利用者の「いつもと違う」に気づく! 第6回:鼻の観察と対応のコツ

2026/09/08

鼻水が止まらない、急に鼻血が出た……。鼻の「いつもと違う」に気づくポイントと正しい対応を解説します。

著者プロフィール

 

真鍋哲子(まなべ てつこ) 看護と介護の想いを繋ぐ会社 株式会社ONMUSUBI 代表取締役

 

福岡県北九州市出身。看護師として外科、整形外科、内科、精神科などを経験。2002年より高齢者施設の看護師として勤務し、2024年に株式会社ONMUSUBIを立ち上げ現在に至る。生活のなかの看護を追求し、チームケアを大切に現場での実践に取り組む。



介護現場において、鼻のトラブルは「ただの風邪やのぼせだろう」と軽く見落とされがちです。しかし、鼻水や鼻づまりは睡眠不足や認知機能の低下を招くことがあり、鼻血の背景には重大な全身疾患や薬の副作用が隠れていることもあります。
連載第6回は、日々のケアのなかで押さえておきたい「鼻」の観察ポイントと対応をまとめます。

 

1.鼻水・鼻づまりがある

加齢とともに、鼻の粘膜機能が低下すると、鼻炎のような症状が現れることがあります。鼻水・鼻づまりが続くと、頭がスッキリせず記憶力の低下を招きます。また、睡眠が不安定になることで日中に眠くなることもあります。アレルギーや感染症が原因になることもあるため、医療職に報告し、受診することが大切です。

 

【観察のチェックポイント】

・症状が始まった時期
・症状が続いている期間
・鼻水の性状(水っぽい、粘液状など)
・鼻水の色
・鼻水の量(アレルギー、慢性の可能性など)
・鼻づまりの程度
・咳、くしゃみ、喉の痛み、頭痛の有無(特定の病気、アレルギーなど)
・季節、環境の変化

 

【介護職としての対応】

まずはアレルギーや鼻の病気・外傷などの既往歴を確認しましょう。それで原因が明らかになれば、スムーズな対応ができます。鼻水や鼻づまりは、睡眠や食欲にも影響するので、十分な休息と栄養バランスのよい食事を提供しましょう。鼻の不調が続く場合は、認知機能の低下にもつながるので、早めに専門医に診てもらいましょう。発熱やだるさを伴う場合は感染症の可能性があるため、事前に医療機関へ伝えてから受診してください。また、部屋を適温に保ち、加湿器で空気の乾燥を防ぐことで、鼻の粘膜が保護され、症状緩和に有効です。



2.鼻血が出る

鼻血は、鼻腔内の小さな血管が破れることで起こります。高齢者は鼻粘膜が弱く、乾燥するだけでも血管が破れやすく、少しの刺激でも出血することがあります。鼻血といえど、実は、そこから血液や肝臓・腎臓の病気、高血圧などの病気が見つかることもあります。血流を良くする薬を服用していると鼻血が止まりにくくなるので、慌てず対処しましょう。

 

【観察のチェックポイント】

・出血の量
・出血の色(鮮血(明るい赤)、黒っぽいなど)
・出血の頻度(一度きり、頻繁など)
・出血の持続時間
・同時に発生する症状(頭痛、めまい、吐き気、異常な疲労感など)
・健康状態
・薬物の使用歴(血液をサラサラにする抗凝固薬、抗血小板薬など)

 

【介護職としての対応】

鼻血が出たら、まずは利用者に座ってもらい、落ち着かせましょう。指で鼻の両側を軽くつまんで圧迫したり、氷パックや冷たいタオルで鼻の横を冷やしたりすることで、鼻の血管が収縮し、出血が止まりやすくなります。 このとき、血が喉に流れ込んで窒息するのを防ぐため、前かがみになりすぎず、正面を見るように頭を少し上げておく姿勢を保つことが重要です。また、血液をサラサラにする薬(抗凝固薬など)を飲んでいる場合は出血が止まりにくいため、必ず医師に状態を伝えて指示を仰いでください。

 

※鼻血が10分以上止まらない場合や、頻繁に繰り返す場合、ほかの症状を併発している場合は、重大な病気の可能性があるため、速やかに受診してください。


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