誌上ケース検討会 第84回 知的障害をもつ20代の男性と統合失調症の母、70代の父の生活支援を考える (2007年5月号掲載)

2025/08/05

このコーナーは、月刊誌「ケアマネジャー」(中央法規出版)の創刊号(1999年7月発刊)から第132号(2011年3月号)まで連載された「誌上ケース検討会」の記事を再録するものです。
同記事は、3人のスーパーバイザー(奥川幸子氏、野中猛氏、高橋学氏)が全国各地で行った公開事例検討会の内容を掲載したもので、対人援助職としてのさまざまな学びを得られる連載として好評を博しました。
記事の掲載から年月は経っていますが、今日の視点で読んでも現場実践者の参考になるところは多いと考え、公開することと致しました。


スーパーバイザー

野中 猛
(プロフィールは下記)

 

事例提出者

Gさん(J病院・PSW)
(地域で定期的に事例検討会を続けているグループのメンバー)

 

クライアント

Aさん(21歳・男性)

 

傷病名等

 精神発達遅滞、てんかん。療育手帳2級取得。

 

家族状況

 母親(45歳)、父親(70歳)と同居。きょうだいはいない。
 母親は統合失調症のため本人と同じ病院に通院中。障害年金を受給している。整容面はかなり汚く、病院の外来に来ると、待合室が臭いで充満する状態である。
 父親は現在無職。数年前まで露天商をしており、仕事の関係で家を空けることが多かった。

 

経済状況

 本人と母親の障害年金のほか、生活保護を受給している。

 

かかわっている機関・サービス

 J病院(PSW、訪問看護)、通所授産施設、地域活動支援センター、ホームヘルプサービス、障害者情報センター

 

ここから先は、誌面の PDFファイル にてご覧ください。


プロフィール

野中 猛(のなか たけし)

1951年生まれ。弘前大学医学部卒業。藤代健生病院、代々木病院、みさと協立病院、埼玉県立精神保健総合センターを経て、日本福祉大学社会福祉学部教授。専攻は臨床精神医学、精神障害リハビリテーション、地域精神保健、精神分析学など。主な著書に『心の病 回復への道』(岩波新書)、『図説ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『多職種連携の技術(アート)』(以上、中央法規出版)、『ソーシャルワーカーのための医学』(有斐閣)などがある。 2013年7月逝去。