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長谷川和夫先生に聞こう! 認知症のエトセトラ 2007年12月

挨拶はコミュニケーションの始まり

 人と会ったとき、別れるとき、朝起きたとき、夜ベットに入るとき……。私たちはその折に応じて挨拶をします。これはとても大切なコミュニケーションの一つだと思います。そして言葉だけでなく、手をあげたり、微笑みかけたり、いろいろなジェスチャーをまぜてメッセージを送ることもよくしています。これも親しみや好感を相手に伝えるうえで大切です。



認知症の人の体験を理解することからケアは始まる

 BPSDという表現は、アメリカの精神科医がよく使います。日本語では「行動・心理障害」と訳され、暴言、暴力、徘徊、不潔行為(弄便)、妄想等の周辺症状のことをさします。
 BPSDは介護をもっとも困難にするものとも言われます。しかし、こうした行動の障害には、本人が何かをしようとした思いが必ずあるはずです。たとえば、いわゆる「徘徊」という行動は、排泄したくなってトイレはどこかと探しているうちに、空間失見当があるためにトイレの場所が分からず、歩きまわった結果、私たちから見たら「徘徊」という行動に写るのでしょう。また、認知障害のために不安な気持ちになり、パニックに発展して何とかしようと思った結果、「興奮」という行動障害になることもあります。



出遭い体験にめぐりあう条件とは?

 前回に引き続き、私の出遭い体験を振り返ってみました。ブログへコメントを寄せてくださった方もいましたが、出遭い体験にめぐりあう条件とはどういうものなのでしょうか。

 「気づき」というか、「発想」には、1つの特異な状況があるように思います。エッセイストの外山滋比古氏は『思考の整理学』という著書の中で、中国の欧陽修の「三上」を引用しています。
 「三上」とは(1)馬上、(2)枕上、(3)厠上です。つまり、馬に乗っている時(現代でいえば、車の中とか電車に乗っている時)、枕に頭をのせて臥床している時(特に朝方目をさまして床のなかにいる時)、トイレの中で座っている時のことです。欧陽修は、この様な状況下で良い発想があるとしています。



「出あい」体験とは?-出会い、出逢い、そして出遭い

 北風に枯葉の舞う季節になりました。感冒をひかないように体調にはお気をつけください。
 さて、いままで7つの私の「出あい」体験について述べました。1つひとつの体験は過去のことですが、想い出すと現在によみがえって、今の私を揺り動かします。過去は時間の軸では過ぎ去ったことですが、「今」でもあるのです。人間の心は本当に不思議ですね。



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プロフィール
長谷川和夫
(はせがわ かずお)
認知症介護研究・研修東京センター名誉センター長、聖マリアンナ医科大学名誉教授。専門は老年精神医学・認知症。1974年に「桜、猫、電車……」の長谷川式認知症スケール(HDS-R)を開発者して以来、常に認知症医療界の第一人者として時代を牽引してきた。最近では、「痴呆」から「認知症」への名称変更の立役者でもある。『認知症の知りたいことガイドブック』(中央法規出版)、『認知症を正しく理解するために』(マイライフ社)、『認知症診療のこれまでとこれから』(永井書店)など著書多数。
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