今月の月刊ケアマネジャー(2月号) 未然に防ぎ、放置しないための 基礎から学ぶハラスメント対策
2026/01/26
『月刊ケアマネジャー』2026年2月号から、特集(基礎から学ぶハラスメント対策)の内容を一部ご紹介いたします。
「これってハラスメント?」と感じても、一人で抱え込んでいませんか。本特集では、ハラスメントの定義から、現場で役立つ実践的な対応策までを弁護士がわかりやすく解説。被害を未然に防ぎ、職員が安心して働ける環境づくりのヒントをお届けします。
押さえておきたいハラスメントの基礎知識
「〇〇ハラスメント」という言葉が次々と生まれ、何をどう気をつければよいのか、戸惑うことはありませんか? 本章では、主要なハラスメントの法的な定義を整理するとともに、2025年の法改正(2026年施行)で「義務」となるカスタマーハラスメント対策や、働く人を守るための「安全配慮義務」について解説します。
「ハラスメント」って何?
昨今、「〇〇ハラスメント」という言葉をよく耳にします。パワーハラスメントやセクシュアルハラスメント、モラルハラスメントは、以前から皆さんもよく耳にする言葉だと思います。最近は、それらに加えて、マタニティハラスメント、カスタマーハラスメントもよく使われる言葉になってきたのではないでしょうか。このほか、ジェンダーハラスメント、テクノロジーハラスメント、さらには、プレゼントハラスメント、飯ハラスメントなどという言葉もあるようです。
では、事業主はそれらの数限りない「ハラスメント」について、すべて対応しないといけないのでしょうか。それを探るために、まず、法律で「ハラスメント」がどのように定義されているか、基本を押さえましょう。
法律で規定されている「ハラスメント」
現在、法律で規定されているハラスメントは、①パワーハラスメント、②セクシュアルハラスメント、③マタニティハラスメント、そして④カスタマーハラスメントです。2025(令和7)年に「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律」(以下、労働施策総合推進法)が公布され、カスタマーハラスメントについても新たに規定されました。まずはそれぞれの定義をみてみましょ
う(図1)。
これらの定義に共通するのは、それが「就業環境を害するもの」であることです。

ハラスメントはなぜ問題なのか??
ハラスメントは、いかなるものであっても、個人の意に反した言動で、「嫌な思い」を与えるものです。その度が過ぎたり、度重なったりすると、「個人の尊厳を不当に傷つける社会的に許されない」行為となります。職場においてそのような行為が行われると、労働者の就業意欲が減退し、その能力を発揮できなくなるでしょう。それは事業主にとっても重大な戦力の喪失となります。また、事業主の社会的評価をも貶めていくことにつながります。
国は、このような職場における「労働者の就業環境を害する」言動によって生じるさまざまな問題の解決を図るために、「何人とも職場における労働者の就業環境を害する言動を行ってはならない」と宣言しています。そして、2025(令和7)年の労働施策総合推進法の一部改正により、そのような言動を行わない・許さないという国民の規範意識がつくり上げられるよう、積極的に啓発活動をしていくことになりました。
法律で規定されていないハラスメントの扱いは?
では、法律で規定されていないハラスメントの扱いはどうなるのでしょうか。たとえば、セカンドハラスメント、ジェンダーハラスメント、ケアハラスメントなどは、耳にする機会が増えているものの、個別の法律では規定されていません。これらについても、前述の各ハラスメントの定義や、労働施策総合推進法の宣言と照らし合わせると、その程度が「労働者の就業環境を害する」ものと社会通念上みなされる場合には、事業所には対応する義務が生じると考えるべきでしょう。
ハラスメントを放置したらどうなる?
労働施策総合推進法、男女雇用機会均等法、女性活躍推進法など、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメント、マタニティハラスメントなどについて規定した法律では、事業主には、それらの「ハラスメントを防止するために講じなければならない措置」が定められています。
もっとも、これらの法律には、事業主がその義務に反して、ハラスメント防止措置を講じず、その結果、労働者が心身に傷を負ってしまった場合の罰則や損害賠償義務は定められていません。
しかし、事業主は労働者との間で労働契約を締結しています。契約当事者には、相互に契約の相手方の生命・身体・財産に損害が生じないよう、その安全に配慮する信義則上の義務があります。事業主が、ハラスメント防止措置を講じず、その結果、労働者に重大な結果が生じた場合には、事業主は労働者から、この安全配慮義務違反を根拠として損害賠償請求をされるリスクがあるのです。「事業所には、職員を守る義務がある」。この原則を知り、一人で抱え込まないことが、ハラスメント対策の第一歩です。
執筆:
【Prologue,Chapter1】
真下美由起(ましも法律事務所)
【Chapter2】
武田竜太郎(弁護士法人おかげさま 横浜オフィス)
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特集
Prologue
押さえておきたい ハラスメントの基礎知識
Chapter1
ケース別に押さえる ハラスメントとその対応
Chapter2
ハラスメントを生まない・許さない職場づくり
『月刊ケアマネジャー』2026年2月号

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