ほじょ犬って、なあに? 第343回 【ほじょ犬ってかわいそう???】
2025/07/23

身体障害者の生活を支える、「盲導犬」「介助犬」「聴導犬」。そんな補助犬たちにまつわる話を紹介するコーナーです。
プロフィール

橋爪 智子 (はしづめ ともこ)
NPO法人日本補助犬情報センター専務理事 兼 事務局長。
OL時代にAAT(Animal Assisted Therapy:動物介在療法)に関心を持ち、ボランティアをしながら国内外で勉強を始める。1998年、米国DELTA協会(現・米国Pet Partners協会)の「Pet Partners® program」修了。2002年より現職。身体障害者補助犬法には、法律の準備段階からかかわっている。
先日、都内の中学校に出前授業に行ってきました。元気いっぱいの中学1年生。初めて聞くであろう盲導犬ユーザーさんのお話に、興味津々!!! 途中、ユーザーさんに「Be My Eyes(ビー・マイ・アイズ)」のスマホ操作を、音声リーダーを利用して、デモンストレーションしていただきました!
このアプリは、視覚障害者・ロービジョンの人(視覚に障害があるため生活に何らかの支障をきたしている人)のために作られたアプリで、視覚障がい者が、手助けが必要なときにアプリを通じてコールをすると、ボランティアとスマホのビデオ通話でつながります。そして、その他の機能として、目の前をスマホで撮影すると、そこに映った風景やそこにいる人やモノについて、音声で説明をしてくれます。
「体育館のような広いスペースに、中学生くらいの男子学生がたくさん座っています。上は白いブラウスで、下はグレーのパンツをはいています。机の上には筆記用具と水筒が置かれており・・・」と、見事に説明してくれる音声を聞いて、大興奮しておりました!!!
授業が終わった感想として、「みんな人はそれぞれ違って、それぞれの人が必要な工夫をすることで、決して障害者は可哀想な何もできない人ではなく、当たり前に暮らせるんだなと思いました」と、我々が最も伝えたかったメッセージが伝わっていて、とっても嬉しかったです♪
写真「次は何をしたら、ほめてくれる?」
ユーザーさんとほじょ犬の間には、素敵な時間が流れています♪
さて突然ですが、皆さん、「障害者が飼う犬はかわいそう」って思っていませんか? ハッキリそう思ってはいなくても、少なからずそのことを感じることがありませんか?
なぜそう思ってしまう人が、特に日本には多いのか? それは、、、『知らない』からです。
障害のある方々がどんな人たちで、どんな生活をしていて、何ができて、何ができないのか?
それを知る機会がないから、【知らない】→【たぶんできないだろう】→【不安】→【補助犬はかわいそう】という構図が出来上がっているのだと感じています。
そしてそれは、補助犬だけでなく、障害のある方々の社会参加や就労など、多くの場面においてこの構図が見られるために、理解が進まないことが多々あるのかなとも感じます。
我々の出前授業や啓発イベント等では、決して「障害者=守るべき立場のかわいそうな人」ではないことをお伝えし、犬の世話に関しても同様に伝えています。
・【視覚障害者】は、視覚に頼れない分、研ぎ澄まされた触覚と嗅覚と聴覚を駆使して、犬の健康状態やその日の様子をしっかり把握しておられます。
・【肢体不自由者】は、その方の動きや症状に応じて、使いやすく工夫された犬具やブラシ等のお手入れ道具などを使い(リハビリテーション専門職の協力が不可欠です)、できる限りご自身でお世話をされます。ただ、物理的にどうしてもできない部分や、障害を悪化させる可能性があるような作業に関しては、家族やボランティアさんにお手伝いをしてもらいます。
・【聴覚障害者】は、聴覚に頼れない分、アイコンタクトでしっかりと意志疎通を図り、常に犬の様子を把握しておられます。
それぞれが、できない部分を様々な工夫や方法で補うことで、なんら問題なく犬のお世話とコミュニケーションを取っておられます。いや、もしかしたら、それらは健常者以上のモノかもしれません。
現状、かわいそうな飼い方をされているペットはたくさんいますが、補助犬は、ペット以上に身体の一部でもあり、24時間一緒にいるという特別な存在ですから、愛情いっぱいに接しておられます♪ 事実、犬に愛情を持てるか、大事に世話ができるかについては、最初の補助犬希望相談の際にしっかりと訓練事業者が調査・評価し、認定後もフォローしています。
障害者は、社会参加や就労など、様々なことにチャレンジできる方々です! スポーツもその1つ。障害があっても、練習を積み重ねれば、世界のトップアスリートにまでなれるのです!
実は、パリオリンピックには、数人の聴覚障害者が選手として出場していたんですよ。そしてそして、今年の11月には、日本で初めて! 聴覚障害者のためのデフリンピックも開催されます。
<東京2025デフリンピック 公式Webサイトはこちらから↓>
https://deaflympics2025-games.jp/#gsc.tab=0
将来的には、オリンピックとパラリンピック・デフリンピックの壁がなくなる日が来るかもしれませんし、そうなって欲しいと思っています。だから障害者のことを怖がらずに、まずは知ってほしいと思います。
せっかくの東京開催ですから、盛り上げてまいりましょう!!!
当会では、補助犬や障害に関わる様々なお問い合わせを受け付けております。ご相談はこちらまで↓ 補助犬ユーザーの受け入れや、障害のある方々の接遇に関して
補助犬相談窓口
< 日本補助犬情報センター e-mail:
info@jsdrc.jp
>
【障害者支援】全国の補助犬ユーザーと補助犬たちが安心して活躍できる社会を目指して!
(こちらの、Syncableの特設サイトからクレジットカードでの寄付が行えます♪)
https://syncable.biz/associate/ganba0hojoken/vision
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是非、皆さんの様々なお声を、お寄せください。当会では、一緒に社会を更に更にステキに変えて行って下さるサポーターの皆さんを募集しております。お気軽にご連絡ください♪
ご寄付のお願い「日本補助犬情報センター」より
当会のビジョンは、全国民が正しく補助犬法を理解することで、すべての人が安心して活躍できる社会を実現することです。補助犬ユーザーの社会参加推進活動、普及活動、最新情報収集、資料等作成配布、講演会・イベント等、当会の活動はすべて無償で行われております。
皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。