◎社会福祉士 わたしの合格体験記(第5回)

2025.12.01

社会福祉士国家試験の受験体験談をご紹介!

◎ペンネーム:Kihiro


社会福祉士を目指したきっかけ

 私は以前、教育委員会生涯学習課に所属し、市民館の子育て講座を担当していました。その中で子育ての悩みを持つ方とかかわっていましたが、発達障害に関する相談が多くありました。かかわりを通して、子育て支援のみならず、手帳の申請などの福祉制度についてもっとよく知る必要があると思い、「社会福祉士の資格を取ろう」と思い至ったのがきっかけです。
 後に、社会福祉士の資格を活かしてスクールソーシャルワーカー(SSW)に転職しました。その支援の中で、精神疾患をもつ保護者が多く、「これは」と思い、さらに精神保健福祉士にも挑戦しました。
 近年、子の育てにくさを訴える親が多く、その背景も精神疾患、HSP、虐待、貧困などさまざまあり、地域支援や病院の受診など専門的な支援がより必要になっているように感じます。

 

SSWを学ぶときに使用したテキスト


国試対策のスケジュールと使用した教材

 実は、1回目にチャレンジした国家試験では落ちてしまいました。理由としては、テキストをまとめるのに半年ほどかけてしまい、問題演習など対策が万全でなかったこと、また、試験1月前に家族が次々とコロナウイルスに感染して勉強どころではなかったことがあります。しかも、その年はまさかの7割合格点の年で、例年通りであれば合格できたのにと、ほぞを噛む思いでした。
 2年目は、夏前まではテキストをひたすら読みました。秋以降は過去問を解きました。通勤時間を利用して、電車に座れた時はアプリを活用して過去問を解き、座れなかった時は要点をまとめた音声解説を視聴しました。できるだけ平日の夜や休みの日に、時間を決めて過去問を解くようにしました。
 科目ごとに学習を進めていましたが、12月はアットランダムに問題を解きました。1月は国家試験の時間の感覚を身につけるために、過去問や予想問題を通して解きました。

 

受験対策で使った参考書や問題集(一部)


試験対策において苦労した点と、そのクリア法

 苦手科目は「高齢者福祉」関係です。仕事がら子ども分野は理解しやすかったのですが、高齢者福祉については、なかなか実感が伴わず、制度や法令は文字だけだと理解しづらかったです。そこで、図式や表で解説された参考書を利用するようにしていました。
 例えると、いくら木の種類や年輪を見ても森全体を見ないと理解できないような感覚です。この森はいつごろできたのか、この森の必要性や存在意義は何かなど、大まかに全体を見てから、木に目をやるイメージで学習を進めました。また、介護福祉士や訪問介護をしている友人に話を聞きまくり、だんだん理解していったように思います。

 

冬(10~12月)の受験対策

 中央法規の模擬試験を何度か解きました。休日は時間を意識して、全問を解きました。平日の夜も、その日にもよりますが、1問でも2問でもいいので必ず問題を解くようにしました。通勤電車の中でもアプリで要点を視聴する、過去問を解くなど、まったく何もしない日はなかったと思います。

 

直前(1月)の受験対策

 年末年始は、大掃除もおせち料理もかなり手抜きをしました。それでも家族が集まるので、勉強する時間が取れず三が日は諦めました。特に1月の休日には、1日1回、試験時間内に終わらせるように過去問を通して解きました。5年分を何回か取り組みました。
 1か月を切ったところで注意したのは、その年度初めや昨年に新しく制定された法令や制度、変更になった改正点をチェックしました。直前でないと覚えられないこともありますが、最新のトピックスとして出題される可能性があると思います。
 最後に、1年目は試験直前にコロナで体調を崩すということがあったので、家族も含めて2回目の試験の際は体調管理に神経を使いました。マスクや手洗いうがいはもとより、食事にも気をつけました。


受験対策アドバイス

  •  私は年齢がいってからの挑戦でしたので、哀しいかな能力の衰えとの闘いでした。その対策として、記憶の定着のタイミングを考慮して一定期間後に読み返すようにしました。
  •  苦手意識を持つと本当に苦手になります。私の場合は、試験会場に向かう電車の中で見た問題が出題されたこともあり、最後まで諦めずに取り組むことが大切だと思います。