誌上ケース検討会 第80回 「年上の部下」の気づきをうながすスーパービジョンの方法とは (2007年1月号掲載)

2025/06/10

このコーナーは、月刊誌「ケアマネジャー」(中央法規出版)の創刊号(1999年7月発刊)から第132号(2011年3月号)まで連載された「誌上ケース検討会」の記事を再録するものです。
同記事は、3人のスーパーバイザー(奥川幸子氏、野中猛氏、高橋学氏)が全国各地で行った公開事例検討会の内容を掲載したもので、対人援助職としてのさまざまな学びを得られる連載として好評を博しました。
記事の掲載から年月は経っていますが、今日の視点で読んでも現場実践者の参考になるところは多いと考え、公開することと致しました。


スーパーバイザー

高橋 学
(プロフィールは下記)

 

事例提出者

Wさん(居宅介護支援事業所・社会福祉士)

 

事例提出理由

 自分がよいと思った支援内容を利用者に「指導」してしまう傾向が強いケアマネジャーに対して、どのようにアドバイスしたらいいのか悩んでいます。ストレートに指摘しても角が立つため、上手く気づきをうながせるようにしたいと思い、自分なりにはさりげなく伝えているつもりなのですが、何度も同じ傾向が見られ、あまりうまく伝わっていないような気がします。直近の「気になる面接場面」をもとに助言をいただければと思い、提出します。

 

クライアント(ケアマネジャー・Gさん)の情報

48歳・女性
 2月より当事業所勤務(ケアマネ歴4カ月)。
 基本資格:保健師

 

背景

 ケアマネジャーの担当交替のため、Gさんは前任のケアマネジャー(Mさん)と同行して利用者(Bさん)宅を訪問、顔合わせを行った。しかし、翌日、前任者宛てにBさんから電話があり、「あの人が来るのは嫌だ」との訴えがあった。どうやらGさんが「家にずっとこもってるのはよくないから、庭の手入れでもしてみたら」と言ったことが気に入らなかったようである。


ここから先は、誌面の PDFファイル にてご覧ください。


プロフィール

高橋 学(たかはし まなぶ)

1959年生まれ。早稲田大学大学院博士後期課程満期退学。東邦大学医学部付属大森病院、北星学園大学を経て昭和女子大学大学院福祉社会研究専攻教授。専門は、医療福祉研究、精神保健福祉学、スーパービジョン研究、臨床倫理など。