1冊でまるわかり! 2027年介護保険改正の動き

2026/09/16

 介護保険制度は社会情勢などの変化に合わせて改正を重ねてきました。2026年度の「臨時報酬改定」への対応が進む一方で、2027年度に控える改正に向けた議論が行われています。
 

 本記事では、『パッと見で超わかる! 2027年介護保険改正』の書籍から改正ポイントを絞ってわかりやすく解説します。
 

【編集】
 中央法規「月刊ケアマネジャー」編集部


1 2040年問題が大きなポイント!?

 介護保険制度の議論において、避けて通れないテーマが「2040年問題」です。2040年は、いわゆる「団塊ジュニア世代」が65歳以上となり、高齢者人口がピークを迎える時期です。一方で現役世代(生産年齢人口)は急激に減少し、介護現場では深刻な「支え手不足」が到来すると予測されています。
 

 「2040年はまだ先の話」と感じるかもしれませんが、2025年の「地域包括ケアシステム構築」に向けた準備は、13年前の2012年改定からスタートしていました。同様に、2040年という超高齢社会の難所を乗り越えるための本格改革の起点こそが、13年前にあたる2027年度の制度改正なのです。
 

 2027年の制度改正は、地域ぐるみで生産性を高め、介護保険の骨組みそのものを再構築する歴史的な分岐点となるかもしれません。


2 2027年改正の注目ポイント!

 2027年の制度改正に向けて、特に介護現場への影響が大きい項目を取り上げます。
 

①生産性向上の推進が「国の義務」に
 

 介護現場のテクノロジー活用や業務改革について、国がその取り組みを推進することが介護保険法上の義務として明確に位置づけられました。
 

②ケアマネジャーの更新制廃止と新たな研修のしくみ
 

 ケアマネジャーの人材不足の緩和と負担軽減のため、5年ごとの資格更新制および更新研修を廃止することになりました。更新研修が廃止されても、現任者向けの研修がなくなるわけではありません。
 

 今後は資格の更新期限がなくなり、一定期間内(5年以内など)にオンラインのオンデマンド研修などを分割受講する「新たな研修のしくみ」が想定されています。
 

③科学的介護(LIFE)の見直しと介護情報基盤
 

 LIFE関連加算については、薬剤名入力の負担軽減やフィードバック情報の活用指針が示される予定です。
 

 また、2028年4月に全国稼働する「介護情報基盤」(被保険者証情報、要介護認定情報、ケアプラン情報など)にはLIFE情報も蓄積されます。それにより、利用者がマイナポータルを通じて自身の状態を確認することができ、自立や重度化防止に向けたセルフケアに活かすことも期待されています。
 

④中山間・人口減少地域における「特定地域サービス」の創設
 

 厚生労働省令で定める中山間・人口減少地域において、特例介護サービスが施設系や居住系、地域密着型系サービスにも適用されることになりました。
 

 この特例介護サービスの新類型は、地域が特定されるため「特定地域サービス」といいます。報酬については、訪問介護で月額定額(包括報酬)を選択できるしくみなどが検討されています。
 

このほか、ハラスメント対策・両立支援の義務化や、利用者負担(2割負担の対象拡大等)の議論継続なども重要な焦点です。


3 サービス別はココに注目!

 2027年の介護報酬・基準改定では、サービスごとの特性に応じた見直しが予想されています。
 

①居宅介護支援
 

 ケアマネジャー資格の更新制廃止に伴う運営基準見直しのほか、AIによるケアプランの作成支援といった「生産性向上」が注目されます。AIの活用を要件とした加算のしくみも誕生するかもしれません。
 

 また、総合事業のみとなった場合の介護予防マネジメントについて、居宅介護支援事業所が直接手がけることが可能となったため、新基本報酬の設定などが注目されます。
 

2026年度の診療報酬改定
2026年度は診療報酬改定が行われ、居宅介護支援との連携にかかる見直しも行われました。こうした診療報酬改定の動向にも注意する必要があります。

 

②通所介護・訪問介護
 

 通所介護では高齢化・重度化に伴う日中の急変リスクに対応するため、医療機関との連携強化や、個別機能訓練・口腔・栄養の「一体的取り組み」に対する加算(個別機能訓練加算Ⅲなど)の導入が予想されます。
 

③夜間対応型訪問介護の廃止
 

 介護保険法等の改正により、2027年4月をもって夜間対応型訪問介護が廃止され、定期巡回・随時対応型訪問介護看護と統合されることになりました。
 

夜間対応型訪問介護から移行する場合
一定の経過措置を設けて、人員配置基準や報酬に関して「特例的な類型」を設けることが予想されます。

 

④複数サービス共通
 

 施設系サービスでは、急変時対応・入院受け入れ体制の確保などの機能を有する協力医療機関を定めることを義務づけており、その経過措置が2027年3月末に終了します。条件を満たせていない施設もあるなか、経過措置の延長や減算規定などを設ける可能性があります。


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