歩み続けるモニタリング)の内容を一部ご紹介いたします。

 

モニタリングは利用者との伴走です。利用者の主体性を尊重するために、ケアマネジャーの基本ポジションは半歩後ろです。


モニタリングとは

 モニタリングとは、ケアプランが利用者の生活にどのように反映されているかを継続的に確認し、必要に応じて修正・改善していくプロセスです。
 利用者の健康、生活、気持ち、環境の変化を見逃さず、ケアプランとそのサービス内容を現実の暮らしに合わせて柔軟に見直します。
 ケアチームをつなぎながら、利用者や家族と信頼関係を深め、支援に必要な情報が、必要な人に迅速かつ円滑に届くしくみをつくり上げていく営みです。

 

ケアマネジメントの中心

 ケアマネジメントプロセスでは、モニタリングは、アセスメントとケアプラン作成の後工程に位置づけられています。ただし、初回アセスメントと初回ケアプランは一度だけ。モニタリングは、再アセスメントと重なり、担当の終了まで続く、ケアマネジメント循環の中心になります(図1)。
 実際にモニタリングにかける時間は、ケアマネジメントプロセスの多くの部分を占め、「業務時間の8割はモニタリングです」と言い切るケアマネジャーもいるほどです。

 

 

心臓部としてのモニタリング

 モニタリングは、利用者の生活を守り、ケアプランを生きた計画にし、信頼関係を築き、チーム支援の質を高める、いわばケアマネジメントプロセスの心臓部といえます(図2)。

 

 

モニタリングの重要性

①利用者の生活を守るために

 利用者の体調や生活は常に変化します。
 モニタリングを通して小さな変化を早期にとらえ、必要な支援につなげることで重度化や事故を防ぎながら自立支援を行うことができます。

 

②ケアプランを「生きた計画」にするために

 ケアプランは、利用者の生活に照らして調整・更新されることで命が吹き込まれます。
 モニタリングによって、ケアプランを利用者の生き方や暮らし方にフィットしたものへ磨き上げることができます。

 

③信頼関係を築くために

 利用者は、ケアマネジャーが何をする人か、必ずしもはっきりとわかっているわけではありません。自分の味方なのかさえ、半信半疑です。
 定期的に顔を合わせ、ケアマネジャーが利用者の話を聴き、表情の動きや沈黙から思いを受け止めることは、利用者にとって大きな安心につながります。

 

④ケアチームの質を高めるために

 ケアマネジャーが利用者に寄せる関心や思いをケアチームに伝え続けることで、利用者の声や生活の変化がケアマネジャーのもとに届くようになります。それをチームに共有することで、各職種が同じ方向を向くことができ、多職種協働の質を高めることができます。


執筆

佐賀由彦

編集協力

大島一樹(医療法人渓仁会札幌西円山病院在宅ケアセンター所長)
船橋明子(ダイバーシティ浦安)


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