今月のおはよう21 ここが変わる! 2027年介護保険改正

2026/08/14

『おはよう21』2026年10月号から、特集(ここが変わる! 2027年介護保険改正)の内容を一部ご紹介いたします。


2026年6月19日、介護保険法の改正を含む、「社会福祉法等の一部を改正する法律案」が国会で可決・成立しました。
これにより、2027年4月に、介護保険制度が大きく変わります(一部ずれ込む可能性あり)。
介護保険施設・事業所の運営にどのような影響をもたらすのかを詳しくみていきましょう。

 

期待と不安 法改正で現場はどう変わる?

中山間・人口減少地域でサービスを持続させるためのしくみを創設


背景には深刻な人口減少

都市部から離れた山間部などでは、人口が急速に減っている地域があります。
そうした地域を「中山間・人口減少地域」と言います。

 

中山間・人口減少地域では、もともと介護サービスを担う人材の確保が難しく、事業所も不足しがちです。

 

加えて、高齢者も減少傾向に入り、サービスの需要も少なくなっています。
利用者の住まいも点在していることから、利用者宅への訪問や通所等の送迎などの移動が長くなり、サービスの効率が悪くなりがちです。

 

その結果、サービス事業者の経営は厳しくなり、閉鎖・撤退を決める事業所も少なくありません。
特に訪問介護は、自治体に一つもない「空白地帯」が広がっています。


「特定地域サービス」の誕生

これに歯止めをかけるため、改正法では、中山間・人口減少地域を「特定地域」に指定し、そこで柔軟なサービス提供を可能とする「特定地域サービス」を創設しました()。

   

新たなしくみ

 

特定地域サービスでは、その地域の人口減少や従事者の状況を考慮して、全国一律の指定サービスとは異なる人員基準などを厚生労働省が定めます。
その基準をもとに都道府県が条例を制定し、事業者はそれに従って運営することになります。

 

基準については、人材確保などが特に難しい地域を対象とすることから、指定サービスよりも緩和した人員基準となることが想定されています。

 

具体的には、職員の負担やサービスの質の確保に配慮したうえで、管理者や専門職、夜勤職員の配置要件を緩和するなどの案が出ています。


介護報酬の体系も変わる?

変わるのは、基準だけではありません。
報酬についても、地域の事業所の実情を踏まえ、指定サービスのような全国一律とは異なるしくみが検討されています。

 

その一つが訪問介護などでの「月あたりの定額報酬(包括報酬といいます)」の選択制です。

 

利用者が点在し、利用者宅間の移動時間が長い地域では、1日の訪問回数が限られてしまいます。
そのため、1件のキャンセルが経営に大きな影響をもたらしかねません。そうした不確実性を排除するために、訪問回数に左右されない包括報酬の導入が検討されているのです。

 

なお、特定地域の範囲は、「特別地域加算(離島や豪雪地帯でのサービス提供に適用される加算)」の対象地域を基本とする案が上がっています。

 

ここからの地域拡大も提案されていますが、すべての対象地域で、「特別地域加算」が適用される可能性もあります。


施設・居住系も対象に

「全国一律のサービスとは異なる基準や報酬体系を適用している」という点では、すでに「基準該当サービス」や「離島等相当サービス」と呼ばれるものがあります。
これを「特例介護サービス」といいます。

特例介護サービスは、いずれも「都道府県や市町村による指定制」ではなく、「市町村への登録制」となっています。
これは、全国一律とは異なる基準や報酬を適用した場合でもサービスの質を担保できるよう、市町村の関与を強めるためです。

 

今回新設された特定地域サービスは、先の2つに続く、3つ目の特例介護サービスとなります。

 

ただし、特定地域サービスは、先の2つの特例介護サービスとは異なり、施設系サービスや居住系サービスも対象となっています。

 

「特定地域居宅サービス等事業」
しかしながら、人口減少が特に著しい地域では、特定地域サービスを適用しても、サービス資源の確保が厳しくなることも考えられます。
特に居宅サービスは、資源確保が困難となりがちです。

 

そこで、特定地域を対象に、市町村の創意工夫によって、地域の居宅サービス不足を補うしくみも設けられました。
これを「特定地域居宅サービス等事業」といいます()。

 

最大の特徴は、介護保険の給付ではなく、介護予防・日常生活支援総合事業などと同様に、市町村の地域支援事業で行うことです。
実際のサービス提供の多くは、市町村が事業者に委託するかたちで行われます。


続きは本誌でご覧いただけます。

 

執筆

執筆 田中 元(介護福祉ジャーナリスト)


以上は、『おはよう21』2026年10月号の特集の内容の一部です。このほかにも本誌では、下記のトピックを取り上げ解説しております。ぜひお手に取ってご覧ください。

 

特集

ここが変わる! 2027年介護保険改正

CONTENTS

1 知っておきたい“改正”の基礎知識
2 期待と不安 法改正で現場はどう変わる?
3 まだまだある2027年の大変化トピック


『おはよう21 2026年10月号』

●本書のお買い求めは、 中央法規オンラインショップ が便利です。
年間購読(増刊号2冊含む計14冊)のお客様は、1冊あたりの割引に加えまして毎月の送料をサービスさせていただきます!
さらに、年間購読の方限定の動画配信サービスもご利用いただけます!

●電子版も好評発売中!
販売サイトは Amazon 富士山マガジンサービス から順次拡大予定!