最近よく聞く「サ高住」って何? 第9回 いろいろなサ高住をご紹介 ①一般社団法人まごころ福祉会

2026/08/21

よく耳にするけど、実はよく知らない…そんなサ高住について解説します

サ高住は、何を「強み」にしているかで、そのカラーも変わってきます。そのカラーは、施設の思いそのもの。今回は、私、藤原が注目している、いろいろなサ高住をご紹介します。寄せていただいた、それぞれのサ高住のアツい思いをお届けします。


◆基本情報

名称:一般社団法人まごころ福祉会
所在地:福岡県福津市
強み:手厚い夜間体制と多職種連携、ご家族の想いにどこまでも寄り添う温かい看取りの実践

 

福岡県福津市で高齢者向け住宅などを運営する「一般社団法人まごころ福祉会」。
こちらは、高齢者住宅協会の福岡支部支部長である穂満氏が理事長を務められている法人でもあります。今回は、同法人の運営本部長である小林としみ氏より、日々の実践や現場の想いを寄せていただきました。手厚い夜間体制や医療・介護の連携、そこに生まれる確かな信頼関係についてご紹介します。

 
オレンジの外壁で気分も明るくなります

藤原:こちらの住宅ならではの特徴や強み、それを実現するためのこだわりを教えてください。

 

小林:当施設は、看取りケアに力を入れ、入居者一人ひとりに寄り添った支援を行っています。また、「笑顔の絶えない施設」を目指し、多様な文化をもつ外国人職員も活躍しています。さらに、40名の入居者に対して夜勤職員を2名配置し、夜間も安心して過ごせる体制を整えています。その実現のため、看護師を多く配置して医療面を充実させるとともに、季節行事やレクリエーションなど多彩なイベントを実施しています。また、日頃から積極的な声掛けを行い、入居者との信頼関係づくりと心身の状態把握に努めています。

 
敷地や室内に竹炭を埋設・敷設し、健康的かつ快適な環境を提供しています

藤原:入居者様が安心して「自分らしい生活」を続けるために、日々のサポートや医療・介護の連携で力を入れていることは何ですか?

 

小林:当施設では、入居者様が安心してその人らしい生活を続けられるよう、多職種との連携に力を入れています。訪問診療医や薬剤師と密に情報共有を行い、入居者様の健康状態を常に把握できる体制を整えています。また、ご家族ともこまめに連絡を取り、状況を共有しながら安心していただける関係づくりに努めています。さらに、一人ひとりの希望や状態に合わせた個別ケアを心掛け、その方らしい生活の継続を支援するとともに、人生の最終段階においても本人やご家族の思いに寄り添った看取りケアを実践しています。

 

藤原:これまでの関わりのなかで、特に心に残っているエピソードや、そこからの気づきがあれば教えてください。

 

小林:当施設で看取り支援を行った入居者様のケースが特に印象に残っています。コロナ禍で病院では面会が厳しく制限されていたため、「最期の時間を一緒に過ごしたい」とのご家族からの強い要望がありました。当施設としてもその思いに応えたいと考え、受け入れを決定しました(※感染症のない方への通常の入所受け入れであり、検温・消毒・マスク着用など基本的な感染対策を徹底したうえで、個別のプライバシーに配慮しながら最期の時間を支えました)。入居後は、ケアマネジャー、訪問診療医、看護師、介護職員、ご家族が密に情報共有を行い、ご本人とご家族の意向を確認しながら支援を進めました。その結果、ご本人は住み慣れた環境に近い雰囲気のなかでご家族に見守られながら穏やかに最期を迎えることができ、ご家族からは「一緒に過ごす時間を作ってくれて本当に感謝しています」とのお言葉をいただきました。この経験から、医療・介護の連携だけでなく、ご本人やご家族の思いに寄り添い、その希望を実現するために柔軟に対応することの大切さを学びました。また、日頃から信頼関係を築き、多職種で情報を共有することが、安心できる看取り支援につながることを改めて実感しました。

 

藤原:これからの地域づくりに向けて、今後さらに力を入れていきたい取り組みを教えてください。

 

小林:今以上に医療的な対応を充実させ、入居者様がより安心・安全に暮らし続けられる環境を整えるため、訪問看護事業の立ち上げ・拡充に力を入れていきたいと考えています。

 
光が射しこむ明るい廊下

◆まとめのコメント(by 藤原)

高齢期の住まいで「看取りまでしっかり対応してもらえるか」は、ご本人やご家族が最も気にされる大切なポイントです。
まごころ福祉会さんの素晴らしいところは、40名の入居者様に対して夜勤職員を2名配置するという、基準を上回る手厚い夜間体制を整えている点です。さらに看護師を多く配置し、訪問診療医や薬剤師とも密に連携されているからこそ、体調が変化しやすい夜間や人生の最終段階(ターミナル期)であっても、これほど質の高い安心を生み出すことができるのだと感じます。
サ高住は、医療や介護といった「病院や施設のような安心の役割」を果たしながらも、本質は入居者様にとっての「ご自宅(住まい)」です。感染症のない方のご入居やご家族との最期の時間に対して、検温や消毒などの基本対策を徹底しつつ、お一人おひとりの権利やプライバシーを守りながら柔軟に受け入れを行った姿勢には、住まいとしての温かみを感じます。ケアマネジャーや医師、看護師、介護職、そしてご家族が一つのチームとなって思いを形にできたことは、まさに理想的な多職種連携の姿です。
今後は「今以上に医療的対応を充実させたい」という強い想いから、新たに訪問看護事業の立ち上げに注力されるとのこと。医療のバックアップ体制がより一層強固になることで、重度化や看取りへの対応力が上がり、入居者様が最期までその人らしく生ききるための素晴らしい支えになっていくことと思います。


著者紹介

藤原 雅美(ふじわら まさみ)

高齢者住宅協会兵庫支部長。
看護師、社会福祉士、主任介護支援専門員。
居宅や老健でのケアマネ経験を経て、現在は富庄トラストパートナーズ株式会社取締役としてサービス付き高齢者向け住宅「アガスティーア姫路」の運営を担う。介護・看護の養成校にて講師も務め、次世代の育成にも尽力する。
「住み慣れた場所で最期を迎えたい」という利用者の願いに応えるため、看取りまで責任を持って関わり続けることを信念としている。一期一会の縁を大切に、ご縁のあった方を最期まで支え抜くべく日々奮闘中。