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長谷川和夫先生に聞こう! 認知症のエトセトラ

デイケアをはじめよう! その3~なじみの関係づくりから

 デイケアでは、まずはメンバー同士が「なじみの関係」になるように努めました。
 しかし、初めからなじみの関係や仲間としてまとまるわけがありません。開始直後は、家族との分離による不安のために落ち着かない人、参加しようとする気もなくただ座っている人、何か会議がはじまったものと思いこんで長々と話し始める人、見知らぬ人に対して緊張する人、隣に誰がいようとかまわない人などさまざまで、なじみの関係とは程遠い状態でした。
 それでも、回数を重ねていくと、スタッフとのやり取りが始まり、場所に慣れてきます。やがて、参加者のある人ともう一人の間に共通の話題が見出されると、その2人の仲間づくりは急速に進みます。たとえば、出身地、仕事、好きな食べ物、趣味などの話で盛り上がります。

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 まもなく一人ひとりが自由に動けるようになって、各自の個性が発揮されるようになります。食事の手伝いをする人、足の悪い人の介助をする人、他の人にいろいろと声かけをする人が現れました。
 また、座る場所も決まってきて、お隣さんはいつも同じ人になります。たまたまいつもの人と離れてしまうと、いすを持って場所を移動する光景も見られるようになりました。
 トイレ休憩では、いつも連れ立って行くメンバーができて、休憩の時間を告げると、それぞれ顔を見合って「行きましょうか」と声をかけあうようになりました。しかし、なかには、男性に多いのですがどうしても仲間をつくれない人もいました。
 仲間ができあがると、スタッフが積極的に関わらなくてもプログラムを進めることができました。メンバー同士が助け合い、一緒に行動するようになります。
 仲間づくりはメンバーだけではありません。その家族も家族同士で仲間になっていきました。家族たちは同じ悩みを持ち、話し相手を求めていたからです。


コメント


長谷川先生のブログがあるとは、びっくりしました。
ブログって、若い人のものだと思っていたからです。
私も「年だから…」なんて考えずに、いろんなことにチャレンジしようと思いました。

これからも、認知症についていろいろ発信してくださることを期待しています。
ブログも楽しみにしています。


投稿者: きりぎりす | 2007年06月24日 11:56

男性は「馴染みの関係」がなかなか出来にくいです。個々の性格にもよりますがスタッフが配慮し、キューピット役に扮しても、些細な事で喧嘩した時は、ガミガミ怒鳴り続けるタイプVS口数は少ないけれども鶴の一声で怒ったら怖いタイプとの冷たい戦争が勃発します。そんな時、間に入るとガミガミ言われる方は焼きもちを焼き独占欲が強いので入り方に苦慮しましたが、お母さん役に回ります。ファミリー志向なので、いつの間にか、御家族・スタッフ・利用者さん達が、アットホームな関係作りが出来てしまいます。時間をかけて、そんな風な温かい輪を作れる様に努めていきたいです。


投稿者: 玉本あゆみ | 2010年01月06日 05:59

※コメントはブログ管理者の承認制です。他の文献や発言などから引用する場合は、引用元を必ず明記してください。

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プロフィール
長谷川和夫
(はせがわ かずお)
認知症介護研究・研修東京センター名誉センター長、聖マリアンナ医科大学名誉教授。専門は老年精神医学・認知症。1974年に「桜、猫、電車……」の長谷川式認知症スケール(HDS-R)を開発者して以来、常に認知症医療界の第一人者として時代を牽引してきた。最近では、「痴呆」から「認知症」への名称変更の立役者でもある。『認知症の知りたいことガイドブック』(中央法規出版)、『認知症を正しく理解するために』(マイライフ社)、『認知症診療のこれまでとこれから』(永井書店)など著書多数。
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