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コーソクくん、福祉サービスを歩く withステッキ

<連載12> 言語聴覚士ってご存じ? その3

STさん(言語聴覚士)ってあまり知られていませんね。理学療法士や作業療法士は日本でも歴史があるし、脳障害や交通事故などで怪我をした身体のリハビリをしてくれる。目立たないけど、そのリハビリのグループには言語聴覚士が加わっているのです。

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 言語聴覚士は1997年に言語聴覚士法が制定されて国家資格となりました。第一回の国家試験は1999年。比較的新しい国家資格なのです。それまでは日本聴能言語士協会、日本言語療法士協会などが認定資格を出していました。
 ボクを担当してくれているSTの石田瑞恵さんの話では「全国的に人員が不足している。STに対する理解はまだ乏しいですね」とのこと。2000年に石田さんが資格を取った頃は「言語聴覚士って何? 平行棒を使うような理学療法なら見てわかるけど、机を挟んで向き合ってどんなリハビリができるんですか?」といった反応も多くて、就職先も少なかったそうです。


 最近は養成校も増えて、状況が変わってきたようですが、それでもSTさんは絶対数が少ない。大きな病院でも数人。いない病院の方が多いのが現状。でも、需要は増えています。医療が進歩し、命は助かるけれど障害が残る人が多くなっている。超高齢化社会にSTさんは必要なんですね。

 コミュニケーションに障害がある方は、日々、ヘルパーさんやデイサービスの職員さん等、介護する方々と触れ合うなかで、おしゃべりをして意思疎通を図らなければなりません。でも周りの人々は、どう話したらいいのかわからないことが多いようです。家族でさえやり方を勘違いしてしまう場合もある。
 例えば失語症で言葉自体を思い浮かべられないのに、五十音表を出して「言いたい言葉を指さして教えて」などと言ったりする。これじゃ、がっかりしてコミュニケーションをとろうという気持もしぼんでしまいますよね。発音が難しい構音障害の人と、失語症の人とは全く違うのに、周りの人に一緒くたにされて間違った対応をされるケースも少なくないそうです。

 石田さんは自分でオリジナル版の「その人ブック」を作っています。皆さん、人生いろいろ。経歴や趣味をも多彩です。「その人ブック」にはコミュニケーションをとる時の注意点はもちろん、過去の功績も記されているので、介護をする人がそれを読んでおくと、話題が広がるし、本人がしゃべりたいという意欲の元がみつかります。

 次回も続きます。

写真
気持を伝えるモノサシです


 次回の更新予定は11月30日(金)です。

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
コーソクくん
(脳梗塞& 高次脳機能障害)
1951年生まれ。大学卒業後、フリーのライターとしてAV機器評論を行う。著書は約30冊。2008年に脳梗塞を発症し、半身マヒに。2009年、急性硬膜下血腫で手術。埼玉県三郷市にて高次脳機能障害と共存しながら新たな暮らし方を模索中。

*コーソクくんの旧連載(『ボクは高次脳機能障害』)をご覧になりたい方はこちら

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