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長谷川和夫先生に聞こう! 認知症のエトセトラ 2007年06月

デイケアをはじめよう! その4~回想法で楽しい時間に

 デイケアのプログラムには、回想法をとり入れてみました。
 認知症の人は、寸前のことを忘れ、最近の出来事も記憶していないことが多いのですが、遠い昔のことは比較的よく覚えています。昔の物語を話しているときには、現実の中の不安感がなくなって自信を取り戻し、生き生きとした表情になるのです。
 しかし、自発的に遠い昔の出来事を回想することは難しいので、回想のきっかけを作り支援していく必要があります。昔の写真を見ていただいたり、果物やお手玉などをテーブルに置いて手で触ったり遊んだりしながら回想に導くのです。「遠足の想い出」というテーマのときには、リュックサックや水筒、おむすびの絵などを並べたところ、全員が楽しそうに想い出を語り始めたことがありました。



デイケアをはじめよう! その3~なじみの関係づくりから

 デイケアでは、まずはメンバー同士が「なじみの関係」になるように努めました。
 しかし、初めからなじみの関係や仲間としてまとまるわけがありません。開始直後は、家族との分離による不安のために落ち着かない人、参加しようとする気もなくただ座っている人、何か会議がはじまったものと思いこんで長々と話し始める人、見知らぬ人に対して緊張する人、隣に誰がいようとかまわない人などさまざまで、なじみの関係とは程遠い状態でした。
 それでも、回数を重ねていくと、スタッフとのやり取りが始まり、場所に慣れてきます。やがて、参加者のある人ともう一人の間に共通の話題が見出されると、その2人の仲間づくりは急速に進みます。たとえば、出身地、仕事、好きな食べ物、趣味などの話で盛り上がります。



デイケアをはじめよう! その2~手探りでの出発

 当時(1983年)は、認知症を対象にした専門デイケアは未知の領域でした。まして、大学病院で行っているところはありませんでした。教科書も手引書もマニュアルもありません。集まっていただいたのはいいけれど、何をしたらいいのか本当に手探りの状況ではじめました。
 デイケアのメンバーは、アルツハイマー病の臨床診断を受けた方であり、軽度の人は少なく、ほとんどが中等度以上の方でした。送迎に関しては、通常のデイサービスで行われるような車での送迎はできませんでした。時間は、毎週1回水曜日の午前9時から午後3時としました。そのため、後に「水曜会」と呼ばれるようになりました。1回のデイケアの参加者は、7~8人の高齢者とその家族とし、4か月間で次のグループと交代することにしました。



デイケアをはじめよう! その1~デイケアをはじめようと思った理由

 これから数回にわたって、私が聖マリアンナ医科大学病院で、国内ではじめて認知症の方を対象にした専門デイケアをつくったときのことについて、話してみたいと思います。
 1983年当時、私は同病院の神経精神科の部長として、外来の診療で認知症の患者さんの治療に従事していました。外来はたいへん混み合っていて、午前8時30分頃から午後1時過ぎまでに、およそ30人の患者さんを休憩なしで診ていました。
 認知症の方の治療では、ご本人の診療はいうまでもありませんが、ご家族の方から生活の中での様子をお聞きすることが非常に大切なことになります。暮らしの中で、どんな困難があるのか、夜間になって落ち着いて休めるのか、食事から入浴、そして排泄まで自立しているか、あるいはどんな支援が必要かなどをお聞きしています。



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プロフィール
長谷川和夫
(はせがわ かずお)
認知症介護研究・研修東京センター名誉センター長、聖マリアンナ医科大学名誉教授。専門は老年精神医学・認知症。1974年に「桜、猫、電車……」の長谷川式認知症スケール(HDS-R)を開発者して以来、常に認知症医療界の第一人者として時代を牽引してきた。最近では、「痴呆」から「認知症」への名称変更の立役者でもある。『認知症の知りたいことガイドブック』(中央法規出版)、『認知症を正しく理解するために』(マイライフ社)、『認知症診療のこれまでとこれから』(永井書店)など著書多数。
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