誌上ケース検討会 第77回 主任ケアマネジャーとして相談の電話にどう対応するか (2006年10月号掲載)
2025/04/30

このコーナーは、月刊誌「ケアマネジャー」(中央法規出版)の創刊号(1999年7月発刊)から第132号(2011年3月号)まで連載された「誌上ケース検討会」の記事を再録するものです。
同記事は、3人のスーパーバイザー(奥川幸子氏、野中猛氏、高橋学氏)が全国各地で行った公開事例検討会の内容を掲載したもので、対人援助職としてのさまざまな学びを得られる連載として好評を博しました。
記事の掲載から年月は経っていますが、今日の視点で読んでも現場実践者の参考になるところは多いと考え、公開することと致しました。
スーパーバイザー
高橋 学
(プロフィールは下記)
事例提出者
Hさん(地域包括支援センター・主任ケアマネジャー)
提出理由
居宅介護支援事業所のケアマネジャーから相談の電話が入った事例です。
医療面のサポートが必要な利用者の支援について、「基礎知識がないから」と不安を抱えているケアマネジャーに対して、どのようなアドバイスをしたらよかったのか。
単に「引き受けてほしい」という依頼を断っただけで終わってしまったが、もう少し深く話してみるべきではなかったのか。その後、連絡がないことも気になっています。
相談者(ケアマネジャー)
Aさん(40代女性・介護福祉士)
民間(株式会社)の居宅介護支援事業所に所属
気になる面接場面の逐語録
某月某日、相談の電話がかかってくる。
①Aさん(ケアマネジャー):1年前から在宅酸素を利用している人なんですけど、女性で、酸素を利用しているのに 呼吸が苦しくて、チアノーゼもあるんですね、呼吸法を教えてもらうのに、何かないですか。昭和7年生まれなんですよ。市の保健師さんにお願いしたんですけど、断られちゃって。包括に相談しろって言われたんですね。
②H(主任ケアマネジャー):呼吸法ですか?
③Aさん:そうです。
④H:酸素を利用していて、呼吸が苦しいということですが、主治医の先生に連絡をとってみましたか。
⑤Aさん:先生は忙しくてとてもそんな相談には乗ってくれないんですよ。
ここから先は、誌面の PDFファイル にてご覧ください。
プロフィール
高橋 学(たかはし まなぶ)
1959年生まれ。早稲田大学大学院博士後期課程満期退学。東邦大学医学部付属大森病院、北星学園大学を経て昭和女子大学大学院福祉社会研究専攻教授。専門は、医療福祉研究、精神保健福祉学、スーパービジョン研究、臨床倫理など。