◎社会福祉士 わたしの合格体験記(第3回)

2025.08.25

社会福祉士国家試験の受験体験談をご紹介!

◎ペンネーム:かつまる


W受験を目指したきっかけ

 辻村深月『かがみの孤城』を読んだことがきっかけで精神保健福祉士のことを知りました。小説の中で精神保健福祉士らしき人物がいて、登場場面は少ないのですが、その存在に惹きつけられました。また、小学生のときに月1回、障害のある子と交流する機会があり、その経験も福祉分野を志す礎になったように思います。
 時は流れ、大学に進学した後も、積極的に福祉の授業を受けることができました。特徴的な授業としては、看護や理学療法の専門職と支援計画を作成することがあり、多職種連携の難しさを実感しました。私の福祉や支援の立場としては「本人の生活の豊かさ」を重視しますが、看護や理学療法の立場では「cure(治療)」に重きをおくからです。
 現在は精神科病院の医療連携室に勤務し、県や保健所からの連絡や要請に対応する日々を送っています。

 

国試対策のスケジュールと使用した教材

 受験対策は大学3年生の10月頃からスタートしました。入学時から社会福祉士・精神保健福祉士W受験を目指していたこともあり、共通科目の「過去問解説」から学習を始めました。最初はパラパラと流し読みするような感じで、苦手科目がある共通科目の問題に目を通すようにしました。その後、『見て覚える!国試ナビ』を購入し、緑マーカーを引いた部分を赤シートで消すことで、穴埋め形式の学習を行いました。
 使用した教材は、主に「過去問解説」「国試ナビ」「模試」でした。当初の苦手科目は「医学概論」でした。ただ、「過去問解説」を繰り返しているうちに、徐々にコツを掴み、苦手意識は払拭されていきました。苦手意識が先行していたようで、繰り返し学習することで、傾向が見えてくるようになりました。
 上記以外の参考書も手に取ってみましたが、基本は「過去問解説」と「国試ナビ」を繰り返しました。

 

 自分のウィークポイントとして、点数が取れるようになると調子に乗ってしまうことがあることです。ある科目で「そこそこ点数が取れる」と感じると途端に勉強をしなくなる時がありました。そんな時は、敢えて難しい内容の「ワークブック」や「模擬試験」の問題を学習して、難問を解くことで(当然、難しくて解けなかったり、点数が低い)、自分の心を折るようにしていました。そして、再び、学習に取り組みました。
 勉強する環境づくりが大事なので、大学の図書館や地元の図書館をよく利用しました。また、アプリを活用することで、移動中に試験対策に取り組んだり、間違えた問題をグルーピングして再チャレンジしたり、効率的に勉強に取り組むようにしました。

 

試験対策において苦労した点とそのクリア法

 「刑事司法」科目が一番苦手で、試験対策の中では「いったん置いておく」という選択を取りました。科目群の中で0点とならないことが合格基準であるため、苦手科目があったとしても同じ科目群の他の科目の「過去問解説」等を繰り返し、合格基準のクリアを目指して勉強を進めました。
 共通、社会専門、精神専門の過去5年分を解き、過去問分析を通して、自分で次回試験問題の当たりをつけながら学習を進めました。その科目のどこが次の試験で出題されそうかの当たりをつけながら学習することで、とっつきやすくなったと思います(出題傾向を押さえながらの勉強)

 

試験対策において苦労した点とそのクリア法

 スマホを触り出すと止まらなくなるため、図書館や実習室を利用して勉強をしました(スマホを触らないように遠ざけて)。休日は図書館におもむき、まわりの雰囲気の力も借りながら1日6時間ほど勉強したと思います。
 大学が開催する勉強会も、最初は面倒に感じることもありましたが、後半は「友達に会う」ことを目的に参加しました。友達と会話をすることで気分転換が図れますし、それぞれの学習方法や使用しているアプリなど、試験対策の情報交換をすることができました。

 

直前の対策について

 「過去問」は繰り返していると覚えてしまいます。一方、「国試ナビ」の内容を全部覚えることは難しいです。出題傾向を分析しながら当たりをつけることで、勉強の幅を広げていくことができました。
 直前期においても特別なことはしておらず、相変わらず「刑事司法」は苦手な科目のままでした(科目群の中で補うようにしました)。直前期に友達同士で集まると、試験前で緊張する人、「もうダメだ」と開き直る人とさまざまでした。
 ちなみに、苦手科目の「刑事司法」は本番の試験でもあまり得点できませんでした…。ただ、他科目で点数を補うことができたと思っています。


わたしの受験アドバイス

自分の気持ちの「浮き」「沈み」を意識して

・気持ちが浮いているときに、どう動くかが大切です。調子づいているときは、敢えて苦手科目にチャレンジして、油断しないようにしましょう。
・逆に、気持ちが沈んでいるときは、動かないというのも手です。「普段がんばって勉強しているから、今日は休もう」と割り切って、1日休んでショッピングやカラオケに行ったりして気分転換を図りましょう!

勉強の仕方や環境に変化をつける

・自分の模試の結果だけだと落ち込んでしまうことがあるので、友達の模試の結果も振り返って意見交換をするのもいいと思います(おしゃべりは多くなりますが、リフレッシュできます!)。
・人の少ない時間帯の図書館を利用する、祖父の家で勉強するなど学習環境に変化をつけることでマンネリを防止することができます。