Q&Aでわかる!介護施設の看護実務 【Q10】

2025/06/06

「看護師」の職場といえば、真っ先に病院が思い浮かぶと思います。しかし、実際の職場は多機にわたり、介護施設もその一つです。本連載では、介護施設に勤務する看護師の業務内容や考え方、介護職などの他職種との連携について、特に重要な項目をピックアップしてQ&Aの形で紹介していきます。

 

【著 者】

前川 静恵(まえかわ・しずえ)
社団法人是真会病院病棟師長、慈恵病院看護部長、長崎市医師会保健福祉センター、老人保健施設ハーモニーガーデン副施設長、有限会社Gracias かいごの花みずき施設長、株式会社パールの風代表取締役、社会福祉法人鳳彰會副理事長などを経て、現在社会福祉法人鳳彰會理事、特別養護老人ホームひこばえ施設長、ケアハウスひこばえの苑施設長。看護師、介護支援専門員。
主な著書に、『訪問介護事業所サービス提供責任者仕事ハンドブック』中央法規出版、2006、改訂版2009、三訂版2013、『デイサービス業務実践ハンドブック』中央法規出版、2014、改訂版2015、など。

 

Q10 協力病院との連携で配慮しておくことは?

[Answer]

 日ごろから協力病院とのコンタクトをとっておくことが大切です。
 また、主治医の判断のもと受診するわけですから、主治医の紹介状は必要です。状態によっては主治医から協力病院に連絡していただくという流れになります。施設看護師が独断で協力病院へ連絡し受診することは基本的にはありません。

 

[解 説]

 協力病院に対して、主治医と看護師は密に連絡が取れるようにし、急な受診時には必ず主治医から病院へ連絡、紹介状を書いてもらうという流れだとスムーズにいきます。
 また、定期的に協力病院に受診している場合は、情報提供表を持参することで、病院側も利用者の状態を把握しやすくなります。もちろん状態によっては、看護師が同行して説明することが必要です。
 利用者が入院する場合、看護師は「看護サマリー」を書いて情報提供します。入院中にも利用者の様子を聞くなど、ふだんから協力病院とは意思疎通を図ることで連携もスムーズにいくと思います。

 

※本連載は、前川静恵先生の著書『Q&Aでわかる!介護施設の看護実務―特養の実地指導・連携・ケア』(中央法規出版、2022年10月発行)をもとに作成しています。施設看護師の業務をさらに深く知りたい方は、本書をぜひご覧ください。